最近読んだ本の話 vol.113
「最近読んだ本の話」の第113弾です。9月も終わりに近づいて、ようやく今日は涼しくなりました。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、森谷 明子『星合う夜の失せもの探し: 秋葉図書館の四季』
秋葉図書館の周辺で起こる謎を司書さんたちが解決するミステリです。いろいろ本が出てきて楽しいです。「どこにいたの?」がテーマになっているそうで、読んだ後にそのことを知って、確かに全篇そうだなあと納得しました。こんな図書館近くにあったらいいなあ!
2、夢野 寧子『ジューンドロップ』
主人公のしずくの語りで物語は語られますが、読み始めてすぐに、私にはしずくが話しているのを聴いているような感覚があって、こういう声で抑揚でスピードでというイメージがはっきり浮かびました。
しずくとタマキは縛られ地蔵の前で出会います。違う高校に通う2人は待ち合わせて度々一緒に縛られ地蔵に会いに行ったりします。なぜ2人が縛られ地蔵に会いに行くのか、しずくが心の中で話しかける「あなた」とは誰なんだろうか、疑問に思いながら読み進むと、だんだん謎が解けていきます。
この物語を描けるのはすごいなあ!最後の場面、泣きそうになりました。
3、川上未映子 、村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―』
このインタビューはすごいです!川上未映子さんの村上文学の深度がすごすぎる。私が今までに村上さんの著作を読んで知り得ていたことをはるかに上回る情報量で、そうだったのかそういう考えだったのか、とわかってうれしかったです。それにしても川上さんはすごいです。村上さんの語る言葉を聞いて、それはこういうことですか?という返しが素晴らしすぎます。はあ、読めてよかった!
真夏のような暑さが続いていましたが、ようやく涼しくなってきて、読書に集中できる季節がやってきました。でも出かけるにもちょうどいい気候なので、誘惑が多すぎるような…。最後までお読みくださってありがとうございました。
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