最近読んだ本の話 vol.60

 「最近読んだ本の話」の第60弾です。満開だった桜が散り始めましたが、八重桜が咲き始めてまた楽しみです🌸今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、米澤 穂信『本と鍵の季節』

堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!
                         -Amazonより引用-

 本にまつわる6つの物語です。図書委員の2人の男子高校生・堀川次郎と松倉詩門が、図書館に持ち込まれる謎を次々に解いていきます。最後の2編は、松倉の父親がのこしたお宝を探すのですが、何とも言えない不穏な空気が漂っていてドキドキしました。続きがあるのか気になる!


2、フランシス・ハーディング『ガラスの顔』

地下都市カヴェルナの人々は表情をもたない。彼らは《面》と呼ばれる作られた表情を教わるのだ。そんなカヴェルナに住むチーズ造りの親方に拾われた少女はネヴァフェルと名づけられ、一瞬たりともじっとしていられない好奇心のかたまりのような少女に育つ。ある日親方のトンネルを抜け出た彼女は、カヴェルナ全体を揺るがす陰謀のただ中に放り込まれ……。『嘘の木』の著者が描く健気な少女の冒険ファンタジイ。カーネギー賞候補作。
-Amazonより引用-

 読み始めてすぐ、これは昔読んでいた本の世界に似ている!と、懐かしさとワクワク感でいっぱいになりました。地下都市カヴェルナに住むチーズ造りの親方・グランディブルのチーズのトンネルに迷い込んだ少女・ネヴァフェルは、親方のもとで育ちます。カヴェルナの人々は表情をもたず、《面》と呼ばれる作られた表情を教わるのですが、ネヴァフェルは教わらず、来客がある時は黒い面をつけるように親方からきつく言われています。ある日ウサギを追いかけていて見つけた壁の隙間から、ネヴァフェルは外の世界に出るのですが、なにやら陰謀のようなものに巻き込まれてしまい…というお話です。ネヴァフェルは、好奇心が旺盛で色んなことに首を突っ込んでしまいはらはらしますが、物語の行方が気になってどんどん読み進みました。ネヴァフェルは危険をものともせず、とても勇敢で友達思いです。この物語の中では、一部の人が富を独占して、力のない人達を虐げているのですが、これはファンタジーなのか?現実を映しているのか?


3、中江有里『万葉と沙羅』

中学で登校拒否になった沙羅は、一年遅れで入学した通信制の高校で
幼馴染だった万葉に再会。読書好きの万葉に読書の楽しさを教えられ、
自分なりに本を読むように。一方で、大学に進学した万葉は、
叔父さんの古本屋を手伝いながらも将来に迷いを感じていた――。
宮沢賢治「やまなし」、伊藤計劃「ハーモニー」、福永武彦「草の花」など、実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。 -Amazonより引用-

 本にまつわる物語、と聞いただけで読んでみたくなるので、この本も興味を惹かれて読みました。通信制の高校に入学した沙羅は、週1日の登校がなかなかできずにいましたが、意を決して初めて登校した日に幼馴染の万葉と再会します。万葉が熱心に本を読む姿に興味が湧いた沙羅は、おすすめの本を教えてもらって読むようになり…というお話です。たくさんの本が登場して、2人のやり取りも楽しいです。読んでいたらその本が気になって読みたくなってきます。沙羅には沙羅の、万葉には万葉の、万葉の叔父さんには叔父さんの、それぞれ抱えているものがあって、物語は少しずつ前に進みます。このお話は映画にしたらいいんじゃないかな?最初の場面は、古本屋さんの中をちょろちょろのぞく沙羅が、店の中にいる万葉と目が合う場面がいいな。


 今週は最近読んだ本の話を書くことができました。60本書くことができて嬉しいです。これからも可能な限り続けます。ずっと本が読み続けられますように✨最後までお読みくださってありがとうございました。

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