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【詩】言の葉

ちいさな両手の底で
骨を傷めつけながら
笑っていました
痛みがあるから平気
ピアノがあるから平気
平気と思うようにしていた
すべてを
ピアノの中に隠して
音を鳴らしているつもりで
言えない言の葉たちを
その美しい友達にしまってもらっていた
あんなに愛していたのに
棄ててしまったから
行き場を失った言の葉たちが
いつしか
炎症を起こしていたのでしょう
壊れそうになっていたわたしから
あなたが掬い取ってくれました
がさがさの手を撫でてくれました

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