嗚呼、愛すべきトーキョー。

自宅隔離中ひますぎるので、ひたすら積読を消費する毎日。といっても何冊も何冊も活字を追うと疲れるし、目も痛くなるし、罹患中で普通に頭も痛くなるので、1日に一冊と決めてる。隔離されて5日目。体調が死んでいた二日間をのぞいて3冊よんだ。
ちなみに上の写真は部屋に入ってきた夕陽が何故か「IC型」だったやつ。Suicaみたい。変なの。でも綺麗だからなんでもいい。

今日の東京はめちゃくちゃ天気が悪い。外は冷たい雨だし、シトシトって言葉がめちゃくちゃちょうど良く当てはまる雨。さむいし。4℃らしい。ヨンドシー、みたいだけど違う。普通に気温の4度。今流行りのサイゼリヤ4℃論争のやつではない。
めちゃくちゃで思い出したけど、大学時代の友達でめちゃくちゃを「むっちゃ、むちゃくちゃ」っていう子がいた。なんかむちゃくちゃの方がめちゃくちゃより、めちゃくちゃ感があるなと思って私もむちゃくちゃって使ってた。そのことはもう連絡も取ってないけど、なんなら今でも使ってる。むちゃくちゃ。今日むっちゃ寒いやん。別に関西人ではない。

「こざわたまこ」さんという方の「負け逃げ」と言う本を読んだ。さっき読み終えた。
こざわさんの学生時代の話なんだろうか。しらんけど。田舎のゴタゴタ。

東京ってそんないい街か。
たしかに東京にはなんでもある、家から3分のところにコンビニがある。多分手に入らないものはない。いい街というより便利な街だと言った方がふさわしいと思う。便利な街だよねー、東京。
夜中道にゲボが落ちていたり酔っ払いが倒れてたり朝の満員電車、駅員に悪態をつく客、この時期に夜中までやってる居酒屋、似たような髪型をした似たような学生、ゴミだらけの路地裏の嫌な匂い、黒光りした無駄にでかいバン、灯りの消えない街。どれもめちゃくちゃ東京っぽい。むっちゃ東京。憧れの街東京。本当？便利な街だけど、いい街ではないでしょ、絶対。

誰かの希望と絶望で成り立っている街だと思う。
みんな何かの希望を抱えて、田舎から出て東京で暮らしたいだとか、夢を叶えたいだとか、芸能人に会いたいだとか、大学デビューしたいとか、知らんけども。誰かのいろんな希望を背負って絶望に変えていく街東京。きっとみんな何者にもなれないまま東京の汚い夜にのまれて終わり。終了。ちゃんちゃん。五月蝿い学生が慣れない酒を馬鹿みたいに煽ってる薄汚い居酒屋の壁に誰かの夢は吸収されてく。あるいは便器の中かも。自分の吐瀉物と一緒に、東京に背負わせた希望も吐いて消える。

みんな自分を特別だと思いたがるって、昨日読んだ芦沢さんの本に書いてあった。その通りだ。
なんで大学生はみんな似合もしないのに金髪にするんだ？日本人の顔には絶対に似合わないんだその金髪。まあ好きなようにすればいいか、自分の髪だし。一度きりしがない人生だし。
人生一度きりとかよく言うけど、じゃあなんでもしていいのかって言われたらそうじゃないじゃないですか。じゃないじゃない？まあいいや。
一度きりの人生だから楽しまなくちゃ！楽しまない権利も一度きりの人生の中で行使していいと思う。一度きりの人生だから楽しまない。うん。悪くないと思う。私は楽しむけど。一度きりの人生なら仕事もやめて何もかも投げ出してドバイとか行きたい。そんで一生遊んで暮らしたい。それをやるだけの金も時間も勇気もないから私はまた一度きりの人生を普通に消費してる。これは無駄な消費かしら。

思ったことを文章にしてるとわたしの中のわたしのアンチがこんなこと書いて自分に酔ってんの？っていってくる。酔ってると思う。酔ってる節がある。私は文章を書いてる自分が好きだし人よりちょっと絵が上手い自分が好きだ。でもそれ以外の自分は全然好きじゃない。むしろ嫌いだ。弟は自分のことがめちゃくちゃ好きらしい。羨ましい。私はむちゃくちゃ嫌いだっていうのにな。

今日の東京は雨だし寒いからいつもより絶望の色って感じだ。あんまり絶望を生み出してやるなよ、トーキョー。100分の1くらいの確率で希望を希望のまま叶えてあげてほしい。
こざわさんの本に「僕のしたいことは全部、オリコンチャート1位の歌手が歌い上げている」ってセリフがあった。なんてセリフだ。ずるい。こんなの私じゃ絶対に思いつかない。全部知ってる単語なのに、あの感情を表すセリフをこの単語で表現できない。
むかつくくらい小説家だ。天才だな。

食べた後はねちゃいけない。豚になるから。ってよく言われる。でも今普通に寝ながらこれを打っている。一人暮らしの家にはソファーがない。まあ実家にもソファーないけど。机と椅子はあるけど仕事する時にしか座らないって決めてんだ。明日から仕事か。先週2日休んだからいつもの倍憂鬱だ。
4000文字のレポートを書くのは大変なのに、この文章はもうすぐ2000文字になろうとしてる。思ったことを書いてるだけでそんなに。すごいね。

私は東京を愛してるし、東京も私を愛してるといいと思う。相思相愛。デカいキャリーバッグに詰め込まれたパンパンの荷物と希望。渋谷駅のロッカー。強すぎる香水の香り。明るすぎるグルグルの髪。黒いブーツ。やる気のないキャッチ。スクランブル交差点。電光掲示板。眠らない街東京。愛してる。