
わたしの姪っ子
姪っ子が泣いている。
宿題をしたくないと泣いている。
なんで宿題したくないん?と尋ねると、
めんどくさいとか、
手がえんぴつの粉で黒なるとか、
なんでこんなにやらなあかへんのとか、
思いつくままに宿題の
マイナスポイントを教えてくれる。
ちゃんとやったのに先生にバツされたとか、
ちゃんと書いてもお直しされるんやとか、
納得がいかない気持ちも
洗いざらい話してくれる。
そうかそうかと聞きながら、
しかし、自分がしたくないことは
したくないと言えるその素直さに
少し感心する。
日によっては、けっこう、長いこと泣く。
床にゴロンと転がったりしちゃう。
ひらがなの練習プリントはまだ裏面もある。
あーあーあー。
泣く姪っ子の生命力に
いつも負けそうになる。
まぁそんなにしたくないなら
別にせんでええんちゃうかと言うと、
いややーー!やるもんーーー!と
顔をびしゃびしゃにして怒る。叫ぶ。
ほなとりあえずお茶飲んで
ホッとしてみぃと言うと、
赤い顔のまま両手でコップを抱えて、
ゴキュンゴキュンお茶を吸い込む。
真っ赤な、熱きダイソン。
しばらく黙って見てみる。
涙でまつ毛が濡れて
よりいっそう濃く見える。
汗で前髪がおでこにくっついている。
部屋の温度が上がりそうなくらいに、
彼女は今ふつふつと湯だっている。
いっしょうけんめいに生きている。
と思ったら突然スッキリした顔で、
宿題をやり始めたりする。
なんやこいつ。
これこの前ママに買ってもろた
新しいえんぴつやねん
めっちゃかわいいやろ、とか言い出す。
なんやこいつ!!!
わたしはそんな姪のことが
おもしろくておもしろくて仕方がない。
ずっとずっと見ていたくなる。
そんな姪も、今年の春から中学生。
姪っ子が生まれた日、
あまりのかわいさにわたしは泣いた。
ふにゃふにゃずっと動いていた真っ赤な子。
真っ赤で強くて元気な子。
それからの毎日。
夢みたいな毎日。
お手紙をくれたら
いつもありがとうと
いつも書いてくれてありがとう。
これからもずっと変わることない
あなたはわたしのかわいい姪っ子。