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経営者って何者なんだ?
しばらくぶりのnoteの更新となった。年明けにnote始めます的な、町の中華屋が冷やし中華を解禁するかのごとく宣言したものの、久しぶりの投稿ということで、我ながら情けない。もっとコンスタント、なんなら毎日、その日あった発見や感動を言葉にして綴り、今日という一日に満足して眠りに入りたかった。
が……、ま、人間ってのはこんな程度なもんだ。自制心などせいぜい3時間程度しか持たないと科学も言っているし、このnoteにいる先輩方が猛者の集まりだと思うことにしよう。
そんな長くは続かないことの連続だった、わたくし、もっちんが最も長く続いていること。それが経営である。
この会社はどこへ向かうんですか?
つまるところ=仕事と言い換えても良い。14年も断崖絶壁をすれすれになぜか落っこちることなく、グラグラとそこにいることが出来た。それでもまだ分からないことがある。14年もあってだ。普通の先輩後輩経営者の皆々様方は、とっくに数年で気づき、わが物にする経営というも。独自のスタイルや哲学を確立し、その方向へとまっすぐ進んでいく。
わたしにはそうもいかなかった。今もね。
未だに分かっていないのが、経営者の仕事とは何なのか?という至極シンプルであり究極の問いだ。
わたくし、もっちんの会社はいわゆるクリエイティブ系に属する。映像やイラストなどのビジュアル的創造物を、頼まれて作ったり、頼まれずに勝手に作ってそれを売ったりしている。
経営脳のないわたしのこの長い不思議な道の発端は、描いたり、作ったりするのが好き。という一点から始まる。
まぁ、webデザイナー、イラストレーター、映像制作、アニメーション制作、などクリエイティブ系の会社の社長様はだいたいここが始まりだろう。孤高のクリエイターの奮闘により、少しづつ仕事の幅が広がり、量も増える。それに伴い、アシスタントを付け、スタッフを付け、オフィスを広くして。結果として、零細企業が出来上がる。
いつの日からか、この孤高のクリエイターは、売り上げのトップを誇る才能あふれるクリエイターの先輩という立場から、社長という立場になる。作るのが好きだった彼らは、それだけではいけないことに気が付く。
そんな折、社内の誰かから、「この会社はどこに向かっていくんですか?」「方向性は?」「ビジョンは?」という、よくビジネス系の番組やニュースや、ニューズピックスあたりで呼吸するように聞こえてくるワードでの質問を浴びせられる。
「どこに向かう?……え……?」
これは美容室のオーナーやネイルサロンなど美容系や建設関係でも起こる。経営をしている創設者本人が職人である会社に起こる現象だ。その時になって、慌てて、この先のことを言語化することや、会社の目的などを考え始める。ようやく経営者になってしまっていたんだと気が付き、遅れを取り戻すのだ。そして、経営者とは?との問いの答えを求めて書店やwebをさまよい、それらしい思考をインストールする。
よーし、うちに会社のビジョンはこれでいこう!
みんな聞いてくれ。これからは一人ひとりが会社の代表と思って、より一層気合い入れてやっていってほしい。そしてわたしたちが目指すのは、
「クリエイティブの力で世界を前進させる!」です!
一同「は、はーい……」
経営理念という究極の自己満
この手の、ビジョンやバリューや最近では外資系コンサルタントによって輸入されたパーパスなどがあるが、これらが、すべての規模の会社に一様に力を与えてくれるものとは限らない。しかし、零細経営者なりたては、必ずと言っていいほど、このトラップにかかる。
わたしもそうだ。たいそうな理念を考え出し、自己満足し、ポスターまでご丁寧に作り、オフィス内に掲示。そしてそれを朝礼で読み上げることまでした。イケてる経営者でしょ? ちゃんとしてる経営者でしょ? そう思った。
年に一度、年始になると簡単な社員研修を行っていた。(今はしてない)
その研修のはじめに社員全員を前に、簡単なアイスブレイクとばかりに、質問をしてみた時の事。
「うちの会社の経営理念は何でしたか?」
(超簡単、毎日言ってるんだから)
1分経過
「しーーーん……」
もっちん「……ん?」
誰も手をあげる者はいなかった。不思議に思い聞いてみると……、驚くことに誰も理念を覚えていなかったのだ。毎日読み上げている、あれだよ、あれ……。
しかし、彼らにとってはただの念仏でしかなく、自分事にはなっていない証だった。それはわたしが、急に焦って組み立てた言葉の羅列であり、側を整えたに過ぎなかった。そんなもの、働いてくれている従業員のみんなには伝わるはずがない。「僕らと何の関係があるんだ?」状態だ。
経営理念、一度は聞いたことのある大層なスローガンだが……、
なんか分かんないけど、会社にはそれが必要なんでしょ?そんなもんでしょ?と思いながら、焦って作っても何の意味もないのだと悟った。
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起業のゴールを勝手に決めんなよ
410万社ほどある国内企業、その9割以上が中小企業だ。きっとそこには、400万通り以上の会社のあり方があるのだ。
経営者の仕事はなんとも難しい。それらしい流派や型があるが、それが当てはまるのはすべての会社ではない。本屋に行くほどに迷いが増える。まるであまたあるSNS上で紹介されるヘアアレンジのようだ。ここを束ねてくるりんぱして、余った髪でお団子を作ったら、ほら簡単!時短アレンジ♪
いや出来へんねん!!合わへんねん!うちの髪質には!!
というのとよく似ている。いや、ほんとよく似てる。女性経営者の方は共感いただけるはず。
経営者の仕事は、会社の売上を拡大させ、利益率を上げ、可能な限り早く上場し、株を売っぱらいイグジットする。そしてエンジェル投資家となりさらなる好循環を作る。とよく言わるが。
わたしは、イグジットしたくて、上場したくて会社を立てた、個人事業が会社になった人間ではないのだ。前者の経営者が見ている世界は、より率の良いものはないか?という発想。わたしたちのような職人経営者は、こんな仕事出来たらいいな? みんなで楽しく作り続けられたらいいな。というはっきり言って幼稚で、それでいてかわいらしく、ささやかな想いしかない。
副業高じて会社となる。
そんな方々もおられるでしょう。とりわけ、このnote内にはたくさんいそうである。そんな皆様も、焦らずもがいて、それでも歩みは止めずにいれば良いのではないでしょうか。
職人なのか経営者なのか?
未だにもっちんは分かりませんね。うん。それでも、自分がわたしであることは良くわかる。会社がわたしの会社であることが分かる。
唯一無二の会社。
さて、あと数か月で決算の準備が始まる。重い腰を上げるとしよう。
それでは、もっちん、でした。(●'◡'●)
今日もいい日。日日是好日。