2024年11月8日(金)もちもち妖怪、緑茶で一息
週末を前に、今日は久しぶりにゆっくりと緑茶を楽しむことにしました。緑茶は私たち妖怪が安全に飲める数少ない飲み物の一つです。特に、この季節の緑茶は格別な味わいがあります。
オフィスのキッチンで急須を使ってお茶を入れていると、同僚の田中さんが興味深そうに覗き込んできました。「最近はみんなペットボトルばかりなのに、ちゃんと急須で入れるんですね」と。
実は、私が急須でお茶を入れ始めたのには理由があります。先月、ペットボトルのお茶を飲んでいた時、体の一部が透明になってしまい、大変な思いをしたのです。調べてみると、ペットボトルのお茶には様々な添加物が含まれていることが分かりました。それ以来、素材本来の味を楽しめる急須でのお茶にこだわるようになりました。
「良かったら一緒にどうですか?」と田中さんを誘うと、「いいんですか?」と嬉しそうな返事。実は田中さん、祖母が茶道の先生だったそうで、お茶の淹れ方にとても詳しかったのです。
「蒸らし時間は30秒くらいがちょうどいいんですよ」 「あ、本当ですね。苦くならないし、香りも立ちますね」
話に夢中になっていると、いつの間にか周りの同僚も集まってきて、即席のお茶会が始まりました。みんなでお茶を飲みながら、普段は話さないような話題で盛り上がります。江戸時代から続く日本の茶文化が、現代のオフィスでこうして生きているのを見るのは、なんだか感慨深いものがありました。
ただ、一つだけ困ったことが。お茶を飲むと私の体が少し透明になってしまうので、さりげなく影に隠れながら会話を続けるのが大変でした。幸い、11月の午後は日が傾いているので、誤魔化しやすかったものの、冷や汗もの。でも、みんなが「お茶の時間があると、仕事の息抜きになっていいですね」と言ってくれて、少し誇らしい気持ちになりました。
夕方、帰り際に田中さんが「来週も一緒にお茶しましょう」と声をかけてくれました。人間社会で生きていく中で、このような温かい交流ができることは、私にとって何より嬉しい瞬間です。江戸時代から変わらない、お茶を囲んでの語らいの素晴らしさを、改めて実感した一日でした。
明日からは休みなので、自宅でもゆっくりとお茶を楽しもうと思います。ただし、透明になりすぎないよう、適量を心がけないと。