子育てと感情のコントロール
カウンセリングに来られる多くの方は「出来ない自分」探しが得意です。
幼い頃に親から認められた経験が乏しく、否定されたり無視されがちだったため「自分はダメな人間・何も出来ない、役に立たない人間」という間違った思い込みが刷り込まれてしまうからです。
一方でこういう方ほど「幸せな家庭」に憧れて、比較的若いうちに結婚し、家族を作ろうとします。
ですがこういう方はそのパートナーにも自分と同じような相手を選びがち、というのは以前お伝えしましたが、結果的に共依存が形成されて、子育てもうまく出来なくなってしまうケースが多くなります。
このような自分に気付かないまま親になってしまい、自分の子育てがうまく行かずカウンセリングに来られる方も居ます。
その多くは「私は毒親ではないのか?」とか「私は我が子に虐待をしてしまいそうで」と心配されて来るのですが、ひとまずそこに気付けたからこそカウンセリングに来られた、という自分自身を認めて下さいね、と伝えています。
そこで問題となるのが、自分自身の感情をコントロール出来ない、というところです。
子供が自分の言うことを聞いてくれなくてイライラしてしまい、つい大きな声を出してしまう、手を上げてしまう。
「親」を経験されている方なら誰しも、こういうことってあったと思います。
ましてや自分自身が子供の頃にそうされていたら、自分の子供にそうしてしまっても仕方ありません。
アンガーマネジメントを知っている方だといわゆる「6秒ルール」を知っている方も多いんですけど、実際にそれを正しく学んでいる方は少ないようで、うまく行かない事の方が多いようです。
「6秒数えたら怒りが消える」と思われている方がいるのですが、6秒ルールとは自分を落ち着かせるモノで、怒りの感情そのものが無くなる訳ではありません。
まず自分を落ち着かせて、自分が何に怒りを感じているのか、それをどう伝えれば良いのかを考えられるようになるための6秒なんです。
子供が親の言うことを聞かないのは当たり前、そこには子供なりの理由がある。
これを基本として自分の想いを伝えていけるようになることが、感情のコントロールでは大切になります。
(伝え方については「アサーション」という技法があります)
まず子供の訴えをしっかりと聴く。
その子がどうしたいのか、どうなりたいのかをそこから汲み取って、その想いをしっかりと受け止めてあげる。
その上で今の事情を説明し、親自身が子供にして欲しいことを伝える。
この一連の流れを身に付けていくことで、感情のコントロールは出来るようになります。
このような態度で子供に接することで、子供は「自分の想いや考えを伝えても大丈夫」という安心感を学び、自分を伝えられるオトナになって行けるようになります。
さらに子供の感情を育てていくという意味では、子育て真っ最中のパパさん・ママさんにはぜひ、ここに気を付けて欲しいと思っています。
子供さんに対してその子が出来た事・達成したことはきちんと認めてあげる、やってはいけないことをしてしまった際はしっかりと理由を伝えながら叱る。
そうしていればその子がオトナになった際、キチンと達成感を感じることが出来て、出来ないことを「課題」として前向きに捉えることが出来るようになりますよ。
機能不全家庭を次世代へ連鎖させないためにも、自分が毒親にならないように、我が子をアダルトチルドレンに、毒親にさせないように。
自分の内面と向き合って、感情のコントロールが出来るようになることは、自分自身が感じる生きづらさを解消していけるようにもなりますし、それは結果としてあなたの周りにいる人たち、家族や友達などにとっても良い影響を与えることになります。