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最近読んだ本の話 vol.122

 「最近読んだ本の話」の第122弾です。年が明けてもう13日です。体調も戻ってこのnoteも再開できました。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、伊坂 幸太郎『777 トリプルセブン』

そのホテルを訪れたのは、逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そして――
やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。
そのホテルには、物騒な奴らが群れをなす!

Amazonより引用

 怖ろしいホテルです。こんな所には泊まりたくない!
 超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという殺し屋の天道虫が請け負った簡単なはずの仕事が、部屋番号を間違えたためとんでもないことになります。驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花がそのホテルに隠れていて、ボディーガードの到着を待っていたら紙野を捕まえるために雇われた怖ろしい吹き矢を使う6人組が現れて…。天道虫は巻き込まれて紙野を助けることになります。何とか生き延びてほしい!と願いながら読み進んでいくと、絶体絶命のピンチが訪れて紙野の元雇用主の乾が登場します。そうだったのか!とこの騒動が起こった理由を知ることになります。天道虫がぶつぶつ繰り返していた言葉「他人と比べない」は重要だなあ。私の思い悩んでいるようなことの大半は解決する気がする。


 2、アリス・マンロー『ディア・ライフ』

二〇一三年ノーベル文学賞受賞! フィナーレを飾る最新にして最後の短篇集。チェーホフ以来もっとも優れた短篇小説家が、透徹した眼差しとまばゆいほどの名人技で描きだす、平凡な人びとの途方もない人生、その深淵。引退を表明しているマンロー自身が〈フィナーレ〉と銘打ち、実人生を語る作品と位置づける「目」「夜」「声」「ディア・ライフ」の四篇を含む全十四篇。まさに名人の手になる最新短篇集。

Amazonより引用

 この本にはいろんな人の驚くべき人生が綴られていて、人生はいろんなことがあるよなあ、と思いながら読み始めると作品の中に引き込まれていきます。女性がだまされるひどい話もいくつかありました。だまされたと知っても好きだったり、そのことを責めたりもしないでそっと蓋をするような、それはどういう気持ちなんだろう?○○だから好き、△△だから嫌い、というようなことではないんだろうなあ。その人なりの理由があってそれは他の人には理解できないのか。


3、加藤 シゲアキ『なれのはて』

一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。
生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。
1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。
芸術が招いた、意図しない悲劇。
暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。
長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。
戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。
「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」

Amazonより引用

 加藤さんの新刊は絶対読みたいと思っているので読みました。こんな壮大な作品とは!
 主人公の守谷京斗はテレビ局員で、ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになります。異動先のイベント事業部で吾妻李久美と出会い、吾妻から作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受けます。その絵の作者を調べるうちに、秋田の猪俣一族にたどり着き、何十年も前に起こった事件を調べることになります。展覧会は開催できるのか?猪俣一族の謎は解明できるのか?気になってぐいぐい読みました。
 秋田で石油が産出されていたことも知らなかったし、1945年8月15日未明の秋田の空襲も知らなかったです。1日早く戦争が終わっていれば空襲を受けずに済んだなんて。
 物語は戦時中や戦後の猪俣家の家族の状況を描いていきます。そんなことが!と思うことが起こってしまい、どうしようもなく一族は秘密を抱えたまま発展していきます。最後の再会の場面がよかったです!

 
 2024年が始まりました。あっという間の2週間でしたが、やっとこのnoteが書けました。最後までお読みくださってありがとうございました。

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