宝塚「ベルサイユのばら フェルゼン編」みたっ!


 東京宝塚劇場にてベルサイユのばら見てきました。二十年以上前に漫画ベルサイユのばらを手に取って以来、大大大好きな作品…。オスカルとアンドレももちろん大好きですが、とりわけ私はマリーアントワネットとフェルゼン伯爵!!!!この二人!!!
 二人の美しくて切ない関係性に魅了され、マリーアントワネットや激動のフランス革命に関連する書籍は結構読んできました(*'▽'*)へへ

 いつか宝塚のベルばらを絶対見たい!!それもフェルゼン編が良い!!と思いながらも2014年以降は公演がなし…。そして私は数年前に東京も兵庫も遠い離島へ移住してしまったためにこのまま見果てぬ夢になるのかしら( ;∀;)と思っていたところ、なんと!!!!!本年10年ぶりに開幕とな!!!しかもフェルゼン編!!!!!

 これは絶対行かなければならないと、血と涙の滲む努力で夢のチケットを手に入れました…。
 いやほんとにチケット取るのがめちゃめちゃ大変でした。10年ぶりの大人気演目+フェルゼン役の雪組トップスター彩風咲奈さんの退団公演ともあって超超プレミアチケットだったそうです。前売り攻略方をたくさん調べたのですが、ぶっちゃけ調べれば調べるほど「これ無理じゃない…?」と思いました。三人辿ればアメリカ大統領と繋がれるなんて言いますが、「この公演のチケットを手に入れるのと、池田理代子先生とお知り合いになるの、どっちが難しいのか」と母と語り合いました。どっちもむりぃ!
 そんなこんなでチケット取れたときは叫びました。多分あの日島で一番大きな声出した人だと思います。チケット取れた喜びの余韻がすごすぎてその後一週間くらいずっとニヤニヤしてました。

 そしてついに先日!!夢の日が訪れました。
もうほんと〜〜に素晴らしくて、素晴らしくて…。宝塚は人生二度目の観劇でしたが、やっぱり大好きな作品で思い入れがたくさんあるせいか、終始感動しっぱなしでした。瞬きも惜しい。呼吸も忘れる。圧倒的な美しさと非日常…まさに夢の世界。マダムたちがハマるのもよ〜〜く分かる!!!!
 夢から覚めきってしまう前に、感想いっぱい書こうメモです🌹🌹🌹ネタバレ注意でごわす

 ※純粋に気になったところや疑問も書いております。宝塚初心者が何言ってんでぃ…(#`ω´)ってなるかもしれないですごめんなさい。ご教授いただけたら嬉しいです〜!


🥀🥀🥀


 フェルゼン役の彩風さん、立ち姿がとっても美しくてこれがトップスター!!ってなりました。オーラがすごい。薔薇背負ってる。歌声も美しい。貴族の衣装めちゃくちゃ似合う……
 最初の登場でお人形持ってたので、「まさか…ルイ17世がフェルセン伯爵の子供だったのではないかという噂についてのメタファー…!?」と思ってびっくり&大興奮してしまったのですが全然違いましたσ(^_^;)
 個人的にあの人形の演出はちょっとなあ〜と思っちゃいました。指輪だと舞台映えしないから?今までの公演も同じく人形が出てきたのか気になります。今度見てみよう。

(9/22追記※↑こちらのステファン人形、ずっと使われていた演出だそうですね。伝統は大事です!大変失礼しました)


 マリーアントワネットとフェルゼンの運命の出会い、そしてオスカルと初対面する仮面舞踏会のシーンも素敵でした。周りの貴婦人たちのドレスも華やかなこと。アントワネットが登場するまで歌ってた方がすごい上手でびっくりしたんですがどなたでしょうか…。
 この仮面舞踏会のシーン、アントワネットもフェルゼンもフランスという異国で孤独を感じていて、そこで共鳴し合ったというふうに描かれてて「たしかに〜!」ってなってしまった。

 原作ではお互い一目惚れ感があるし、ふたりが仮面舞踏会で出会ったことは事実でも、どんな会話をしたのか・どんな雰囲気だったかまでは史実に残ってないんですよね。だからもう端折って勝手に「二人は愛し合う運命だったんだ!」って盲目的に思い込んでたんですが、お互いフランスに来て初めて寂しさを分かり合えた相手だったのかぁとスッと腑に落ちました。
 そらそうだこの時の二人はまだ18才。故郷から離れてるのはやっぱり寂しいよね…。私なんかもう30過ぎてるのに全然ホームシックになってます。平民なのでしょっちゅう実家に帰れるけど、アントワネットは王太子妃。帰りたいなんか言えないよね(T . T)
 離れてる時間も多かったけれど、二人の関係がずっと続いたのはやっぱりこのうら若き日に出会ったのも大きいんだろうなあ〜と気付かされました。幼馴染…というか、最初に入社した会社の同期…というか。(ちょっとちがう?)戦友?同志?愛の根底にはそういったのもあったのかもしれませんね。

 オスカル、アントワネット、フェルゼンの三人の原作絵がステージに上がったときは心の中で拍手喝采。理代子先生の絵だいすこすこ(*^_^*)
 アントワネット役の夢白あやさんの儚さと美しさ…。そしてオスカル役朝美絢さんの遠い席からオペラグラスなしでもわかる圧倒的な造形美!!!!人間???本当に作画が池田理代子先生のオスカルそのものでした…。芸術品みたい。神様の作った宝石。

