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【こんな場所に出会いたかった⑧】誰も排除しないから、カオスなほど多様な人があつまる、頼れる居場所~富士市「ゆめ・まち・ねっと」大切にしていること編~

■最初に

こんにちは!サイボウズのもっちーです😊
最近は、noteのみなさんのお写真を使わせていただいております!

静岡県庁を38歳で退職し、今は子ども若者のためにたくさんの活動をされている、渡部達也さん(以下:たっちゃん)と美樹さん(以下:みっきぃ)のご夫婦がたくさんの活動をされている、NPO法人ゆめ・まち・ねっとさんのシリーズです。

前回は、困りごとを抱えている、大人との関わりをご紹介しました✨✨
今回は、たっちゃんとみっきぃが大切にしていること編です!
お話をききながら、そうだよなーと振り返ったり考えたり、新たな視点を得る時間になりました😊

以前の記事
⓪「子どもたちへのまなざし」の紹介記事はこちら
① 活動の紹介編はこちら
② 視察・体験編はこちら
③ 発達障碍のお勉強編はこちら
④たっちゃんの軌跡編はこちら
⑤県庁を辞めて相棒との活動編はこちら
⑥子どもたちの姿から編はこちら
⑦大人との関わり編はこちら

※障碍(者)の文字について
これからは、障碍と書きますと宣言した理由はこちらの記事から


ある日の冒険遊び場たごっこパーク


■大切な教え


大切にしている教えについて、本にもとても詳しく書かれています。
エピソードを交えながら、具体的に書いてあるのでぜひ読んでみてください!

【頑張らせるのではなく、頑張れる環境を】


児童精神科医の佐々木正美先生のお言葉です。
子どもって勝手に(自然と)頑張ってしまう存在」
というお話を以前書きました


本来頑張ってしまう存在の子どもも、生きづらさを抱えていたら、家庭が安心できる場でなかったら、エネルギーが枯渇してしまって、頑張れない状態だったら・・・。
頑張っているけれど、頑張れといわれることってあると思います。
パワーがない状態なのに、頑張らないといけないのってしんどいですよね。


そんな生きづらさを抱えている子どもたちとの出会いを多くしている、たっちゃんは、「やすらぎ、くつろぎを感じられる場所」を心がけているそうです。

ドラム缶風呂に入る兄妹


【思いやりのある人】


こちらも佐々木正美先生の言葉です。

相手を思いやる感情は、他者と喜びを分かち合うことから生まれる

子どもたちは、仲間と喜びや楽しみを分かち合うことで、共感性を育んでいきます。

他者の痛みや苦しみ、悲しみを感じる力は、人権講演会や道徳の授業などでは身に付きません。無意味と言っても決して過言ではないそうです。

それにはこんな理由があります。

家族や仲間と喜びを分かち合う経験が乏しい子が、誰かの痛みや悲しみに想いを寄せることは困難だからです。


たごっこパークでは、自由な遊び場だからこそ、喜びや楽しみを分かち合う仲間がたくさんできます。
学校教育だと、競争があり、評価があるので、単純に喜びや楽しみを分かち合うよりも、優劣を競い合う時間の方が多くなります。

そうすると、勉強でも運動や芸術でも、劣側と評価される子を排除するような雰囲気になってしまう側面もあるそうです。


【この人になら怒られてもいい】


佐々木正美先生からこんなお話も聞いたといいます。

この人なら怒られてもいい、と思う人に出会ったときに、実は僕、私、こんなことをしでかしちゃったんですって子どもは素直に言える。


例えば、非行傾向など、世間一般的には悪いとされている行動をしている子の話を聴いている中で、説教じみたことは言わない。

その関係を続けていくと、ある時、「先生、私が何をやってるか知ってますか?」と聞いてくる瞬間がある

「知ってますよ」と答えると、「それについてどう思いますか?」
その時には、それはあなたの体を傷つけるだけだから、もうやめた方がいいですよなど、どう思うかについてもちろん伝える。

相手がそういうことを話してくる、聞いてくるときは、あなたにやめなさいって言われたら、やめたいと思ってます。とか、
あなたに叱られるんだったら、もう金輪際やらないようにしようと思ってます。
っていう時に、話すのではないかと思う。
たっちゃんはこの話に納得したとお話くださいました。

