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月モカ!!vol.271「五感を体に傾けて」

どうも。全くタイトルとマッチしないような画像をカバーに選んでいますがこれには意味があります。また意味がある写真群の中でもこれを選んだのには、この写真の中指にこの青い花を見つけて、この子が今は店の「プチパトロン」の瓶の蓋をしているという事実に(わたしってほんと物を大事にするよね・・・笑)と思い選んでみた。photograph by Ave.K(2013)当時発売になったばかりのライトノベル「艶蜜花サーカス」の作品撮り。
横浜だったね。この頃Ave.Kことけいこちゃんとよく作品撮りを一緒にしてたな。

現在プチパトロンの瓶の蓋として活躍しウェブストアにも載っている青い花ちゃん。笑。
ちなみにこの写真にはプチパトロンの瓶が・・・笑(2012)
「艶蜜花サーカス🎪」キャッチコピー。

ところで下半期を走り抜け、さらにギアをあげて12月を走り抜けた体に、
もうワンギア「グッと」入れるのは無理だということがわかりました。笑。

元旦(正式にはそのちょい前)から5日間続いた発熱はその後席とか鼻水とか喉の痛みに変化し(そろそろ治ってきたか・・・)というタイミングで胃腸に移行、もう4日ほど腸の調子を崩しております。それでわかりました。
たとえ店が潰れそうでも1月は頑張らない月にした方がいい。笑。

というかよく考えると頑張ってるんよ。頑張りすぎてるくらい。
去年の6月に「このままじゃ店ダメだ!」と思ってからまず毎日SNSを投稿している。SNSとかない時代から生きてる人間だからどこかでSNSに時間を使うと(こんな無駄なことに2時間も使ってしまった・・・)っていうような感覚が半年前くらいまではどこかにあったんだけど、
シークレット広報”M”とのミーティングやお客さんの反応などに触れる機会を経て「この作業がいかに重要な仕事か」理解してきたので今はSNSを正式な「仕事時間」として認識してる。もはや「使う」認識ではなく「充てさせていただく」お気持ち。みんながSNSみて来てくれる。「今日、栞ちゃんのティラミスあるんでしょ!」とか「栞定食始まるんだね!」とか。

イーディInstagram

同時にSNSって大変だ。インスタ、X、FB…って一通り投稿し終わると平気で1時間くらい経っているし、そこに加えて「#宵っぱりのモカ」もしくしくと更新している。なのでつまりは慣れたらどんどん重さを加えていくトレーニングのように、わたしも栞も、自分にかける負荷のデフォルトを重くしてるから、頑張ってないことはないわけよ。でもたくさんのタスクを営業前に済ませるのが当たり前になってくると、一つとりこぼしただけでも自分が今日は怠けたって感じがしちゃうよね。

illustration & Design by Mayaooh
こんな可愛いMAPも年始から作ったんだし怠けてない!笑

それでね、思ったわけよ。ダメだダメだ。
仕事をしていない時間がなさすぎる。って。
余白やのりしろがなきゃダメな職業でしょすくなくとも小説家は。

それで先週は絶対これだけはやるって決めてることーー今のわたしだと「月モカ」「#宵モカ」あと「日々の投稿」と「お店の時間」ーー以外は(もう全部2月にやっていいよ)みたいな感じにして後回しにして、意図的に休むことにした。毎回エッセイ書くたびに(これはこのパソコンちゃんの最後の仕事かな)って思うんだけどまだ全然新しいMacを設定できるような段にいない。笑。よって今日も旧パソコンちゃんがフーフー言いながら頑張ってくれている。実際Macからそういう音がしている。笑。
これはもしかしたらタスクに溺れるわたしの音なのかもしれない。

千駄ヶ谷の有名ステーキ店。すぐそばに幻冬舎があるから
壷井さんとか休日出勤してるかな?と思ったが連絡する余力がなかった。

「五感を体に傾けて」とか言ってる割に全然体の声を聞いてない。
(腸にやさしいものを食べてくれ)って体は言ってるのに、生にんにくを極レアのステーキと一緒に胃に放り込む、なんかスパイス効いた辛いまぜそばを食べる、冷たい飲み物を飲む。何をやってるんでしょうね。笑。
今週はやさしいものをたくさん食べようと思っています。

個人的にこの「月モカ」のルーティーンが戻ってきたのがうれしくて、
月モカを書く作業は再び「楽しみ」になっている。
新たな自分を構築していくときってすごくエネルギー要るけど、慣れ親しんだ自分に戻るのって使い古した毛布で眠るみたいにリラックスできるよね。

ついでに今、常連のシイさんが栞に貸したチベットの本を読んでいる。
読書のルーティーンもコロナ勃発からは完全に失われていた習慣なのでこれまた嬉しい。またデビューしてからはどうしても仕事に関係する書籍から読んでいくことになるからこんな無関係の本読むこともあまりないのでそれも楽しい。沢木耕太郎の「深夜特急」にはまっていた学生時代を思い出す。

