「10冊読むまで帰れま10」回顧録【11月前編】
どもmoaiです。
8月から毎月10冊読書するのを習慣としており、先月も何とか達成した。せっかくなので、その10冊を公開してみようと思う。ストーリー紹介ではなく、5段階評価でmoaiの独断と偏見。異論異議がある方はコメント欄にどうぞ。ネタバレを含む場合は、【ネタバレ】と書く。読んだ順に紹介していく。
①「北海タイムス物語」増田俊也
評価【★★★★☆】
新潮から出た11月の新作文庫。大作ノンフィクション「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」の著者で「七帝柔道記」に続く自伝的小説第2弾。著者が北大中退後、勤めた「北海タイムス」での話。自分は京都生まれだが、高校卒業まで札幌で育ったので非常に親近感が湧いた。
特筆すべき点は北海タイムスの給与水準。当時と貨幣価値が微妙に違うとはいえ、管理職クラスで200万円相当とは低すぎる。だが、そんなことを言い訳せず、愛社精神溢れる新聞人たちが命を削って働く物語。
自分も経験あるが、入りたい会社に入るのと、入りたい会社でやりたい仕事をやるのは、全くの別物なのだ。記者志望の主人公野々村は、記者とは別の紙面制作を担当する部署へ配属された。最初は不貞腐れながらも、途中からは先輩に刺激されて仕事に邁進していく姿は圧巻。仕事はこういうパッション、熱さを持って臨みたいと感心させられる内容だった。非常にモチベーションが上がる一冊。増田俊也作品は外れなしで、今年一番多く読んだ作家の1人。
②「読みたいことを、書けばいい」田中泰延
【評価★★☆☆☆】
まさに題名の通り。元電通のコピーライターの一冊。note毎日更新を始めた際、参考にした。できてるどうかは別にしても、現在は読みたいことは書けている。そもそも、noteを始めるにあたって、コンセプトだテーマだと考えて進まないぐらいなら、テキトーでもいいから書き出せということ。まずはそこから始まる。
③「人生ピロピロ」さとなお(佐藤尚之)
【評価★★★☆☆】
今一番注目しているクリエイター。そもそも1000日チャレンジも、毎日3キロランも、さとなおさんの真似だ。古本屋で発見して即購入。大阪から東京に転勤してきた2000年前半時に書かれたエッセーだ。
グルメに自転車通勤にダイエット。守備範囲が広く、掘り下げ方もうまい。まさに「人間コンテンツ」。noteを更新するうえでも、かなり参考になった。
④「半沢直樹1」池井戸潤
【評価★★★★☆】
どうにも読書スピードが上がらず、安易に名作に走った。池井戸氏の著作は初めて。となると、半沢シリーズも小説、ドラマ通じて初。元銀行員の池井戸氏が分かりやすく業界用語を解説しながらストーリーは進む。平易な文章で読みやすい。
文中に一度だけ「倍返しだ!」が出てくる。イメージとして、決め台詞を乱発してるかと思っていたので、意外。「倍返しだ!」をキャッチーな台詞として成立させたドラマ版の脚本家がうまい、ということか。
銀行内、ひいてはサラリーマンの悲哀がにじむ社内出世闘争を包み隠さず書いてある。結末が結末だけに、こんなうまく行くんかいな感はあったが、エンタメ小説としては十二分に楽しめる。
今回読んだもう一つの理由は新装版だったから。題名も「半沢直樹1」が先にきて「オレたちバブル入行組」が後に来ている。本棚に並べるならやっぱりこっちでしょ!
⑤「天の夕顔」中河与一
【評価★☆☆☆☆】
古本屋で漁った一冊。まずページが薄い。109ページ。内容は…プラトニックラブといいますか。主人公が好きになった女性は人妻で…40歳ぐらいになるまでひたすら、その女性を思い続けるという話。
この現代で叫ばれている不倫ブームとは真逆の内容。昭和30年台のベストセラーだそうです。まだ、貞操観念がしっかりしていた時代背景だったんだろうが、ある意味現実離れしていると思い、頭に入ってこなかった。時間が経って、再読してみようと思う。
【後編に続く】