見出し画像

20代って

20代が一番綺麗とか言うけれど、私は早く30代や40代になりたい。
歳を重ねるごとに、その人個人の内面が見た目に滲み出てくると思うから。
人柄の良さや内面の美しさが外に出ているような人になることが目標なので、20代は確かに肌つやとかは良いのかもしれないけれど、正直早く過ぎてくれ、と思うことがある。

見た目どうこうの話はいいとして、20代を半分生きた身で考えることは、
20代って何にも持ってないのに自己実現の欲求は強烈にあって、もがくけどどうにもならない。そして周りにも「若いから何も知らない」とみなされることばかり。若い女性ってだけで僻まれたり、小馬鹿にされたり、逆によそよそしくされたり、あー本当にめんどくせえなと思うことばかりだった。

自分の場合、「やりたいことが分からない」という悩みは今まであまり持たなかった。
むしろやりたいことはあるのに、実現までの道が果てしなさすぎて、せっかちな自分は「もう無理!10年も20年も待てない!」と猛烈に駄々をこねたくなることが多い。
20歳前後、お芝居の世界に行きたい、と思ってオーディションや演技のワークショップに行っても、9割はディスられるか見向きもされなかった。1割でポジティブな意見をもらえたから続けられた。でも実績も演技を学んだ経験もないままじゃだめだと思い立ち、養成所に通ったのち、事務所に所属してエキストラなどに参加する日々を過ごした。
学生時代の友達は新卒で働き始めたし、それが当たり前だったと思う。そのことがずっと頭に残り、俳優というやりたい道に進めてはいても、「自分は好きな事をやっている!」という充実感はほぼ感じていなかった。むしろ、「職歴も資格もなく、お金もアルバイトで稼いでいるのみ。自分は周りと比べて劣っている」と思っていた。
いつか自分の好きな監督や俳優と出会えて、一緒に仕事ができる未来もあるかもしれない。でもそれはいつなんだ?10年後?20年後?20年やってもどうなるか分からない。それなのに、自己肯定感をすり減らしてこのまま何十年と同じような日々を過ごすのか?自分は耐えられるのか。
そんな不安から、結局昨年から俳優を辞め、事務の仕事を始めた。
就職して、そのうち結婚する、そういう道のりを歩むことが、自分が不安にならない道だと考えた。映画やドラマを見ることがなくなり、休日は彼氏と出かけていた。
しかし程なくして彼氏とは別れ、「なんか仕事もあんまり充実感がないから、もっとバリバリ成長できる環境に行きたいな」とあっさり転職を考え始める。

転機は、学生時代の先輩がやっている舞台を観に行った時だった。
(これだよ、これじゃん、やっぱお芝居ってわくわくする)
(これがやりたい)
自分が忘れていた「好きなもの」を、そこで思い出した。
同時にそれ以降、自分の考え方が「世間がいいと思う考え方」にいつの間にかすごく寄っていたことに気づいた。元々寄り始めていた頃に、さらにそういう傾向の強かった彼氏と過ごしていたから尚更だったのだろう。

仕事を辞め、転職活動をしている今の方が、アルバイトと撮影現場と演技レッスンを行き来していた頃よりも収入が少ないのに心に余裕がある気がしている。
世間の見方に縛られた価値観から解放されて、本当の意味で「最後に自分が生きていてよかったと思えるような道」を探していこうと思えているからかもしれない。

大勢の人と違う道を歩むことは、決してかっこいいことでも、すごいことでもない。
学生時代、俳優を目指すと言ったときにたまに「すごいね」と言われたが、自分は全くすごいとは思っていなかったし、それに、すごいと思われるためにやっているわけでもなかった。
とんがりたかったわけじゃない。
自分が納得して歩める道を探したかっただけだった。

正社員で働く方が「いい」ことは沢山あると思う。
あらゆる税金の支払いについて自分で行う必要はないし、毎月安定した給料が入ってくるし、賃貸の契約をする時などの信頼度も高いだろうと思う。
毎日毎日お金について悩んだり、一年後はどうなっているのかと将来を心配したり、少数派であることから「自分はだめだ」とネガティブな感情になって苦しむこともあまりないだろうと思う。
もちろん、「悪い」こともあると思う。
そして、正社員で働いても、俳優になっても、どちらもきっと20代はがむしゃらで、報われたという実感を持てることはまだ少ないだろう。

どうせがむしゃらでいるしかないなら、今は自分が体験したいことをできる限り経験しつくしたい。知見を深めたり、価値観を広げたりするようなことにもどんどん触れたい。若いからこそ考えられるような理想に向かって、一歩ずつでも後退してもいいから歩み続けていたい。

20代は、自分を諦めなければ、それで良しとしたい。

無計画にただ書き過ぎた。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?