最近読んだ本の話 vol.88
「最近読んだ本の話」の第88弾です。急に暖かくなって、今日は久しぶりに雨が降っています。乾燥してたからよかった!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、マリア・センプル『バーナデットをさがせ!』
クリスマスの目前にいなくなってしまった母親・バーナデットを、娘のビーが探すお話です。お父さんがかなり感じ悪くて、妻のバーナデットのことを頭がおかしいと思っています。ビーの希望で家族三人で南極旅行に行こうと準備をしていたら、このお父さんがその機会に乗じて、妻を精神病院に入院させようと企てます。娘のビーは母のバーナデットと仲良しで「頭がおかしいのはパパの方だ!」と言い切ります。バーナデットの独特のユーモアが楽しいです。敵だった人が味方になったんだなあ。映画も観てみたい!
2、一穂 ミチ『パラソルでパラシュート』
物語の始まりは、大阪城ホールです。わあっと思いました。大阪が舞台で知っている場所がいっぱい出てきてうれしいです。
主人公の美雨は、企業で受付の仕事をしている契約社員です。その会社では30歳になる前に契約が切られたり、退職する人がほとんどで、美雨も例外ではなくあと1年だと思いながら働いています。こういうのやだね、若くて綺麗な女性を受付にしてとっかえひっかえにして!と、憤りを感じます。
体調を崩してライブに行けなくなった後輩から譲ってもらったチケットで、仕事帰りに大阪城ホールへ行き最前列でライブを見ている時に、目の前にいた会場整理のスタッフが歌を口ずさんでるのを見て、思わずその横顔から目が離せなくなった美雨は…。そこから物語が始まっていきます。その時スタッフをしていた亨は芸人で、相方の弓彦とコンビを組んでいます。美雨と亨と弓彦の関係がいいです。人にとっては些細なことが、自分にとっては大きな喜びだったりすることあるよね、というところが描かれているのが一穂さんの作品の魅力ではないかと思います。私もただただ生きていこう、ちょっと笑えるようなことを心に思って。
3、J・D・サリンジャー『彼女の思い出/逆さまの森』
サリンジャーの作品を初めて読んだのは高校生の頃で、その時に好きだと思った理由は覚えていなかったんだけど、今回この本を読んだらやっぱり間違いなく好きで、好きなものは変わらないんだな、と思ってうれしくなりました。
雨が強くなってきました。今日は出かけるのはやめて部屋の片づけでもしようかと考え中です。最後までお読みくださってありがとうございました。
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