戦時下のウクライナを一週間旅行した話🇺🇦(首都・キエフ編)
※2023年9月18日執筆現在、ウクライナ全土に外務省渡航危険レベル4(退避勧告)が出ています。今回の記事は当該国/地域への渡航を促すものではなく、仮に人命に関わる事象が発生しても責任は負いかねますのでご承知おきください。
※ 前置きを飛ばしたい方は、4.の【本題】からどうぞ!下の目次から飛べます。
1.はじめに
「なんで戦争してる国なんかに行くの?」
ブログを開いた誰もが抱く感想だと思うが、私の答は一つ。
「Тому що я закохався в Україну.(ウクライナが本当に好きだから)」
自国以外の、「推しの国」は誰しもあると思う。フランスだったりアメリカだったり。
私はそれがウクライナだった。それもかなりの熱量で
過去に29カ国を訪れた私が言うのだから、間違いなくそれほどの魅力があると自信をもって言える。
このブログではその思いの丈を可能な限り言語化していきたい。
長い記事ではあるが、自信作なので気楽に最後まで読んでくだされば本当に嬉しい。
では、スタート!!
2.渡航にあたって
前回(2023年1月)は東欧の小国モルドバから陸路でウクライナの湾岸都市オデッサに向かったが、今回は中欧のポーランドから夜行列車で首都キエフを目指す!
前回作はたくさん読んでくれてありがとう!
Ⅰ.発券方法(航空券・実費3万!)
❶・ZIPAIR NRT🇯🇵*⋆✈︎MNL🇵🇭
❷・カタール航空 マニラ/MNL🇵🇭*⋆✈︎DOH🇶🇦*⋆✈︎ウィーン/VIE🇦🇹
❷・カタール航空 ブカレスト/OTP🇷🇴*⋆✈︎DOH🇶🇦*⋆✈︎マニラ/MNL🇵🇭
❸・JAL(日本航空) MNL🇵🇭*⋆✈︎HND🇯🇵
ZIP(❶)は有償で1.5万、カタール航空(❷)はJL特典提携発券で燃油費1.4万(+55000JALマイル)、JAL(❸)の帰国便は単独で燃サ免除の海外発券をして3310円(10000JALマイル)。
現金での手出しはなんと約3万円。狂ってる
海外旅行は、高くない!
Ⅱ.ヨーロッパ域内の移動
前回のブログにも書いたように、現在ウクライナ国内はすべての空港が閉鎖されており、入国は陸路に限定される。
今回はウクライナとの国境に程近いポーランドのPrzemysl(プシェミシル)からウクライナ国鉄の夜行列車に乗ってキエフ入りする計画を立てた。
ウクライナ国鉄のチケット購入にはいくつかの壁が存在するため、詳しくはこの記事を参考にされたい
ウクライナ国鉄(Укрзалізниця)のホームページは日本からのアクセスをブロックしているのでVPNでEU圏の回線にしてからアクセス。
(リヴィウ入りの際利用したÖBBオーストリア国鉄のウクライナ直通夜行列車は、ウクライナ回線以外ではNot Available表示で購入することすらできなかった)
余談だが、ウクライナ回線への接続手段を持つことにより、欧州CL,EL,ECLや英PL、ラリーガ、ウクPLなどを月額667円で見れるようになる!
日本は各国サッカーリーグの放映権の熾烈な奪い合いが起きており、ファンはそれぞれ別途契約する必要がある。以前までの私は3社(DAZN,SPOTV,WOWOW)契約しており総額5800円/月、1年にすると7万ほど払っていたが、これからは8000円/年 で済むようになる!
ただ解説はもちろんウクライナ語。私にとっては勉強になるのでちょうどいい( ^_^)/~~~
Ⅱ.ウクライナのリアルタイムな状況把握
①Air Alert(Повітряна тривога)
ミサイル(空襲)警報等の重大な情報を知らせてくれる。(かなり怖い音なので入国までは通知OFF推奨)
②Telegram
Telegram(旧ソ連圏で主流のSNS)でウクライナ政府公認の公式アカウントを追加しておくとリアルタイムな情報を入手できるので多少安心感があります。メジャーどころはこの3つ[🔗NOW(https://t.me/UkraineNow), ゼレンスキー大統領(https://t.me/V_Zelenskiy_official), Служба(https://t.me/SBUkr) ]
③ISW(米シンクタンク戦争研究所)
独自の情報網や衛生画像などの解析から毎日戦況の情報を詳細に解析している。よほど前線の地域に行かない限りこの情報が直接的に役立つことはないと思うが参考までに
🔗 https://twitter.com/TheStudyofWar
④Visit Ukraine
戦争中にも関わらずウクライナを旅行しようとする異常者のためだけに存在するサイト。隣国スロバキアから飛行機で行けるような謎のアピールをしているが、当然国内の全空港は封鎖されているので空路では入国できない。
3.旅の序章
■9/7(ウィーン🇦🇹→リヴィウ🇺🇦)
まずカタール航空でウィーンに降り立った当日中に陸路でウクライナへの夜行列車に乗り込んだ。
Vienna Hbf🇦🇹16:42→Lviv🇺🇦8:20 ⁺¹
[ÖBB Express Train 40149] €68.40
本筋は首都キエフの話なので長くは書かないが、今まで行った海外の50都市?のなかでも上位3本の指に入るくらい好きな街だった。
街中は戦争をやっていることを一切感じさせないような雰囲気で少し驚いたが、このブログのサムネにもなっている教会の中では涙を流す人や親を亡くした子のコメントなどがあり心動かされてしまった。
ここでまる二日間過ごし、話は9/9早朝に飛ぶ。
■9/9(リヴィウ🇺🇦→ヴロツワフ🇵🇱)
ここから首都キエフに行くことも可能だが、、、
なんとサッカーのEURO予選ウクライナvsイングランドが第三国ポーランド・Wrocław(ヴロツワフ)で行われることになったので観戦に行くことに!
