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「常識・普通」に惑わされない

「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」

これはかのアインシュタインさんが残したコトバですが、私がこの言葉を知ったのは「僕のヒーローアカデミア」の中でパワーローダー先生がデクたちにサポート科の生徒「発目さん」を紹介した時に引用された時でした。

発目 明

発目さんは自分の考えに忠実で失敗を恐れず、とにかく思い付いたことはやってみるという性格。
そんな発目さんの「常識に囚われず、ひたすら可能性を求める姿」をパワーローダー先生は上記の言葉を用いて評したのです。

カウンセリングを受けに来られる方の多くはこの「常識」とか「普通」というコトバに戸惑い、言葉に囚われてしまい自分を「否定」しがちです。

ここで質問…と、これは以前も書いたことなのですが、ここで改めて皆さんに考えて頂きたくお伝えします。

あなたはバスタオルをどれくらいの頻度で洗濯しますか?

この質問を講座などの中で問い掛けると、実に様々な答えが返ってきます。

使うたびに洗濯する、一日おき、二日おきに洗濯する、一週間同じバスタオルを使う…
ちなみに私は「2回使ったら」洗濯します。

さて、この中にあなたと同じ答えはあったでしょうか?
さらに言えば、どれが正解でしょうか?

もちろん衛生的な面でのいわゆる「お勧めの洗濯時期」というのはあるのでしょうが、どれも正解だと考えて下さい。

例えば私の場合、今の時期だと光熱費の節約の意味でも毎日風呂に入ることは無く、一日おき、面倒な時は二日間風呂に入らない時もままあります。

逆に夏場などは一日に2回、シャワーを使うこともあります。
すると冬場は一日おき、二日おきの洗濯ですが、夏場に2回シャワーを使えば、そのあとすぐに洗濯をします。

これは私の中の「常識」であり、私にとっての「普通」です。
つまり上記のように様々な答えが出て良くて、それらの答えはみんなそれぞれにとって「普通」であり「常識」なんです。

問題はこの「普通」とか「常識」が違うことに不安を感じてしまうことです。

あの人の「普通」と私の「普通」が違う…
私が間違っているのか…?

こんな風に他人の「常識」や「普通」と自分のそれを比べて、そこに違いがあることで不安になってしまう。
これは感じる必要のない「不安」であると気付いて下さい。

いわゆる「常識」や「普通」を「みんな」という主語で話す時、それは法律やルールで定められている事ならOKなんです。

人を傷付けてはいけない、人を殺してはいけない、人のモノを盗ってはいけない、赤信号では停まりましょう…
これらは「みんな」が守らなくてはいけないことで、これは「常識」や「普通」というコトバで日常的に表しても問題ありません。

ですがそれ以外のことについては「自分の常識とあの人の常識は違うし、違って良い」と考えることが必要になります。

「バスタオル いつ洗うか」問題などまさにその典型で、毎回洗う人に対して「洗い切れしちゃって、すぐにタオルがダメになってしまう」と考える必要はなく、また何日か置いて洗う人に対して「そんな不潔なタオルを使っているの?」なんて思う必要もありません。

これらの「常識」とか「普通」ってその人が育った環境で身に付けたモノがほとんどで、私の家ではそうだったから、という方がほとんどだと思います。

これらの「常識」とか「普通」は育った環境が違えばその数だけあって、また文化とか風習とか、地域とか国でも全く違ってきます。
それを否定するのではなく、そういうこともあるのかと受け入れていく姿勢が「多様性」なんだろうと考えています。

もしあなたが誰かに「それって常識じゃない?」と言われたら「それはあなたの常識で、私の常識とは違うんだから、それぞれで良いんじゃない」と答えて良いんです。
もちろんその時には、相手の事情とか状況をも受け入れて、肯定的に受け止めることが大切です。

あなたにはあなたの「常識・普通」があって良いし、他の誰かにもその人の「常識・普通」がある。
それは法律に反していなければとりあえずどれも正しくて、否定されるべきものではないし、自分で否定したり卑下したりする必要もありません。

だからあなたも「普通」だし、あの人も「普通」なんです。

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