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地方大学の存続危機 - 地域社会の未来と観光振興への影響

地方大学を取り巻く現状と危機

静かに、しかし確実に進行している地方大学の危機。僕はいま京都芸術大学で教授という立場を拝命しながら、授業や学生指導含め学科のマネジメントやキャリアサポートや社会実装のプロジェクトをおこなっており、もう7年間東京と京都を毎週行ったり来たりの生活をしていると両都市における差や課題をいつも肌で感じている。
京都のような歴史ある学術都市ですら、就職活動が不利になるという影響を免れることはできません。京都の学生たちは就職活動の度に東京や大阪へと足を運ばざるを得ず、それは単なる移動の手間という以上に、彼らのキャリア形成における重大な障壁となっています。例えば、一回の東京での就活に要する費用は、交通費と宿泊費を合わせると軽く2万円を超え、これが何度も必要となるのです。時間的コストを考えれば、地方在住の学生たちは明らかに不利な立場に置かれています。

このような状況下で、進学を考える高校生たちの選択は自ずと限られてきます。「最初から東京の大学に進学したほうが有利」という考えは、もはや冷静な判断というより、生存戦略といえるでしょう。この傾向は、コロナ禍でのオンライン教育の普及により、さらに加速しています。

地方大学が紡ぐ地域の物語

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