とか言って「休む」に注力している割にこの後わたしは20時半には店に行ってインスタライブをするのです。笑。今年また新しく「インスタライブ」という重量を自身の筋トレに課したわたし。笑。クリエイティブ方面はどんどん加重していけるのになぜスクワットは10回もできないんだろう。まさにそこだよね。わたしは頭から上の世界をどこまでも広げちゃうけどさ、それは首から下、つまり肉体の強度がないと保てないんだよね。
そうだったそうだった。なのでわたしは今日これを書き終わったらスクワットをする。スクワット>クリエイティブ。これを忘れないように3月まで過ごすって決めたんだったのに、もう忘れてるわ。笑。

そうそう実は、先週金曜に韓国から来たお客さんがいたのだけどその女性がもともと翻訳家を目指していたとかで小説に興味があったので「わたしの本ね2本くらい翻訳されてるんよ」とかって言ったらびっくりして調べてくれたんだけど、その翻訳がねすごくよかったことが11年越しにわかりました。
それがそう「艶蜜花サーカス」です。なんかこの2013-2014のラノベの仕事が文芸よりも辛かったからさその後しばらく(あのラノベってわたしのキャリアの中でなんか意味があったのだろうか、2年目は報酬もめちゃめちゃ安かったし・・・)と思っていたけど人生に無駄なことないね。そのおかげで「宵巴里」にも新たな光が射しそうです。そうだね「翻訳される」ってことはさ文芸だろうがラノベだろうが喜ばしいことだし、ラノベならではの身軽さでわたしの作品て電子書籍のサブスクにも入ってるんだよね。
それって、わたしの作品がどんどん絶版になって「宵巴里」以外はどこでも買えなくなってきた今、すごくありがたいことだよね。

何より「艶蜜花サーカス」も「甘滴恋情事」も内容が、自分で言うのもなんだけどすごく面白いんだよね。文芸でやりたいと思ってたモチーフをここでやったからさ。いや多分もっとエロに特化した方が売れたのかもしれないんだけど「読ませる」方向に振ってしまったから逆にエロの部分がなくてもいいような感じになったかなと思ってニーズに対して内容を重厚にしたのが合ってなかったかなとか思っていたけど韓国ではなんかとても評価が高かった。ありがたい。「艶蜜花サーカス」はわたしがやりたかったアングラ版の「魔女と金魚」みたいな感じで本当はもっと寺山修司ぽくしたかったんだけどそれはさすがにラノベエロノベルではできなかったけど「甘滴…」の方も当時「船パリ」の執筆中だったので昭和初期の文化や混沌などをふんだんに取り込んで、いい感じに仕上がったと思う。
あの頃わたしは昭和4年を生きていた。

前年の連載時に「読者はこれから恋をするティーンでなくもう恋愛の裏表知り尽くした主婦層とかだから、好きになった人に女がいるとか愛人とかそういう設定は現実逃避の時間に疲れるのでやめてほしい」と言われたんだけどそうすると全部がご都合主義になっちゃうなと思ってわたし「歴史」というカードを切った。笑。つまり「昭和初期には妾とかいます」「そういう時代です」みたいなやる。あとラノベの規定で版元が「セーフティセックス」を大事にされていたので現代の設定だと「コンドームを装着するシーン」を書くか「そのまま結婚する」かしないといけなかったので、
それだとわたしの書く物語の中ではちょっと違和感だったので、いつ、どこかわからないサーカス旅一座の話や、昭和初期など、設定を「コンドームの存在しない世界」へ移動したわけなんだよね。笑。

長く著者をやっているっていいよね。
何がいいかっていうとさ、ぐるっと回って時代がわたしの著作にフィットするかもしれないタイミングが出てくる。
書いている方もなんかその時と今とだと違う感覚でいられるので、
こうやって月モカでもう一度紹介したりも、できる。

今のわたしが思うのはこの2作はエロでもあったけど、エロ以外でもあったのかなということ。別にエロをばかにしてるとかじゃなくて全力で官能小説に取り組みたくてこの仕事受けたのだけど官能ってやっぱり背徳とか異端とか「ギリギリのところ」にあるものだから「セーフティセックス」が大前提のところで江戸川乱歩みたいなものって書けないし、なんか限界を感じちゃった・・・わたしの書きたいセックスってもっと禍々しいものがうなじの後ろまに居るようなものだったりするんだけど首をちょっと絞めるシーンもアウトと言われたらもうお手上げ、という部分があったんだけど、それが韓国でエンタメとして人を傷つけずに楽しんで受けとめられているんならそれは嬉しいねって、今は純粋に思います。

これは同年2013年にAve.Kと作ったMovieです。
これはサーカスの写真より前だね。6月か7月だったと思うな。

それでは皆さま、また来週。
ここではのびのびとノープランでその日の気分で綴っていくね。

<月モカvol.271「五感を体に傾けて」>
※月モカは「月曜モカ子の私的モチーフ」の略です。


この動画の[17:00〜]から韓国語翻訳の話をしています〜〜
お店も「宵巴里」も規模小さいしできること限られてるけど、
素晴らしい人たちが向こうからやってきてくれることだけは誇りたい。

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☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。☆このページを通じて繋がってくださっているあなた! あなたの「いいね!」はわたしの励みになっています、いつもありがとう。

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中島 桃果子 / Mocako  Nakajima
長く絶版になっていたわたしのデビュー作「蝶番」と2012年の渾身作「誰かJuneを知らないか」がこの度、幻冬舎から電子出版されました!わたしの文章面白いなと思ってくれた方はぜひそちらを読んでいただけたら嬉しいの極みでございます!

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