【障碍者雇用×kintone】① 福祉DX 感覚だけでなく、数値で見えた時、支援の質があがった ~多機能型事業所Re.co.~
■最初に
こんにちは!サイボウズのもっちーです😊
今回は、障碍者雇用と、
福祉事業所のkintone活用についてです!!
長野にある、「特定非営利活動法人utagu」さんが、
サイボウズのkintoneを導入してくださっています。
※以前記事にしていた、” SNEC ” も ” utagu ” さんです。
就労継続B型を中心に、どんなところで、kintoneが活用されているのか、
メンバーさん(利用者さん)の活用は?
そして、どんな1日を過ごしているのかの流れなどもお伝えします。
全4回のシリーズです。
ツールを使うことで見えてきた、
就労につながるために必要なこともあります。
NPO法人さんならではの、申請資料について、欲しい数字がすぐ出せる。
そんなお話もあります。
以前のutaguさんの記事(こちらは、通信制高校中心)
①SNECさんとの出会い
②SNECさんを1日体験
②では、就労継続B型でのお仕事も体験しています。
特定非営利活動法人utagu
Webサイト:https://utagu.org/
■utaguについて
utaguの事業の中に、多機能型事業所Re.co.があります。
Re.co.では、障碍を持つ方々が自立した生活を送るためのサービスとして、就労継続支援B型と就労移行支援事業を行っています。
Re.co.は、利用者一人一人に合ったサポートをするために、
1日の様々な場面でkintoneを活用しています。
「kintoneを通じて、数値が見えるので、
利用者さんへの支援の質がめちゃくちゃ向上しています」
と、kintone担当の後藤さんはお話してくださいました。
kintoneをどのように活用することで、
利用者さんへの支援の質の向上につながったのでしょうか。
Re.co.を運営する、
特定非営利活動法人utagu理事長の清水由佳さんと、
kintone担当であり、職業指導員の後藤誠貴さんにお話を伺いました。
・「ZERO 100smile」を掲げるNPO法人utagu
多機能型事業所Re.co.を運営する特定非営利活動法人utaguは、
「ZERO 100smile」を理念に掲げています。
utaguさんのホームページには、
「ZERO 100smile」について以下のように説明されています。
理事長の清水さんの名刺には、「ZERO 100smile」のロゴとともに、
様々な色の輪っかが・・・
これは、
性別も年齢も障碍も多様な人たちの笑顔の輪を表している
と清水さんはおっしゃいます。
この理念を実現するために、
utaguさんは通信制高校「明蓬館高等学校」の特別支援教育コースである「SNEC」のサポート校「祥雲高等学院/明蓬館SNEC長野」も運営しています。
■多機能型事業所Re.co.が推進するデジタル化
Re.co.さんでは、就労継続支援B型と就労移行支援事業の両方を運営し、
障碍のある方の就労支援を行っています。
こうした就労支援に関する、障碍福祉サービスでは、
月末や年度末に行政に対して報告する事項が多く存在します。
また、監査などに対応するためにも、
利用者さんの人数や面談時間等の、
数値をまとめる作業が定期的に必要になります。
Re.co.さんでは、元々Excelでまとめていたそうですが、
今ではkintoneを使いこなしています。
・スタッフが作成する記録(特に個人記録)
まず、スタッフが作成する利用者さんに関する記録です。
特に大事な記録は、個人記録です。
出欠や、面談をした時間管理など、
定期的な報告の中で最も重要な項目の記録に、kintoneを活用しています。
一部をお見せすると、下記の画像がアプリの入力項目です。
出欠や、リアル通所のチェック、遅刻・早退などがあるので、
オンラインでの通所もあることがわかりますね。
・利用者さんが作成する記録(特に日報・作業管理表)
次に、利用者さんが作成する記録、「日報・作業管理表」です。
利用者さんの、メンタルの状況や滞在時間などを記録します。
utaguさんでは、
フィジカルとメンタルを数字で伝えることを大事にしています。
実際に訪問に行った時にも、今日の体調を聞かれ、
「フィジカル3、メンタル3です」と答えるシーンもありました。
今日だけを見るのではなく、記録として残しておくことで、
変化に気づきやすくなりますね。
そして、どのようなサポートが、今後必要になるのかを考える上で、
大事なデータとなっています。
・グラフ・表の活用(特にスタッフ間ミーティングにおいて)
上記の記録を元に作成した、グラフや表の活用も重要です。
グラフで見ることで、今までの推移がわかりやすくなります。
この、グラフや表は、週ごとに行われる、
スタッフミーティングで使われます。
例えば、利用者さんの面談時間を表す、
円グラフや出欠日数の棒グラフなどが活用されています。
■支援の質につながるkintoneの効果
このようなkintoneの活用を通じて、
Re.co.さんにとってどのような効果があったのでしょうか。
・「こうやりたい」というアイディアがぱっと実現できる
理事長の清水さんは、
「法人の経営をする上で、自分がどの場面でどのデータを使うことができるのかについて、kintoneを通じてぱっと表やグラフとして出てくることがありがたい」
と話します。
実際、インタビューの最中に、清水さんから後藤さんに
「利用者さんの作業時間と、通所日数と、工賃の3つの軸がぱっと見れるようにしたい」
という要望がありました。
それぞれのアプリで作成しているグラフを、
1つ1つ見にいくのは大変です。
そこでスペースの、お知らせ欄を活用します。
お知らせ欄に、それぞれ別のアプリで作成している、
グラフを貼り付けることで、お知らせ欄だけをみて、
確認することができるようになりました。
その様子をみて、
「この場で出てきたことがぱっとできることがkintoneの良いところですよね」
と清水さん。
このように、その場で見ながら、確かめながら、
パッと作ることができるのは、kintoneの強いところじゃないかと思います。
・感覚だけでなく、数値やグラフになるから気づけることがある
後藤さんは
「数字や表でみると『あ、やっぱりそうだよね』と、
スタッフ間でも共有できることが発見でした」
と話してくださいました。
例えば、出欠日数の棒グラフをスタッフの間でみていると、
赤色の欠席が少なく、青色の出席が月20日へと、
段階を踏んで増えていく方が就労につながっていく傾向
にあることに気付くことができたそうです。
「元々は感覚でやっていたものでしたが、
数値化したりグラフ化したりすることで、
利用者さんごとに、必要なサポートが見えてきました。
だからこそ、支援の質がめちゃくちゃ上がったと思います」
と、お話くださいました。
■最後に
最後までありがとうございました!
本記事では、Re.co.さんの取り組みについての全体像についてお伝えしました。
次回からは、具体的にどのようにkintoneを活用しているのかを記事にしたいと思います。
また見てもらえると嬉しいです😊