![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/124913036/rectangle_large_type_2_4ebcb4b27645ba9c041ac52ff31538a5.jpeg?width=1200)
「何だ私、笑えるじゃん」舞台『もうがまんできない』に救われた話
これから「好きなお笑いコンビは?」と聞かれたら、『ずっとまってるズ』と答えたい。
あらすじ
東京は渋谷。
ラブホテルや雑居ビルが立ち並ぶ猥雑な裏街。
出来たばかりのセレブリティなマンションの前に、古びたビルがある。そんな猥雑な街の一角で、メジャーになれない解散寸前のお笑いコンビ、デリヘル嬢と店長、浮気妻と間男など、訳ありな人々がたまたま出会い、ワンシチュエーションで交差し、ノンストップで駆け抜ける物語。
開幕早々、私の心を掴んで今でも離さない『ずっとまってるズ』
お笑い好きのクドカンさんだからこそなのでか、ネタもめちゃくちゃしっかりしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1703429337366-t11g0m6P6z.png?width=1200)
阿部サダヲさんと宮崎吐夢の掛け合いも、コント要素があり最高。
体を張ったドタバタコメディで、笑い笑い笑いの連続。
そして、まさかの全裸で登場した皆川さん。
よく分からないことを口走っていて、「なんだこの演劇は?!」と衝撃を受けながらも、笑いが止まらず。
みちる役の荒川良々さんは、今も思い出し笑いをするほど面白かった。
![](https://assets.st-note.com/img/1703428892423-vjzlnSrNGg.png?width=1200)
とにかく本がいい。
さすが宮藤官九郎さん。クドカンファンにはたまらない作品。
むしろ多くを語りたくないくらいには、本もいいしキャスト本当に全員がいい。
クドカンさんの「今やりたいこと」を舞台化するというシリーズ。
テレビ規制なども厳しくなる現代、見ようによってはグレーな部分もあった。もしかしたら、不謹慎だと感じる人もいるかもしれない。
でも、その中で比較的縛りがきつくない演劇の世界で、「今やりたいこと」をやってくれたクドカンさん。
笑ったっていい。
笑ってもいい。
実は当時、鬱を拗らせたのか、精神状態がゴミだった私。
このときは、なぜか何をしても楽しいと思えなかった。
人と関わりたくなかった。
上手に笑えなかった。
「笑わなきゃ」と思ってから、顔を作って笑っていた
そんな私が、考えるよりも先に笑っていた。
目を細めて、顔中シワだらけにして、口角なんて表情筋がピリつくくらいギュインと上げて、鼻息も、声まで出しちゃって。
「何だ、私笑えるじゃん」
![](https://assets.st-note.com/img/1703429587803-KYqswazQOQ.png?width=1200)
ホックホクの観劇後、朝から目を付けていた本多劇場から徒歩3分のスープカレー屋さんに。
本当は公演前に行ってみたのだが、お昼時だったからかまあまあな行列ができていて、何に対してもやる気が出ない私は人だかりを見た瞬間早々に撤退。
しかし!スペシャル舞台を観た後は、無敵状態だったので「パロパリのチキンが入ったスープカレーを食したい!」という本能のまま、食べに行きました。
15時過ぎだったので、空いていてすんなり入ることができ、壁際のおひとり様席へ。
謎の太っ腹モードに突入し、プラス料金のエビスープを選択。
![](https://assets.st-note.com/img/1702881671585-NLkqB4E4Q4.jpg?width=1200)
そこには、普段は食べないレンコンやにんじん、大根など沢山の種類の野菜が。
歯応えが苦手なブロッコリーも、油で炒めてあるからかしんなりしていて食べやすい。
野菜にしっくり合うスープは、ちょっぴり辛くて、でもエビベースでマイルドな優しい味。
皮がパリッッッパリのチキンは、中はコンフィみたいにしっとりしていてこれもカレーに合う。
あったかくて、人に例えると包容力を感じるようなスープカレー。
夢中で口に運ぶ。
美味しくて、次の一口が早く食べたくて、そのうちあっという間に食べ終わってしまった。
ポニピリカさんのカレーは、“パンチがあるけれど体に優しい”をテーマに、化学調味料は使われていないそう。
パンチのある、思いっきり笑えてハートフルな気持ちになる演劇と、パンチがあって思いっきり食べられる、体に優しい美味しいカレー。
今のわたしに必要な栄養が全て摂取できた一日。
今日を生きていてよかったと思わせてくれた「もうがまんできない」と「すカレー」
2023年5月10日、控えめに言って私は救われた。