ジェンダーと貧困問題、社会構造のこと
地方では「男性は都市部の大学へ、女性は地元へ」「男性は進学し、女性は就職」等の格差がまだまだ残っています。文部科学省のデータによると、大学の進学率は京都や東京では男女ともに60%を超えていますが、地方では30%台というところもあり、男女による違いもあるのです。
地方出身の私自身も、親に、男は大学で女は働く、と言われて驚愕したことがあります。
けれども、その時に素朴な疑問も持ったのです。
「なぜ性別の違いで待遇が違うのだろうか?」「なぜ本人達の希望では判断されないのだろうか?」「これは、おかしいのではないか?」と子供ながらに考えたのです。
それから紆余曲折あり上京し、現在に至りますが、疑問を持ち、考えるということがなければ、違っていたかもしれません。
これは一例ですが、性別によって役割を判断される場面はまだまだあります。「男性は働き続けるものである」「転勤帯同時は女性が仕事を辞めるものである」等です。
そうして、私たち自身も、ついつい、あたかもそれが決まりであるかのように口に出してしまうことがあります。例えば、これから社会人になろうとする学生に対して、「子供ができたら仕事はどうするの?」と女子だけに聞こうとしたり、これからお子さんが生まれる方々に対して「育休を取得するなんて偉いね」と男性だけに声をかけようとする、というように。
そもそも、すべて個人の自由で、家族の在り方も多様化しているし、決まりでも何でもないのにかかわらず。
2013年から女性を中心とした再就職支援に関わり、多くの方々が次のキャリアへ進む場面に関わってきました。一人親就労支援では、シングルファーザーやシングルマザーの就労支援に関わりました。現実問題として、離職歴があると市場での見られ方が厳しかったり、一人親として育児との両立が大変であるという事象はあります。けれども、常識だと思われていた枠を外して考えて突破方法を考えていくと、次へ進んでいきます。一番の壁は、「女性はこうあるべき」「男性はこうあるべき」「ひとり親だから育児も仕事も一人で担わなくてはならない」等の先入観や、周囲からの圧力だからです。
これからも、先入観をなくして、フラットに考え、解決策を考えていきたいと思います。