【奇祭】ケベス祭へ。そして奇界遺産のこと
国東半島。
六郷満山文化といわれる、神仏習合の
独特な仏教文化が生まれた土地。
半島は、霊地、霊山とあがめられる
だけあって、足を踏み入れると
澄んだ空気を肌で感じる。
今や現代アートも旅の目的と
されているものの、
やはり霊場巡り、そして
伝統行事は、国東の醍醐味。
今年2月、念願叶って
火の粉舞う鬼の奇祭、
【修正鬼会】を体験。
そしてこの10月、
同じく火祭り【ケベス祭】を
この目で見られる機会に
恵まれることに!
このケベス祭、
実は起源も由来も不明。
ケベスは、神、との事だが
素朴な木彫りのお面からは、
表情が読めない。
所作は時にユーモラス、
かつ、火へと突進する荒振る姿も。
何とも不可思議な存在。
クライマックスには、
当場(白装束姿の男衆)が
燃え盛るシダの束を
参拝者に向かって振りかざす。
火の粉を浴びると無病息災の
ご利益とはいえ、
皆、阿鼻叫喚に逃げ惑う。
同時にどこか快楽も伴い、
悲鳴とも笑いともが混ざり合う。
怖いもの見たさで近寄るも、
燃え盛る炎で追いかけられると、
反射的に駆け出してしまう。
何とも中毒性を持つ、
まさに【奇怪な祭り】体験だった。
ここに至るまでには、
ある幸運な繋がりが。
実はこの【奇祭】
フォトグラファー佐藤健寿さんも
訪れている。
以前、ご本人が
ユーミンのラジオに出演時
国東の奇祭に触れており、
佐藤さんファンの私は
一層【ケベス祭】への
憧憬の念が増したものでした。
それから数年後の今夏、
佐藤健寿展【奇界/世界】が
市美術館で開催されることに。
運良く参加できたトークショーで、
ご本人の口から再度
【ケベス祭】の話が聞けるという。
そして、なんと来月にはまた
佐藤健寿さんがユーミンの
ラジオ番組に出演されるらしい。
私の中では、点が繋がり、
円になったよう。
強く興味を抱いたものが
幸運な繋がりを呼ぶ。
セレンディピティ、と
いっていいものか。
【ケベス祭】
開催に至る準備運営には
大変なご苦労があることだろう。
いつかおかげ参りをと、
心に誓っている。