あげくの果てのカノン(5)を読んだ
ここまで想われてみたい。
非モテ男子だった私の率直な感想。
基本的にこちらから好きになり、こちらから告白し、あちらから断られるパターンを続けてきたので、モテてみたかったという願望が強い。
知り合いに紹介されてから、ずっと読んでたのだが、実は最終巻が出ていたの全く気がつかなかった。
TSUTAYAのレンタルコーナーを眺めていて、自分が知らない表紙の巻が置かれているのを見て、そこで初めて気がついた。
ゼリーとの戦いや裏で糸を引いている組織の問題は全く明らかにされなかっが、それで良い。
作者は、SFを書きたかったのでもないし、陰謀渦巻く世界を描きたかったのでもない。
あくまでも描きたかったのは「あげくの果てのカノン」なのだ。
どこまでいっても本質が変わらない主人公を描きたかったのだ。
1巻、2巻の頃は主人公の異常なまでの愛情が気持ち悪いと思った。
最終巻を読み終えた今は、主人公へのリスペクトが生じた。
自分にはできないことをする存在は、常に私の憧れになる。
直接的に、手を汚していないとは言え、主人公は多くの人の命を奪う元凶となった人間である。
それが明らかになれば、ただでは済まされないだろう。
他のものを犠牲にしてでも貫きたい想い。
キュン死とはねじれた位置にある、興味深い愛だ。
5巻という巻数も、ちょうどいい。
面白かった。
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