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双極性障害1型
幼少期から自分が変だとなんとなく気づいていた。
イライラした感情をどう表現したらいいのか分からず、物で自分の体を殴った。そうする事で自分のイライラを痛みに変えた。
小学生に上がると私はもう完全に世間でいう“普通の子”ではなかったように思う。
自分の感情がおかしいと気付き始めた。
両親の事が好きなのに何故かとても嫌い、憎い。
そんなアンビバレンスに襲われるようになった。
私が中学生に上がると母は私を見て泣きながら言った。「お願いだから普通の子になって…」
この日が人生で1番辛かったかもしれない。
黒い影が私を監視しいつか私を殺しにくる。
「死ね死ね死ね」誰かが私にそう言う。
ホラー映画から出て来た女が私をいつも見てる。
幻視と幻聴に苦しめられた十代と二十代。
緊急入院。
告げられた病名“統合失調症”
母が私に言った。「もう人生終わった、ごめんね」
三十代になり私の病態は良くなるどころか悪化した。大学病院に紹介状を書いてもらい、有名な大学教授が私を診てくれることになった。
そして数ヶ月通院すると私の本当の病名がわかった。
「双極性障害1型、きっと発症は9歳頃だね」
私の終わったはずの人生がこの大学教授に出会ってからまたキラキラし始めた。
全身痙攣もなくなり、とても苦しかった幻視幻聴もほとんど落ち着いた。
31歳で寛解。32歳で夫に出会う。33歳で結婚。
子供時代から毎日泣いていた。
今は毎日笑顔で夫と暮らしている。
私は知っている。
幸福も不幸も幸いなことにずっとは続かない事を。