ずっと好きじゃなくてもいいよ。
定期的に、小6の長女と2人きりになる時間がある。
バレエの送迎の時間。
妹も弟もいない、母娘2人だけのドライブになる。
この時間に、いろんな話をする。
学校のこと、バレエのこと、友達のこと、きょうだいのこと、家庭のこと、YouTubeで観たこと、本で読んだこと、好きな人のこと、ママの過去のこと…
普段あまり家ではしない話題になることもある。
昨日は、好きな人の話だった。
でも、今は「好きな人かどうかわからない人」らしい。
沈んだ表情をしながら言う娘ちゃんに、
「ママはさ、『好き』か、『好きじゃない』かって、すぐに決めなくてもいいと思うんだ。」と伝えた。
「『めっちゃ好きだなぁ~』って思う時もあれば、『あれ?そんなに好きじゃないかも…?』って思う時があったっていいと思うんだよね。気持ちってさ、毎日変化するもんだから。」
「あー…そっかぁ……。変わってもいいのか。」
娘ちゃんの頬が少し緩んだ。気がした。
「あとね、この『好きじゃない時があってもいい』のはさ、家族でも言えると思うんだよね。きょうだいとか、親とか、じいちゃんばあちゃんとか。『なんか嫌だなぁ』って思う時があってもいい。ずっと好きでいなきゃって思わなくていい、とママは思うんだ。」
「あー……。そうだねぇ(笑)」
娘ちゃんは何か思い出したかのように、ニヤつきながら返答していた。
どうやら、今の話に心当たりがあるような反応だった。
「あとね、〇〇のことは好きだけど、さっき言ってたこの言葉は嫌い!とか、こんな風に言われるとイラっとする!とか、そういう風に思っても全然いいよなって。その人本人のことは好きでも、今の言動は嫌ってこと、あるじゃん?こっちの気分によって受け取り方も変わるしさ。」
普段は聞き役のが多い私が、
この時はなぜか語りたくなっていた。
娘ちゃんは、じっと聴いていた。
ママの話を遮ることなく、真剣な表情で聴いていた。
信号待ちになった時、彼女がふとこちらを向いた。
「ママ~?なんかね、ママがイライラしてたのかわかんないんだけど、今日いつもより怒ってるなぁって思った時にさ、〇〇ちゃん(妹)と、お風呂でね、『なんで今日ママあんな怒ってんだよ!!』『ねっ!!なーんかムカついたよねぇ!』って喋ってたんだよ(笑)でも2人で話してスッキリしちゃった。ってことがあったの、前に。」
と、笑いながら話してくれた。
「マジか(笑)そんな時あったのね。ごめんね。」
と、私も反省しつつ、和やかに謝った。
「ふふふ。いいよ。」
娘ちゃんの声が、さっきよりも軽くなったように感じた。
【ずっと好きじゃなくてもいい】
娘に向けて伝えた言葉に、
私自身が救われることもある。
私の独り言のようなつぶやきが、
娘の心にそっと寄り添ったり、気付きになることもある。
週に2回、ほんの10分ほどの時間だけれど、
これからも2人で話すこの時間を大切にしていきたいな。
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