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「人事評価の教科書」から「年功主義とは何か」を学ぶ

ゴールデンウィークの課題図書として「人事評価の教科書」を読みました。


こちら、労政時報でおなじみの労務行政さんの書籍です。このシリーズ、人事パーソンの方ならどこかで目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人事評価って、設計手法を扱った本はありますが、以前からメジャーな「情意考課」「コンピテンシー」といった言葉をわかりやすく説明してくれる本ってなかなかないような気がしています。
もちろん、人事制度は各社各様ですし、専門書を読めば理解できることもあるのでしょうが、適度なレベル感で考えさせてくれる、この「ちょうどよさ」が好きです。
本記事では、その中でも基本に当たる箇所である「年功主義」を取り上げてみます。

人事評価のトレンド

「昔は年功序列で、90年代から成果主義が多くなったけれどうまくいかず~」くらいのことは何となく知っていました。

特に成果主義の話は、のちに「若者はなぜ3年で辞めるのか?」で有名になる城繫幸さんが富士通社の事例で紹介している「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」などは過去読んだことありました(完全に余談ですがこの本、アマゾンのレビューで「ルー大柴」とある通り、なぜか日本語と英語を並列しているという、読みづら…もといTOEICなどの勉強をしている方には一石二鳥の本です。)。

年功主義とはどういうことか

話を戻します。年功序列や成果主義の違いをはっきりと、しっかりと理解できているかというと、自分はできていないことに気付かされたわけです。
例えば年功主義でいうと、

  • 横並び、100人中90人は課長までは上がれる制度だよ → そうね

  • 課長になれない10人はもう二度と挽回不可能なんだよ → !!

というところです。本書でも2点目をポイントとして挙げていて、(ここに気付けない人は)「『まだまだ人事評価について勉強することがあるな』と考えてください」とあります。耳が痛い。勉強します。。。

そして、落ちこぼれを作らないために、同期会などで結束を高めていた、ということにもつながるわけです。90人に入ることはおそらく容易ではありますが、かといって手を抜きすぎて落第とはなりたくないですからね…。

「経営幹部になっていくために頑張るというよりも、惨めな思いはしたくないので頑張るというメンタリティを、人事評価によってくすぐる」、と。この役目は初めて気づかされました。

年功主義はフィードバックなし

もう一つ知らなかったことは、年功主義は結果をオープンにしない、というものです。そして、気づいたら先述の「課長になれない組」への振り分けがされている…。
納得といえば納得ですが、こういうクローズさから、いわゆる人事権の強さというものを感じさせられますね。。。

おわりに

本記事で取り上げたのはごく一部ですが、他にも「コンピテンシー」「評価者訓練」など様々な観点から取り上げています。
人事の方も、管理職の方も一度目に通すと、どこかで知らなかったところが出てくる1冊です。


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