もみじまる検便レポ


 人生初の健康診断を19日に控えるもみじまるは、今日から2日間検便のためにうんコを取らなければなりません。うんコが大好きなもみじまるはもうワクワクでこの日を楽しみにしていました。
 ワクワクする気持ちを抑え、経験者の父と母がこうやるんだよ、と丁寧に教えてくれるのを「わかってるって!」「読めばわかるし!」などと年頃の娘らしくあしらいます。うんコの取り方を親に教えてもらう瞬間ほど幸せな時間などあるわけがないのに、年頃の娘を必死に演じるもみじまるの健気さときたら宇宙で1番可愛いです。
 学校で初めて好きな人ができたとき、登校の時間はいつもより長く感じました。いま、トイレに向かうもみじまるは何を思っているのでしょう。きっと、トイレへの数歩が何百歩にも感じているに違いありません。
 
アップデートしたnoteの使いづらさにいらだちを覚えつつ、あの幸福なひとときを言葉にできるだけしていきたいと思います。
 タップル男から映画を見に行こうよ!と連絡がきていますが、私はそんなことよりも検便レポを書きたいのです。さようなら、タップル男。
 うんコの採取の仕方ですが、ナガレールという紙をトイレの水のところにしいて、その上にうんコをして、そのうんコを採取する専用の棒で弄り回して棒をうんコでベタベタにします。そしてそれを専用の容器にいれ、ナガレールは水に流れにくいので取り出して汚物入れに畳んで捨てます。これで一連の流れは終わりです。
  うまくうんコが紙にのらなかったら手でとればいいよ、とお母さんが教えてくれました。合法的にうんコが触れるならわざと失敗しようかな、とも思いましたが、検便は一生でこの1回きりというわけではありません。今回は正攻法で採取することに決めました。後からいくらでも様々な方法でうんコを採取することができるのですから。
 早速実践です!逸る気持ちを抑えてまずおしっこをします。うんコにおしっこがかかってはあまり良くないと思ったからです。さすがもみじまる、とても冷静ですね。
 おしっこをしたら気持ちがすごく盛りあがってきました。震える両手で紙をトイレに敷きます。思ったより大きく、多分失敗しないだろうな、と安心しました。安心なのか、落胆なのか、その気持ちは自分でもよくわかりませんでしたが。
 いざうんコ!ぶりぶりとうんコをしては紙が沈んでしまうと思ったので、いちうんコぐらいで抑えます。ケツの違和感に気付かないふりをして、うんコを調整しました。
 見事綺麗に紙に乗ったうんコ。自分のうんコをまじまじと近くで見るのは中々ない経験ですので、少しそこで時間を使ってしまいました。
 私のうんコは何故かあまり匂いがしなかったので助かりました。早速棒で弄り回します。
 自分のうんコを真っ二つにしたことありますか?半分に割ったら繊維みたいなよく分からないものが見えました。うんコは奥が深いですね。どれくらい取ればいいのかわからず、結構な時間を使ってしまいました。それに、棒にうまくうんコが絡みつきません。大人になったら上手くできるようになるのかな、と将来の自分への期待に胸を膨らませます。
 無事うんコを採取したもみじまるは、専用の容器に入れ、自分のうんコに名前を書き、さらに厳重に袋にしまって全ての作業を完了しました。
 もちろん、紙を捨てる作業も行いましたが、なんだかその頃はもう満足感と高揚感であまり覚えていません。うっかり手にうんコがついたことだけは覚えています。

 リビングに戻ると父が「ちゃんと取れたか?」と聞いてくれました。優しい父です。色々話したい気持ちを抑え、「うるさいなぁ、どうでもいいでしょ」とやはり年頃の娘らしく振る舞います。
 私はこの経験で、またひとつ大人になれた気がします。ここまで読んでくれた人、ありがとう。もみじまるの今後に、乞うご期待!
 

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