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最近読んだ本の話 vol.129

 「最近読んだ本の話」の第129弾です。この間まで桜が咲いていたのにもう暑くなってきました。まだ4月なのに!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、九段 理江『しをかくうま』

疾走する想像力で注目を集める新芥川賞作家が描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。
太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで移動できるようになったーー人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。
そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。
現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだったーー。

Rakutenbooksより引用

 始まりは幻想的な馬と人間との出会いが描かれていますが、次の章からは雰囲気がガラッと変わり、現代のお話です。競馬実況の仕事をしている主人公がいかに馬を愛しているか、夜通し実況を練習し続ける姿などが描かれます。一体この物語はどうなっていくのか⁉と気になって読み進みました。筆力がすごいです。どんなことでも変幻自在に書けそう。


2、柴崎  友香『続きと始まり』

あれから何年経ったのだろう。あれって、いつから? どのできごとから?
日本を襲った二つの大地震。未知の病原体の出現。誰にも流れたはずの、あの月日ーー。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、著者の最新長編小説。

Rakutenbooksより引用

 別々の場所に住む3人の男女の日常が交互に描かれています。滋賀に住む石原優子は東日本の地震の時にたまたま関西に帰省していて、やっと就職できたデザインの仕事を続けられなくなり、その後結婚して子供が生まれて今はパートで事務の仕事をしています。神戸の地震の話も描かれていて、読みながら自分もこの二十何年の時間を振り返っていました。
 東京に住む小坂圭太郎は料理人、柳本れいは写真家で、それぞれの今までの暮らしと現在の感染症の流行中の暮らし、地震が起こった頃のことが描かれています。この3人みたいにみんなそれぞれの時間の積み重ねがあるんだよなあ。こういう本を書ける柴崎さんはすごい人だ。



3、三浦 しをん『しんがりで寝ています』

同衾するほど愛しいピカチュウのぬいぐるみや、すくすくと育つ観葉植物との日々。玄関の柱に巣を作るハチとの闘い、近所に住む家族との交流、EXILE一族に対する深い愛……。笑いあり、ときどき涙あり(?)
2019年6月号から約4年分の雑誌「BAILA」での連載に、書き下ろしを加えた全55編、三浦しをんワールド全開の最新エッセイ集。
コロナ禍にあっても、コロナが明けても。人気作家の目を通して描かれる「なんてことのない日常」。その素晴らしさと可笑しさがここに。

Rakutenbooksより引用

 三浦しをんさんのエッセイです。絶対面白いだろう、と期待して読み始めましたがやっぱり面白かったです。三浦さんはピカチュウが好きになって特大サイズのぬいぐるみを買い毎日話しかけて一緒に寝ているのですが、その様子を読んで、私は自分との共通点をいくつか発見しました。ピカチュウの物まね、数年前までやっていました。いい年をして何をやってるんだろう⁉と私も思ってました。作家という仕事は大変だろうと想像しますが、ぬいぐるみといつでも戯れてぐだぐだしていられるのはいいなあ!と思ってしまいました。最近上司から、仕事する目的って何?と聞かれたのですが、私は「もし仕事をしていなかったら一日中ぐたぐたしてしまうと思うので、シャキッとするためですかね~」と答えました。その答えでよかったんだろうか⁉


 待ちに待ったGWが始まりました!どこにも行く予定はないですが、のんびり本が読めたらいいなあと思っています📚最後までお読みくださってありがとうございました。

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