アトピー周辺知識2: 地域事情の比較
欧米人との比較
何故か日本人に比べアトピー性皮膚炎患者が少ない欧米人、その理由と思しきものを列挙する。主に欧米人側の優位点を纏める形となる。各所で頻繁に挙げられるものから、あくまで自身の仮説に過ぎないものまで含む。後に自身の感想・意見等も添える。
体質
表皮の角質層が厚く丈夫である(単純に肌のバリア機能が強い、白人・黒人共に)。
身体の体質・構造上動物性タンパク質の消化・吸収に秀で、アミノ酸・ビタミンB群・ミネラルの摂取が容易。
腎臓の機能が強く血液中の老廃物濾過での負荷に耐えやすい(腎臓機能の低下による肌荒れも起き難い)。
ただただ羨ましい。日本人はこの逆の性質を持つと言えなくもないが、東南アジアなどの大陸系でないアジア人も同様なのだろうか(東南アジアは温度・湿度の高さと後述の硬水やフルーツ・ココナッツ等食品からのビタミン・ミネラル・酵素・ラウリン酸摂取・米食の関係、毎日の入浴は行わずシャワー等での水浴中心、そして治療法の相違からか慢性的な患者は少ない、沖縄もややこれに近いか?)。
海外でもアジア系の人種はやはりアトピーにかかり易いらしい。
生活習慣
入浴剤や硬水でのミネラル摂取。
日光浴の習慣。
サプリメントの常用。
参考にした上で検証の後に日本人も改善可能。そもそも体質的に効率的な摂取が難しい等の事情が有り得るにも関わらず、サプリメントによる摂取を嫌厭する理由は特に無い。
サプリメントであれ経皮吸収であれ、はたまた体内合成であれ、治療に必要であるならば必要な形で必要なだけ摂取するのみである(適切に用いれば内臓への負荷の軽減も期待出来る)。ある種統合医療的なアプローチとも言える。
アトピー患者が欲して止まないのが体質改善であることは周知の事実であり、それが薬と食事のみでは難しい事は現状を見れば火を見るより明らかである。
環境
この項のみ日本側の劣位な点を述べる。
国による粉ミルクへのビオチン添加許可の著しい遅れ(胎児期・乳児期での早期介入の重要性、2018年に漸く改正)。
ナトリウム・カリウムへの忌避感からかミネラル軽視の風潮(ヒスタミン分解におけるマグネシウムの必要性、必須ミネラルだが欠乏し易い亜鉛・鉄分・硫黄の重要性)。
副腎疲労の軽視(体内でのコルチゾール生成の重要性)。
栄養学・分子栄養学の軽視(人間栄養学への無視)。
皮膚科学軽視の歴史。
世界基準と異なるステロイド治療法の蔓延
一応進歩は見られる模様…。
栄養学・分子栄養学についてはその信頼性が問われる事があるが、そもそも皮膚科学共々軽視しておきながら結果だけは他と同様に出せというのも理不尽な話である。ましてや自身にも結果が伴わないのなら尚の事。そこに現実的な要請・確かな需要が存在する、という事実を噛み締めその意味を理解して貰いたいものである。
彼等曰く慢性疲労等は根本的な原因を不明としながらも、何故か栄養療法が対症療法に留まる事だけは判るらしい。個人的にはその判断基準の方が解らない。
ある意味日本における大量のアトピー患者は、日本という人間栄養学不毛の地に必然的に生まれた医療政策棄民の類いであるのかもしれない…。現代の日本医療はその裾野を拡げる事を拒んでいる、という言い方をしても良いだろうか。
人間栄養学というある種の東洋医学的アプローチにおいて、何故か日本が西洋に劣るというのは中々に皮肉な現状ではある。