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#井浦新

徒花

徒花

未来に、クローンの生成が合法的に(公に)認められる社会になるという設定。「基本的に人間はそれと直接話をすることはできない」という定めになっている理由は、人間やそれの人権、尊厳、生きていく意味を真面目に考え出してしまったら、新次のように言葉で言い表し難い苦しみを味わうことになるからだと、私は思う。
あの施設で働きたくないな、とまず思った。命が生まれて命が捨てられる。そこに自分が加担したら、命の意味が

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ワンダフルライフ

ワンダフルライフ

井浦新さんの映画デビュー作ということで観た。
この頃も今と同じく、綺麗で落ち着いたリズムがあって、静かで、哲学者のような雰囲気を持っている方だ、と感じた。

この映画が公開された年、私は生まれた。
私が物心ついていない頃すでに俳優として活躍していた人たちが、今も映画やドラマに出ている。自分が赤ちゃんだった頃、彼らはすでに大人だった。そのことがなんか不思議だった。

小津安二郎監督作品のように真っ正

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白河夜船

白河夜船

「明日は午後に仕事に出ればいいんだ」
これを言っちゃう罪な男を井浦新さんが演じていて、感無量というか、生きてて良かったと思った。

岩永は地に足ついた感じがしてて、寺子の方が酔ってる感じがする、と最初は思った。女性のほうは恋してて、男性の方は典型的に不倫のつもりでいると。
先方の、って言い方がもう、ほんとこの手のこういう種類の男性が言いそうなことだなぁと感じて気持ち悪い(とても好き)。どういう理由

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