怒られたくない、とか、この人は怒らないだろう、じゃなくて、この人にだったら怒られてもいいなんだな。と…。
この人にだったら話せるではなくて、この人の言うことを受けとめたいなのかな、より深い信頼を感じたお話でした。


【気遣い人】


児童精神科医の田中康雄先生の言葉で、たっちゃんが講演会の最後に必ず伝える言葉です。

「気遣う人の存在と、関わりのタイミングが『偶然に、あるいは奇跡的に』重なり合うと驚くような状況が生じるものである」

生きづらさを抱えた子どもたちと、出会うことが多い、たっちゃんとみっきぃにとって、自分が気遣い人になれているのか、折に触れて振り返っているといいます。

当初は、生きづらさを抱えた子どもとの出会いを強く意識はしていなかったそうです。
活動をしていく中で、生きづらさを抱えた子どもたちと出会うことが増えていき、
自分たちの使命はそこにあるのではないかと考えるようになりました。


【熱心で無理解な大人】


私がたっちゃんの本を読んで最初に考えさせられた言葉で、
佐々木正美先生の言葉です。

「子どもにとって、熱心で無理解な大人は最悪です。
 不適応と呼ばれる行動を示す子どものそばには、
 いつも熱心で無理解な大人がいます」


熱意があるからこそ、「こうすべき」が強く出てしまうこと、指導になってしまうことってあるなーと思いました。

たっちゃんも、
「今日のあの子への声かけはどうだったかな、あの若者との関わりはよかったかな?」と振り返るときに、

僕は今、熱心で無理解な大人になっていませんか?と佐々木先生に心の中で問いかけているといいます。

そして、自分でも気づかないうちに、無理解な大人になっていないか・・と考えさせられた言葉です。



【傾聴のヒント】


話を聴く時に大事にしていることもあります。

傾聴の1番簡単な方法は、相手の最も得意とする話を話題にすること。
傾聴講座を受けなくでも、誰でもできる方法です。

ディズニーが好きで詳しい人には、ディズニーの話。仮面ライダーに詳しい人には、仮面ライダーの話とか

相手はいくらでも喋る。得意なことなので、20分30分しゃべり続ける、
相手のほうが知識が豊富だから、こちらは聴くことしかできなくなる
結果的に聴き続けるっていうことが生まれる。

喋り続けてくれて、そして相手が必ず上になれる。

常に相手が優位に立てて、常に喋ってて、こっちは必然的に知らないことだらけなので質問しかできない。
それをずっと続けてると、

これだけ私の話を聴いてくれた。
私の色んな話を聴いてくれた。

そういう人だからこそ
私が親からの虐待に苦しんでる話も聴いてくれるかもしれない。
僕がクラスのみんなからいじめられている話も聴いてくれるかもしれない。そう思うようになる。

という傾聴のヒントを、
児童精神科医の佐々木正美先生に教えてもらったといいます。


【最後の砦】


ゆめ・まち・ねっとさんは、色んな所をたらいまわしになっている人の、最後の砦のような役割がありそうに感じて、聞いてみました。

「最後の砦になる」

そこには、県庁時代に税務課での先輩からの教えがありました。
たっちゃんの勤務先は、県庁ということで、出先機関や各市役所からの質問や、県民から相談がしたいって持ち込まれたりしたときに、

絶対他に回すな。

って教えてくれた先輩がいたといいます。
それは市民課なんですよとか、財務課なんですよとか、市町村課なんですよとかっていうふうに回したら、たらい回しになっちゃう。

税金の事聞かれたら、うちじゃない、ではどこに回そうか、みたいに考えちゃダメだって言う先輩がいて、本当その通りだなと思って、それが今に生きてる感じがある。

そこには、こんな気持ちもありました。
「あなたならなんとかしてくれますよねってね。思ってくれてるわけだから、なんとかしてあげたいと。いつもそう思っている。」


あるひある日のおもしろ荘

■最後に

最後までありがとうございます。

気遣い人でいれているかな?無理解な大人になっていないかな?
大事にしていることを、振り返り続けているからこそ、
困っている人を「ようこそ」と迎え入れ、それが当たり前の形になっていっていると感じます。
ゆめ・まち・ねっとさんのような場が地域にあると心強い、と本当に感じます。

最後までありがとうございます。
次回は、たっちゃんの本の中には載っていない
ゆめ・まち・ねっとさんのエピソードをお伝えします!

また見てもらえると嬉しいです😊