大岡昇平『レイテ戦記』『俘虜記』『野火』
それから太平洋戦争についての本を読んでいった。
『レイテ戦記』は緻密に調べて書かれていた。
上、中、下巻にまとめられている。
フィリピンの島の一つであるレイテ島に配置されていた陸軍の中に大岡昇平がいた。
多く日本兵がなくなったことから、亡くなった兵隊たちやその遺族に対して戦争の詳細を書くことで鎮魂の祈りとしたとある。
いつの時代も戦争を起こした人たちは安穏としており、前線で戦うこととなるのは人生を奪われてしまった人たちである。
物資の補給がうまくいかなかったことによる飢餓や栄養失調からなくなった人たちがいかに多かったことか。
米が港に山になって積まれているのにアメリカ軍の攻撃もあり、それを各地に積み込んで運ぶことができなかった。
島の戦いの中では逃亡する兵も多くいたこと。
軍としての統率力が機能しなくなるほどに追い詰められていたこと。
フィリピンを戦いの地として現地の人たちの多くの人を巻き込んでしまったこと。
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捕虜となって、それまでの日本軍での待遇よりも捕虜としての待遇の方が人権が守られていたということ。
衛生面でも物資の面でもアメリカは日本とは大違いだったということ。
チョコレートや石鹸を支給してくれていたことや、トイレの処理のやり方も考え方と資金面でも程遠い違いがあった。
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『野火』では飢餓状態となった兵隊が、人の食肉をするという精神の極限状態を書いている。
映画にもなっている。
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どうしてそこまで知りたくなるのか、自分でもよく分からなかった。
当時の自分自身の精神状態が日々うめくような極限状態に近かったから、呼び寄せられていたのかもしれない。
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もう一度言う。
戦争自体が巨悪なのだ。
だから
戦争責任をだれかに押し付けることなんてできない。
東京裁判も公平でも正義でもない。
戦争を推し進めた国そのものが巨悪だからだ。
もうこりごりなのだ。
目を覚ましてほしい。
武器を作ることや脅し合いをすることなどやめてほしい。
優先順位が違うだろう。
やるべきことが違うだろう。
誰のために軍隊はあるのか。
国民を守ることではないことは確かだと歴史は物語っている。
そんな国でほんとうにいいのだろうか。
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