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「中秋の名月」と「仲秋の名月」

陰暦8月15日の月は中秋の名月といい、「中秋」という文字が使われることが多いようです。

「名月」は、陰暦8月15日か9月13日の月を指します(両日とも月見の行事の日)。

「中秋」は陰暦8月15日のことなので、「中秋の名月」は、いわば〈8月15日の方の「名月」〉(9月13日の方の「名月」ではなく)ということでしょうか。

もうひとつ、「仲秋」という表記がありますが、これは陰暦8月を意味します。
「仲秋の名月」の方も目にすることがありますが、この場合は〈8月の方の「名月」〉(9月の方の「名月」ではなく)というところでしょうか。
「名月」は、繰り返しになりますが陰暦8月15日か9月13日かどちらかの月のことなので、〈8月の方の「名月」〉=8月15日の月です。

つまり、「中秋の名月」も「仲秋の名月」も、結局は陰暦8月15日の月、ということになります。
「中秋」が正解だとする意見もあり、そちらが使われていることも多いようですが、
私見としては、どちらを使っても良いように思えます。

『広辞苑』第7版(岩波書店)の項目は「中秋の名月」ですが、そこに「仲秋の名月」とも書かれてあり、こちらも認めているようです。

さて、松尾芭蕉には月、名月を詠んだ句がいくつもありますが、最も有名なのは、「名月や池をめぐりて夜もすがら」かと思います。句の現代語訳もありますので、よろしければ以下をお読みください。

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