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話を「聴く」

連日の記者会見報道を観ていて改めて感じるのは、話を「聴く」ことの大切さです。

これはマスコミ報道の問題点として常々思っていることなのですが、やっぱり会見などは全てを余さず、記者からの質問も含めて伝えてもらわないと、話している側の伝えたい意図が伝わらなかったり、意図的に部分をつまむだけでは誤解をされてしまうことも多いと考えています。

新聞やネット記事などもそうですが、派手な見出しだけを取り上げてしまうと伝える側が本来伝えたい事とは全く逆の意味として受け取られてしまいかねないことだってあります。

文字数の制限や時間の制限があるのも分かるのですが、その言葉の前後にどのようなことを話しているのか、話の流れが分からないままショッキングな言葉だけを取り上げられては、本当にその人が伝えたい事は何なのかをつかみ損ねてしまうことの方が多いと思うので、可能な限りその人の話はカットせず、しっかり伝えてもらえたらと思います。

これは個人同士のコミュニケーションにも同じことが言えます。

誰かと話をしている時、相手の話を遮ったり横取りしてしまう光景はよく見かけます。

相手が何かを伝えようと話している時、その話の腰を折って「それ分かる~」とか「いや、そうじゃなくてね…」など、相手の話が終わる前に自分の意見や想いなどを話し始めてしまう。

これをしてしまうと、話を遮られた方は「まだ終わってないのに」という想いばかり募らせてしまいます。

そういうことが繰り返されると「この人は私の話を聴いてくれない」と思われてしまい、その人は離れて行ってしまいます。

特に子育て中の方がこれをしてしまうと、その子は「自分の事を話してはいけない」という思い込みを作ってしまい、その後の人生に大きな負の影響を与えてしまいます。

子供はまだそのボキャブラリーが未熟なため、自分の想いや考えをうまく伝えることが出来ません。
だからこそしっかりと、子供の目を見ながらその想いを汲み取れるよう、最後まで話を聴く必要があります。

そうする事によって子供は「自分の事を話して良い」「自分の話を聴いてもらえる」という安心感を感じるようになって、やがて豊かに自己表現が出来るように育って行きます。

きちんと自分の想いを伝えることが出来るようになればその人間関係も良好に構築出来るようになって、生きづらさを感じることは無くなります。

人間関係でいつも躓いてしまう方はここに問題があるのかも知れません。

「自分」を伝えることが出来ていないため相手には「正しい自分」が伝わっておらず、相手に合わせる事しかしていないため誤解やすれ違いが生じてしまって、結果的に人間関係がうまく行かないことを続けてしまう。

そんな方はまず、相手の話を「聴く」ことから始めてみると良いかも知れません。

相手は何を私に伝えたいのか?
そこに注目して集中してしての話を聴く。

そこで「私はこんな風に受け取りましたよ」と相手に伝え返してみる。
その受け取り方が相手の思い通りならそれで良し、もし違っていたら相手から「いやそうではなくて…」とまたボールが返ってきます。

そのキャッチボールが「コミュニケーション」であり、そこで最も大切なのは「相手の話を最後まで聴く」です。

カウンセラーが行なう「傾聴」では、相手の話に『。(読点)』が付くまで、相手の話を遮らないことを基本とします。

子育て中の方はここを意識して子供さんの話を聴いてあげると、その子はオトナになって豊かな人間関係を築けるようになります。

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須藤 勝則
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