「世話焼き」はほどほどに
アダルトチルドレンには5つのタイプがあると言われています。
最近では6つとか7つというようなモノも見かけますが、これは5つの対ぴがそれぞれ単独で現れることは少なく、複数が混じっていることの方が多いことからそれらも一つのタイプとして扱うとその数も増えるという風に理解してもらえれば良いと思います。
また一つのタイプがずっと続かずに成長するに連れてその環境等からタイプが変わることもあります。
例えば小さい頃は明るくて元気だった子が思春期を迎える辺りから物静かになってしまう、ということなどよくあることです。
ここのところカウンセリングに来られる方の中で、5つのタイプの一つである「ケアテイカー」が増えて来ている、という印象があります。
ケアテイカーとはいわゆる「お節介焼き・世話好き」というタイプです。
このタイプはトラブルの多い家庭(夫婦仲が悪い、日常的に介護や看護が必要な家族がいるなど)の中で幼い頃から家族のお世話をしたり問題の後始末をしたり、親からの愚痴や相談を聞いたりと、ヘルパーやカウンセラーのような役割を担っています。
自分のことはいつも後回しにして調整役、世話役になることで、周囲の役に立とうとします。
そのような行動をすることによって自分の存在を認めてもらうことで、自分の承認欲求を満たそうとしてしまうため、常に他人ありきとなってしまい自己犠牲を伴うことも少なくありません。
そのような生き方から、このような方々は福祉職や援助職に就かれる方が多いのも特徴の一つです。
私のところでも介護ヘルパーやケアマネージャー、看護師といった方々が多くいらっしゃいます。
全体の約3割がこのような仕事をされているというのが現実です。
その理由として、一番手っ取り早く他人から認めてもらえる仕事だから、ということもあります。
患者さんや利用者さんから「ありがとう」と言ってもらえる、同僚などの手助けも容易に出来る、例えば仕事のシフト変更を言われても「NO」と言わず、自分がどんな状況でも相手の期待に応えてしまう辺りは、ケアテイカーの特徴がもろに出ていたりします。
こういう人は他人の痛みを自分の痛みのように感じ、誰かが困っていると放っておくことが出来ません。
また常に周囲のことを考え、周囲の顔色を窺っているので自分の欲求や感情が分からず、依存傾向がある人につけ込まれやすいところもあります。
例えば交際相手の面倒をすべて見てしまったり、相手ありきで自分の行動を制限したりしてしまうなど、共依存関係に陥りやすくなってしまいます。
更にこういったケアテイカーが家族を作ってしまうと、夫や子供に対しても必要以上に献身的に尽くしてしまったりすることで、逆にその相手が何も出来ない、何もしない人にしてしまう可能性があります。
例えば子供に対しては、子供の自主性を尊重せず「子供のため・良かれと思って」先回りして何でもしてしまうため、結果的に子供は自分で何をすべきか、何がしたいのかを考えなくなってしまい、何も出来ないオトナになってしまいます。
いわゆる機能不全家庭の要件「過保護・過干渉」な家庭となります。
これも立派な虐待だということを理解して下さい。
他人のために何かをしてあげたいという気持ちは尊く、とても大切ではあるのですが、それも度が過ぎると自分のためにも相手のためにもならない、ということは知っておいて欲しいと思います。
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