最近読んだ本の話 vol.126
「最近読んだ本の話」の第126弾です。もう3月です!暖かい日もあれば凍えそうに寒い日もあって、まだ春は遠そうです。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、山本 冴里『世界中で言葉のかけらを』
日本語教師の著者が、初めて語学留学をした頃の話や、外国で日本語教師として経験してきたことが綴られています。日本語を学ぶ外国人の方が発した印象に残る日本語を記録していて、本の中で紹介してくれたりもします。 著者のフランス語の学習方法が紹介されていて、カミュの『異邦人』のフランス語版の文庫本を読みながら、カミュ自身が朗読した『異邦人』のCDを繰り返し聴いて一章を丸ごと暗記したそうです。前提として『異邦人』の日本語版が頭に入ってないといけないので、読書好きの方に向いているかもしれません。そうして覚えた一章分の文章の中に重要な構文がほぼ含まれているそうで、それをアレンジして日常会話に使うそうです。他の言語にも応用できます。いつか挑戦してみたい!
著者の語学留学での体験がすごいです。そんなことを経験したら旅に行かずにはいられなくなるだろうなあ。
2、伊与原 新『八月の銀の雪』
5篇の短篇が収録されています。1篇目の「八月の銀の雪」は、就活がうまくいっていない大学生が、近所のコンビニで働いている外国人の女性と言葉を交わすようになり、地震の研究をしている彼女から地殻の話を、そこに降ると言われている銀の雪の話を聞きます。2篇目の「海へ還る日」は、シングルマザーの主人公が、電車の中で出会った親切な女性からもらった博物館の展示の案内をきっかけに、クジラの生態についての講演を聴いたりして今までとは違った気持ちを持ったりします。ほんのちょっとのことがその人の何かを変えることがあるんだ、という5つの物語を読んで、自分にもそんなことが起こったら楽しいだろうなあ、と思いました。
3、町田 そのこ『夜明けのはざま』
高校時代からの友人の結婚式に出席している友人2人のテーブルから物語は始まります。新婦の楓子は高校生の頃から憧れの結婚式の話を2人にしていたのに、義父の介入で本人の希望が全く入っていない結婚式になっていることを嘆くサクマをなだめるなつめ。その2週間後に葬儀社で働くサクマの元になつめが亡くなったという知らせがあり、サクマは葬儀を執り行います。サクマは恋人から、結婚したら葬儀社の仕事を辞めてほしいと言われていて…。物語の中でいろんなことが起こって登場人物たちに起こったことも徐々に明かされていきます。こんなにも仕事にうち込むことができるのはすごいなと思いながら、自分の仕事への熱量の低さを考えてしまいました。
あっという間に3月になりました。あと2週間くらいで桜が咲き始めるかな?今年はお花見もしたいし待ち遠しいです。最後までお読みくださってありがとうございました。