望月風亜

書くことが好きです。主にエッセイや小説等を投稿します。日常やたわいもないことなどについ…

望月風亜

書くことが好きです。主にエッセイや小説等を投稿します。日常やたわいもないことなどについて書いたりしています。

マガジン

  • コットンキャンディー-私inあめりか-

    英語が分からないけどアメリカに引っ越す「私」のお話です。

最近の記事

3人のおばあちゃん #2

鏡で私の顔を見ると私はおばあちゃんにそっくりだった。嫌でもおばあちゃんと血が繋がっていることが分かる。いつかおばあちゃんの昔の写真を見たら、今の私とそっくりだった。昔はおばあちゃんに似ていると思ったことはなかったけど、年を重ねるごとにおばあちゃんにより似てきていること年々実感する。特におばあちゃんと私が似ているのは口だった。おばあちゃんも私も、腫れぼったい唇だった。たらこ唇だった。あと、性格も少し似ている。私もおばあちゃんも頑固なのだ。それでも、私はおばあちゃん程、頑固ではな

    • 3人のおばあちゃん

      私には3人のおばあちゃんがいる。私にとって3人のおばあちゃんは全員大切だ。でも会えなかったり、話したくなかったり、話せなかったり、分かり合えない時もある。生まれた時代が違くて、生きた時代が違いと分かり合えないことや、共感できない価値観があるのかもしれない。それでも、他愛もないことで一緒に笑いあったり、時には悲しいことがあれば一緒に泣いたこともある。年の差を乗り越えて、同じ時を一緒に過ごすと、ある程度お互いのことを知ることができる。相手のことを全ては理解できていないのかも知れな

      • 夏のしっぽを離さない

        終わってしまった、夏が。もう7月、8月が過ぎ去ってしまい、9月になってしまった。9月になり、日が暮れるのも早くなり、夜になれば肌寒くなるようになった。いつの間にか夏が終わってしまったのか。海にも行ってない、プールにも行ってない、夏休みも取れてないのに時は刻々と過ぎていった。一番好きな季節はいつと聞かれれば、夏と答えると思う。でも最近は少し躊躇するようにはなってきた。学生の頃は長い夏休みがある夏が大好きだった。肌を黒く焼いて、海に行ったり、プールで泳いだり楽しかった。今、会社員

        • #15 アメリカで言葉の壁を感じながら

          起きたくないし、眠い。だけど仕方なく起きることにした、アラームがうるさいから。あぁ、学校行きたくない、学校に行くのが面倒だなって思いながら学校に行く支度をする。簡単にごはんとみそ汁を食べて、学校に向かった。 一時間目の授業はまた小テストがあった。小テストのことをこっちではクイズって言うみたい。だから私はクイズを受けた。昨夜勉強したからか、意外と早く終わったので暇な時間が二十分程あった。周りを見渡すとまだ一生懸命頑張ってる生徒もいたけど、もう終わって机の上で爆睡している生徒も

        3人のおばあちゃん #2

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        • コットンキャンディー-私inあめりか-
          14本

        記事

          #14 あなたは男?、女?って聞かれて

          そういえば、こないだAre you a boy or a girl?って笑いながら聞かれた。面識のない先生らしき人に廊下でAre you ….?と言って、なんかニヤニヤしてきた。腹が立つ。だからガール!って言っといた。で、また面倒なことはガールの発音が難しいこと。Rの発音に私は苦戦している。だから、余計に分かってもらえない。私のガールが通じたことを願っている。 確かに、私の髪は短い。んで、確かに可愛いフリフリの服を着て学校に行っていない。だからしょうがないから明日は”女っぽい

          #14 あなたは男?、女?って聞かれて

          #13 月曜日がまたやってきた...

          また月曜日がやってきた。一時間目の自然科学はまず座学の授業を受け、ノートをとった。このクラスにはESLの授業でクラスメイトのメキシコ出身の生徒が二人いた。その二人の生徒はたまにスペイン語で何か話していた。私は少し羨ましかった。この学校にはスペイン語、ポルトガル語、中国語やアラビア語を話す生徒が少しいた。だから、英語が流暢でなくても他言語で意思疎通したり、友人と話し、笑ったり、ふざけ合ったりすることができる。でも日本語を話す生徒はこの学校にはいなさそうだった。私は少しだけ心細く

          #13 月曜日がまたやってきた...

          #12 アメリカステートフェア

          朝早くに起きて、State Fair というお祭りみたいな催し物に行ってみた。家畜として飼育されている動物が展示されていた。兎、鶏、牛、七面鳥、鴨など様々な家畜がいた。それぞれの家畜に一位、二位、三位と位付けされていた。一等賞の七面鳥は大きくとても立派だった。他には、カボチャや花にも位付けされていた。一等賞のカボチャはとても大きく、見事なものだった。日本ではみたことないサイズのカボチャだった。アメリカではカボチャは食べる用のカボチャと飾るようのカボチャがあるみたいだった。この

          #12 アメリカステートフェア

          #11 真っピンクのマニュキア

          ブラインダーの間に指を入れて、外を見ると、外は真っ暗。電気を付けて、寝ぼけながらも、顔を洗って、自分の顔を覗き込む。さえない顔をしている。髪はぼさぼさ。髪を無理やり手で押さえて、なんとか寝ぐせを直そうとしてみる。なかなか頑固な髪で直らない。諦めて、台所に向かい、炊飯器を開けて、米をよそい、朝食を食べる。学校行きたくないな、そんなことをぼんやり考えている。服を着替えて、外に出た。まだ辺りは真っ暗。朝なのに暗くて、気分が更に重くなる。車に乗り込んで、学校まで送ってもらう。道路沿い

