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最近読んだ本の話 vol.88

 「最近読んだ本の話」の第88弾です。急に暖かくなって、今日は久しぶりに雨が降っています。乾燥してたからよかった!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、マリア・センプル『バーナデットをさがせ!』

いつだって、何度だって、きっと〈情熱〉は取り戻せる! 極度の人嫌いからママ友とも一切関わりをもたず、出不精で、買い物も何もかもぜ〜んぶバーチャル秘書まかせ! そんな破天荒でメチャクチャなママが、ある日、こつ然といなくなっちゃった!?シアトルの高級住宅地に暮らす専業主婦のバーナデットは、世界的IT企業で活躍する夫・エルジンと、学校では常に成績トップクラスの15歳の娘・ビーとともに、一見恵まれた日々を送っていた。かつての夢を諦めたことさえ除けば…… バーナデットのあまりに突飛な行動の数々に笑わされながら最後まで読んだ時、かつて諦めた夢への第一歩を踏み出す勇気をくれる、そんな一冊である。 2019年、ケイト・ブランシェット主演により映画が公開された(制作:アメリカ)。

Amazonより引用

 クリスマスの目前にいなくなってしまった母親・バーナデットを、娘のビーが探すお話です。お父さんがかなり感じ悪くて、妻のバーナデットのことを頭がおかしいと思っています。ビーの希望で家族三人で南極旅行に行こうと準備をしていたら、このお父さんがその機会に乗じて、妻を精神病院に入院させようと企てます。娘のビーは母のバーナデットと仲良しで「頭がおかしいのはパパの方だ!」と言い切ります。バーナデットの独特のユーモアが楽しいです。敵だった人が味方になったんだなあ。映画も観てみたい!


2、一穂 ミチ『パラソルでパラシュート』

企業の受付に勤める29歳の美雨は、人生に惑い、未来にも漠然とした不安を抱えていた。そんな中で出会った、売れないお笑い芸人、亨。彼が気になり始める美雨だったが、ままならない恋愛事情は、亨の相方との「奇妙」な三角関係に発展し……。

Amazonより引用

 物語の始まりは、大阪城ホールです。わあっと思いました。大阪が舞台で知っている場所がいっぱい出てきてうれしいです。
 主人公の美雨は、企業で受付の仕事をしている契約社員です。その会社では30歳になる前に契約が切られたり、退職する人がほとんどで、美雨も例外ではなくあと1年だと思いながら働いています。こういうのやだね、若くて綺麗な女性を受付にしてとっかえひっかえにして!と、憤りを感じます。
 体調を崩してライブに行けなくなった後輩から譲ってもらったチケットで、仕事帰りに大阪城ホールへ行き最前列でライブを見ている時に、目の前にいた会場整理のスタッフが歌を口ずさんでるのを見て、思わずその横顔から目が離せなくなった美雨は…。そこから物語が始まっていきます。その時スタッフをしていた亨は芸人で、相方の弓彦とコンビを組んでいます。美雨と亨と弓彦の関係がいいです。人にとっては些細なことが、自分にとっては大きな喜びだったりすることあるよね、というところが描かれているのが一穂さんの作品の魅力ではないかと思います。私もただただ生きていこう、ちょっと笑えるようなことを心に思って。


3、J・D・サリンジャー『彼女の思い出/逆さまの森』

サリンジャーの輝けるエッセンスを示しながら、本国では出版されないままの中短篇を集成!
これが最後の「9つの物語(ナイン・ストーリーズ)」! いくつかの映画の題材になるなど、今なお注目を集める伝説の作家J.D.サリンジャー。 第二次大戦前に留学したウィーンで出会った美少女、謎の女とともに行方不明になった天才詩人、少年が見てしまった悲劇の黒人ジャズシンガー……。グラース家シリーズの〈無垢〉や、『ライ麦畑でつかまえて』の〈いんちきな世界への異議申し立て〉などに繋がる、サリンジャーのせつなく、苦く、巧みで、美しい名品を清爽な新訳で刊行!

Amazonより引用

 サリンジャーの作品を初めて読んだのは高校生の頃で、その時に好きだと思った理由は覚えていなかったんだけど、今回この本を読んだらやっぱり間違いなく好きで、好きなものは変わらないんだな、と思ってうれしくなりました。


 雨が強くなってきました。今日は出かけるのはやめて部屋の片づけでもしようかと考え中です。最後までお読みくださってありがとうございました。

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