最近読んだ本の話 vol.107
「最近読んだ本の話」の第107弾です。梅雨が明けました!明ける前から暑かったけど、明けてからもやっぱり暑いなあ。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、村井 理子『本を読んだら散歩に行こう』
「本」がタイトルにある本は気になって読んでみたくなります。この本もどんなことが書かれているのか気になって読みました。
著者の考えていることが手に取るようにわかるようなエッセイで、親しみを感じます。読んでいると自分ももっと書きたい気持ちになってきます。紹介されている本は面白そうで、付箋をベタベタ貼りながら読みました。ご両親とお兄さんやお祖母さん、息子さんたちとの思い出がたくさん詰まっていて、著者の村井さんの人生を話してもらっているような気持ちになります。
読み進んでいくと「自分の言葉で書き残すことへの執着」というエッセイがあります。村井さんはここ数年の間に、さまざまな「死」を目撃してきて、ご自身も大病を患って、その体験から、いつか必ずやってくる「死」という存在に対抗するため、必ず終了させられるのであればその前にすべて残してやろうという気持ちで、ひっきりなしに書いているのだそうです。そのことを読んで、確かにそうだ、誰にとってもそれは確かなことで、村井さんの強い気持ちに触れて、自分も書いておきたいことは書き切っておかねば!と思ったのでした。いい本が読めた!
2、千葉 雅也『エレクトリック』
物語の舞台は1995年の栃木県の宇都宮で、主人公は進学校に通う高2の達也です。その達也の視点で物語は描かれています。
なぜかはわからないのですが、千葉さんと千葉さんが書く文章に惹かれて新刊が出ると読まずにはいられません。登場人物の描き方に魅力を感じるのかなあ。精神が成熟した大人や友人がまわりにいるのがうらやましいのかなあ、とかいろんなことを考えながら読みました。読んでいる途中で、この物語は『デッドライン』の主人公の高校時代の物語なのか?と思い、『デッドライン』を引っ張り出して確かめましたが、『デッドライン』の主人公は「僕」だったので違うのかなあ。主人公のモデルは千葉さんなのでは⁉というところが共通しています。
3、酒井 順子『日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか』
「エッセイ」と「随筆」「コラム」「ノンフィクション」の違い、わかりますか?たとえばnoteの記事を書いて投稿する際、ハッシュタグをつける時に「エッセイ」「随筆」「コラム」のどれにしたらいいのか悩んだことはありませんか?私は自分が書いたものをどこに分類していいものかいつも迷います。「エッセイ」「随筆」「コラム」どれもおこがましいような…。この本を読んだら分類方法がわかるかも!と期待して読みました。
紀貫之や清少納言から現代にいたるまでに書かれた「エッセイ」「随筆」「コラム」について書かれています。読んでみたいエッセイや随筆がたくさん紹介されていました。「エッセイ」と「随筆」は同じようなもの、という分類になるようです。誰もはっきりしたことが言えないらしい。自分のことを書くのが「エッセイ」や「随筆」で、自分以外のことを書くのが「コラム」のよう。ちょっとすっきりしました。
暑い時期はどうやって読書すればいいのか?去年はどうやって夏を乗り越えたのか、思い出せません。自分のペースでぼちぼちいこう~最後までお読みくださってありがとうございました。
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