          #11 真っピンクのマニュキア

          #10 アメリカ高校登校2日目

          学校登校二日目。早速寝坊した。昨夜遅くまで勉強したのと、時差ぼけと、学校に行きたくないからぐずぐずいつまでも寝ていて起きれなかった。父さんは相変わらず心配性だから、不必要に早い時間に家を出て、学校に向かいたがる、遅刻しないように。でも私はなるべくぎりぎりの時間に到着したかった。なるべく学校にいる時間を短くしたかった。今日は私が寝坊したこともあり、丁度よい時間に登校できた。 朝、スクールバスに乗って登校することも出来る。しかし私の居住地域は学区の隅の為か、朝五時四十分頃にスク

          #10 アメリカ高校登校2日目

          #9 私の孤独が強くなる騒音の中で

          カフェテリアは生徒でごった返していた。カフェテリアには長い机が幾つもあり、その机に椅子がパイプでくっついていて、椅子に座り友人と何か楽しそうに話しながら昼食をとる生徒、携帯を使っている生徒、宿題をしている生徒などで溢れていた。私は急に寂しくなった。生徒が皆楽しそうに見えた。しかし私は一人ぼっちだった。カフェテリアの騒音を私は今まで経験したことがなかった。何百人という生徒が一斉に大声で話している。うるさかったし、嫌気がさした。騒音の中で私の孤独が強くなった。私はカフェテリアを後

          #9 私の孤独が強くなる騒音の中で

          #8 私のジャパンが通じなかった

          体育の授業中に話しかけてくれたクラスメイトがいた。 “Where are you from?” 「ジャパン」 “Where?” えっ、なんで通じないの?日本って英語でジャパンだよね。私は戸惑った。 「ジャパン!」 “What?” 「ジャパン?」 “What? Where?” 私は困ったが、しょうがないから適当に強弱を変えて何回かジャパンと連呼した。 “Oh, Japan!” その男子生徒は嬉しそうに、やっと理解してくれた。 そして彼のJapanと私のジャパンの発音は私でも分

          #8 私のジャパンが通じなかった

          #7 あなた誰って体育館で言われて

          先生らしき女の人が体育館内に立っていた。その先生は小柄だったが、髪は短く、強そうだけど、優しそうでもあり、立っているだけで、格好よかった。先生は私に気づいて、更衣室を案内してくれた。私は更衣室内に荷物を置いて、生徒が集まっている体育館に行った。皆が座っていたので私も適当に後ろの方で、身を潜めていた。 しかし、すぐ私の存在を皆が気づき始めた。その中でも、元気のよい背の高い男子生徒が大きい声で"Who are you?"と叫んできた。Who は誰。You はあなた。要するに、「

          #7 あなた誰って体育館で言われて

          #6 おじさん先生の眼鏡越しのぎょろっとした目

          一時間目はNatural Science、自然科学だった。何かプリントが配られた。何について学んでいるかは、絵を見て何となく想像できた。山、川、太陽、風、雨などのイラストがプリントに印刷されていた。気候などについて学んでいるようだった。先生は教室を暗くし、パソコンを使ってスクリーン上にパワーポイントなどで予め準備していた教材を映し出していた。私は何をしていいのか分からなかったので、周りを見回した。 生徒たちは画面に映し出されている図や解説文を見て、何かプリントやノートに写し

          #6 おじさん先生の眼鏡越しのぎょろっとした目

          #5 アメリカ高校1日目

          私がこれから通う高校が決まった。車で十分程で通える場所にある大きい公立高校だった。一学年五百人程在籍していると思われる。今日は登校一日目。父さんはその高校で書類を受けとるために私と一緒に高校まで来た。私はその大きさに驚いた。高校の前には黄色く、大きいスクールバスが何台も停まっていた。近くに湖があり、鴨などの野生の鳥を見かけた。りすなどの小動物も沢山いた。日本で野生のりすを見たことが一度もなかったので写真を何枚か撮った。校舎の前にはトラの像が配置してあった。後から知ったが、この

          #5 アメリカ高校1日目

          #4 アメリカ高校入学面談の日

          面談の日がやって来た。面談の場所は、詳しいことは分からなかったが、地元の教育委員会みたいな場所だった。私は何を着ればよいか分からなかった。父さんと話し合った結果、何故か日本から持ってきてた日本の制服を着ることになった。やはり、面談の時はちゃんとした正装を着るべきだということになったが、私が唯一持っていた正装着は制服だった。この選択が正しかったのか分からなかった。制服を着たくないと私は言い張った。しかし、私は結局制服を着て出かけることになってしまった。アメリカの学校でも制服を生

          #4 アメリカ高校入学面談の日

          #3 消えないベットの手形

          父は何となく痩せている気がした。疲れているのだろうか。それとも、一人少し先に渡米していたため、自分で料理が出来ず、痩せこけてしまったのか。考えるに、両方当てはまっているのではないだろうか。更に、日本では会社の同僚や後輩または先輩などと飲み歩き、またお客さんとの接待などで外食を頻繁にしていた。日本にいた時は、推測するにビール腹になっていたのだ。 私の鼻は普段上手く機能しない。私は臭いに鈍感だった。しかし、煙草の臭いにはなぜか敏感だった。もしかしたら、私が幼かったと時に父が、私

          #3 消えないベットの手形