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カルチャーショックリハビリ日記その9「ハンコとサイン」(2003)
前回「次回は7月!」として頂いたにもかかわらず、「フン、6月中にもう一本書いたるわい」と一人勝手に息巻いていたポル子ですが、気が付いたら8月になっていました。私事ながら、6月に就職しまして(アルバイトですが)、休みの日はぐったり寝ているだけという2ヶ月を過ごしました… 少し余裕も出てきたのでしょうか、このようにパソコンに向かっている次第でございます。
日本に帰ってからの私が毎日持ち歩いているもの、それはハンコです。実印でも、銀行用のハンコでもなくて、その辺で売っている認め印です。別に毎日使うものではないけれど、何かの機会に必要となることが多いからです。例えば会社で何かを支給されたときや、何か公的な申請をする時とか。「ハンコ持ってきてね」と言われても忘れることが多いので、いっそのこと保険証と一緒に毎日持って歩こうと。でも、時には「シャチハタでもいいですよ」と言われたり、「シャチハタはダメです。認め印持ってきて下さい。あ、市販の認め印でいいんですよ」と言われたり(その違いは?!)。こんな誰でも手に入れられるようなもので自分を証明していいのかなあ、と思ったりする今日このごろ。
世界中で、自分の身分を証明するときに印鑑を使う国って日本くらいなのではないでしょうか?大昔は血判押してましたよね…歴史資料館なんか行くとたまに見かけたような。
言うまでもなくイギリスではサインだけ、ですよね。小切手にサイン、クレジットカード使うときにサイン(これは日本でも同じですが)、とにもかくにもサインサインサイン。手紙をもらったり、何かの証明をもらったりするときなどにいろんなサインをイギリスで見てきましたが、幾何学的なものから、ただミミズがのたくってるようなものまで様々でした。正直言って私には「これじゃお前が誰だかわからんぞ」としか思えませんでしたが、本人にとっては「いや、これは間違いなくオレのサインだ」と見分けられるのでしょうか。そうなんでしょうね。
私がイギリスにいたときは、小切手切るときも、カードのサインをするときも、サインはほとんど自分の漢字の名前で通していました。パスポートのサインも漢字です。理由は、単純に、かっこいいサインが考えられなかったからです…(わしゃゲーノー人かい!) それに、一番書きやすかったから。30ン年間書き続けた愛しい私の名前。サインをする度にいろんな反応が見られて楽しかった。不思議そうな顔をしてカードのものと見比べるスーパーの店員や、「ビューティフルね!これがあなたの名前なの?」と言ってくれた人もいました。やはり自分の書き続けた名前をサインする、これこそ自分を証明する手段と思いました。日本人としてちょっと誇らしげになってみたりなんかしちゃったりして…
そう言えば私も日系小売店でアルバイトをしていたときに良くクレジットカードを取り扱いましたが、漢字の名前で縦書きにしている方がいらっしゃって、「ほぉ~」と感嘆したものです。余談ですが、一度びっくりしたのが、サイン欄に「OOちゃん」と自分のあだ名をひらがなで書いて下さった方…カードにももちろん「OOちゃん」と。ま、人それぞれということで。
まあサインもハンコも偽造が可能と言えば可能なワケで、どっちもどっちと言えましょう。本人確認の究極的に確実な手段?そりゃやっぱり血判でしょうな。この世に二つと同じ指紋はないし、血液のDNA鑑定も出来るわけで…痛そうですが。
9月に続くことを祈って、今回はこの辺で。
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