子どもとどのような関係を築けば良いか
みなさんは子どもとどのような関係を築いていますか?
結論からいうと、私は子どもと良い関係(教師が影響を与えられる関係)を築くためには「win-winの関係」をつくるべきだと考えています。
「win-winの関係」とは子どもも先生も無理せず、ハッピーになる関係のことです。
人と人が良い関係を築こうとするとき、どちらかに負担が偏ってしまうことがあります。
多くの場合その関係は長続きしませんよね。
もちろん、子どもと先生の関係も人と人の関係ですから同じことがいえます。やはり、両者が無理をしない関係を築くべきなのです。
かくいう私も自分が無理をして、関係を築こうとしていたことがあります。
教員2年目のことです。
子どもとの関係が絶望的だった教員1年目を経て、「今年こそは良い関係を築くぞ!」と気持ちを新たに取り組んでいました。
特に、アドラー心理学に基づく学級経営を実践しようと赤坂先生の著書など、関連書籍を読みあさっていました。
その1年は「子供の関心事に関心を持つこと」をテーマにしようと決め、子どもと関わっていました。
はじめはとてもうまくいっているように見えました。1年目と比べて学級経営ってこんなに楽しいんだとすら感じていたのです。
子どもが「BTSが好き!」といえばその曲を調べ、メンバーの顔を必死に覚える。
それをネタに話をする。
そんなことをしているうちに、自然と打ち解け笑顔で会話する時間が増えていきました。
しかし、それは長く続きませんでした。
「先生!TWICEの曲を聞いてください!」
「あのユーチューバーの動画が面白かった!」
というようにたくさんの子どもが話をするようになったのです。
自分の「関心事」にも関心を持ってほしいというアピールだったのだと思いますが、どの子の「関心事」も同じように調べているうちに私の時間がなくなってきました。
授業の空きコマはそれらを調べる時間になっていました。
そのうち、授業を準備する時間がなくなりました。そして、十分な準備ができない授業に少しずつ子どもから不満の声が上がるようになりました。
教師として大切にしなければならない、授業は早く終わってほしい時間でしかなかったのです。
ここから私が学んだことは
「自分の時間を切り売りして、相手に尽くすことには無理がある」
ということ。そして、
「現状の学校教育ではそれを完璧にこなそうとするほど、授業にしわ寄せがいく」
ということ。
完全に自分の裁量で進められる仕事は授業の準備だけだからです。
アドラー心理学の教えは目指すべき地点(ゴール)として今も大切にしています。しかし、それを盲信して取り組むと現状の学校教育では困難な場面がたくさんあります。
今は、相手の「関心事」に関心を向けるために、無理をしないように心がけています。
自分の好きな漫画の話で盛り上がること。一緒に身体を動かすこと。休み時間の何気無い会話でコミュニケーションを取ること。オススメの本を読み合うこと。
無理のない範囲で、そんな小さな積み重ねを大切にしています。
アドラーのいう交友関係が築けているのかはわかりませんが、授業準備にもある程度時間をかけられるようになったし、自分が子どもに提供できる価値の総量は高まっているように思います。
もし、どのように関係を築けば良いか迷っている人がいれば、まずは自分の好きなことや趣味を書き出してみて、それをうまく活用でいないか考えてみると良いと思います。
あなたの魅力的な部分を生かして、子どもと関係を築くのです。
このように先生は子どもの良き理解者になることが大切である一方、自分自身をないがしろにした実践が長く続かないことも忘れてはいけません。
教育は継続することが大切だと考えています。その意味においては子どもも、先生自身もどちらも大切にすること。
すなわち、「win-winの関係」を築くことが大切なのです。
それでは!
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