 個人的にはオスカルとフェルゼンがもうちょっと仲良くしてるシーンが欲しかったかなあって思いました。オスカルがフェルゼンに惹かれた理由も弱め。フェルゼンが現トップスター、オスカルが次期トップスターなら尚更二人が語り合うシーンがあっても素敵だったのでは?と僭越ながら…。
 二人のシーン、喧嘩別れみたいになって終わるのが結構切ない(ノ_<)

 ただ、フェルゼンがアンドレを励ますところはいいなあって思いました。忘れてたけど二組ともに【身分違いの恋】なんですよね。うぅう美しい( ;∀;)
 励ますのはいいんですが手紙で「アンドレがお前のこと愛してるってよ!」って書くのは笑っちゃいましたwwバラすなww
 オスカルとアンドレが愛し合うシーンも素敵でした。すごい!!あのシーンだけ朝美様が「娘役」になってて感動。宝塚に於いてオスカルってすごい難しい役だし、だからこそ人気演目なんだろうなあって納得。なんで10年も公演がなかったのか全然知らないんですが、もしかして神聖なものになってるとか…?

 第二幕冒頭の市民たちの群舞もかっこよかったです!レミゼラブルっぽい!息のあった迫力あるパフォーマンスはさすが宝塚と唸らされました。美しさ華やかさに見惚れがちですが、些細な所作や演出に隙が無くて完璧だなあと改めて思いました。


 ただぁ!私的に納得いかなかったのはチュイルリー宮殿でのルイ16世とアントワネットのシーン。

 フランス王妃として至らなかった点を反省するアントワネットが「国民に向かって『パンがなければ〜〜』といってしまった…」って言うんですが、原作のアントワネットも言ってないんだよ〜〜(ToT)!!!!!
 今でこそ「実際は言ってなかった」と正しく流布されてるかの有名な台詞ですが、漫画の中でも言ってないのだから舞台でもいれないで欲しかったかなあ〜。
 文学や芸術に造詣が深い宝塚ファンの皆様も違和感は感じたんじゃないでしょうか。いや、原作でも史実でも言っていない言葉と分かりきってるからこそ、ライトに分かりやすくするために入れたのかな〜?モヤモヤ。
 あとルイ16世に「フェルゼンと関係を持った理由」を「寂しかったのです」の一言で片付けてしまうのもウーン。
 確かに冒頭に書いた通り、仮面舞踏会ではお互い「寂しい」という共通点があったと思うのですが、「寂しいまま」関係が続いてたというのは…全然違う…。
 フェルゼンと恋に落ちたことによってアントワネットの「寂しさ」は紛れたはずなので、寂しいから別れられなかったの〜みたいな不倫っぽい言い回しは結構嫌だったなあ(#`ω´)プン

 と、ちょっとモヤったとこもありましたが、アンドレとオスカルの最期のシーンは号泣してしまいました。分かっているのに号泣…。
 母が一幕終わった後に「アンドレ役の人かっこいい〜!(〃ω〃)」と言っていたので、二幕からオペラグラスでじっくり拝見したのですがほんとかっこよかったです…!イケメン…!ときめき

 バスティーユのシーンも圧巻でした。音楽も素晴らしくて…。ロザリーや衛兵隊達はオスカルの死に悲しんでるけど、民衆たちはバスティーユが陥落したことに喜んでる。そらそーだ。歴史が変わった瞬間。
 だから音楽も悲壮感があるものじゃないんですよね。結構明るい。
 最初に先頭で踊ってるオスカル様も素敵すぎました。もう一回観たいよお

 そしてラストのシーンも素晴らしかったです!
ぶっちゃけメルシー伯と人形のシーン、あとはロザリーとベルナールがやたらアントワネットにスープを食べさせようとするとこはちょっと尺使い過ぎな感じがしたのですが、断頭台に続く真っ白い階段を登っていくところが本当に素晴らしかったです。後ろ姿に悲壮感はなく、王妃としての気高さ崇高さがビシッと表れていて眩しかったです。
 そんな立派に死を臨むアントワネット様と対照的に落ち込むフェルゼン。フェルゼンはもはや「王妃として」なんかいらなかったのよね。ただただひとりの女性として愛していたのだから…。

 フィナーレも素敵だったなあ。美しすぎるラインダンス!!!「セラビ・アデュー」も神曲ですね。
 あーもう一回みた〜い!!!(ToT)


 観終わった後、やっぱり「ベルサイユのばら」の主人公はあくまでオスカルだなあ〜って改めて思いました。私が一番好きなのはフェルゼンですが、それでもやっぱりオスカルは圧倒的に存在感があって目が離せない!主人公だから当たり前です。

 「宝塚の男役」が「オスカル」そのものだよね〜なんて母と語り合いました。ずっと男として生活してきて、だけど心は女、愛し愛される喜びを知りながらも(=たくさんの役を演じて)、最後は男として死んでいく(=退団)…。あんだけフェルゼン編が見たいと騒いでいた私ですが、退団公演はトップスターにオスカル演じてもらった方がいいんじゃないの〜!?なんて話をしてしまいました。
 私としてはフェルゼンにスポットを当ててどうやって物語を切り込んでいくのかな〜?とずっと気になっていたので、なるほどこんな感じなのねー!と知れてよかったです。昔のフェルゼン編も見たいなあ。ストーリーは同じなんでしょうか。

 あと個人的にジャンヌ役の音彩唯さんが超超よかったです!!声色が鮮やか!!!すごい!!意地悪で賢くて、でも美しくて色気がある、めちゃくちゃジャンヌ!!!もっと見たい!!!
 彼女の聖女も見たいなあ〜。帰省のタイミングがあったらまた雪組公演絶対観に行こうと思いました(*'ω'*)

 長年の夢だった宝塚ベルサイユのばら〜フェルゼン編〜最高に面白かったです!!!🥀🥀しあわせ。

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