ミサイル攻撃などの懸念により、現在ウクライナ全土では午前0時~5時までの間は外出禁止令が毎日発出されている。
それも考慮して、キエフから来た朝5時10分リヴィウ発の列車を選択。
宿泊先は4時台に出発したものの、仮にポリーツァ(警察)に止められてもチケットを持っていれば連行されることはないそう。
Львів🇺🇦5:10→ PRZEMYŚL🇵🇱6:23
[Укрзалізниця 715 К ] 2等車 362,45ГРН(≒1430円)
1時間の時差があるので2時間の乗車、プシェミシル駅でポーランド国鉄に乗り換え
このプシェミシル駅、海外のネット上で「恐ろしく厄介」とか書かれてたが前評判通りだった。
❶駅構内にイミグレがあるが、極度の人員不足により通過に1~2時間かかる
❷国内路線とウクライナ行きでホームがかなり離れて(武蔵小杉のJR-東急くらい)いてキャリーをもっての移動がしんどい
もともと50分余裕をもって7:12prz発のポーランド国鉄を予約していたが2時間の遅延があり普通に間に合わなかった為10:02に無料で変えてもらった(2等が空いてなくてファーストになったw)
ウクライナ国鉄、国内区間は時間に正確だが、国境を挟む場合は覚悟が必要
Przemyśl Główny🇵🇱10:02→Wrocław Główny🇵🇱 16:48
[PKP(ポーランド国鉄) IC56] 2等車 73.95zł(≒2600円)
ウクライナ国鉄とポーランド国鉄を乗り継ぎ、10時間かけてポーランド入り。後者は秒単位で正確にヴロツワフ到着
さて、スタジアムへ!!
お目当てはもちろん、私の推しのウクライナ代表FWムドリク!
彼はハルキウで生まれ、国内の強豪シャフタール・ドネツクを経て昨シーズン182億円(£75M+アドオン£25M)もの移籍金でイングランド1部・チェルシーに移籍した超大物選手。この移籍金の一部(約45億円≒£25M)はウクライナ東部マリウポリの救援基金に寄付されたそう。チェルシーの元オーナーはプーチン大統領と関係が深かったとされるロシアの新興財閥「オリガルヒ」のアブラモビッチ氏だったので、莫大なロシア資本の一部が間接的にウクライナに流れたことになるのがまた面白い、、、w
因みにシャフタールの本拠地ドネツクは親ロシア地域(ドネツク人民共和国)と称してロシアが一方的に領土を主張しており危機に瀕している為、このクラブは長らくホームタウンから離れて、いわば疎開状態で活動している。過去にはELで優勝したり、あのレアル・マドリード相手にCLでシーズンダブルしたり(2020年)など輝かしい実績のある超名門クラブ。三笘薫効果で一躍有名になった、現ブライトンのデゼルビ監督も露侵攻によるリーグ戦中断までは1年間シャフタールで指揮をとっていた。本当に、一刻も早く平和なドネツクで試合ができるようになって欲しい。
https://www.football-zone.net/archives/370348
さて、スタジアムへ!!!!!!
相手はあのイングランド代表。メンツがもう凄い
結果は1-1のドロー決着!
あのスター軍団相手に価値ある勝ち点1でユーロ本戦出場圏内の2位をキープ。ウクライナサポーターとも一緒に盛り上がれて最高の1日になった。
そしてなにより生でムドリクを拝めて感無量だった。
言葉にできない喜びだった。
国際AマッチウィークでEURO予選や親善試合が各国で行われており、日本代表もヴォルクスブルクでドイツ代表と対戦するみたいなのでMEGOGOでみた。(DAZNはVPN対策がされれているため海外からだと視聴可能コンテンンツが制限される
■9/10 首都キエフ入り前日
ヴロツワフの宿を出発し鉄道で国境付近の都市まで移動。
PKP(ポーランド国鉄) IC8304
Wrocław Główny🇵🇱11:40→Przemyśl Główny🇵🇱18:21
73.95ズロチ(≒¥2627-)
再びプシェミシルに到着
夜飯は謎のポーランド料理!
イミグレが並ぶと聞いたので2時間前にきたところ、、、
幾分待っても開かない!!
結局出発30分前にゲートが開いた。ウクライナから来た乗客を捌くのに時間がかかっていた模様。
ここで一悶着。
私のパスポートをみるなりOh!といってパソコンをカタカタ。
5分待たされたのちなんと指紋を採取された!!!
まじ?EU出国ごときで指紋採取!?!?
多分義勇兵とかになった際日本政府から情報求められた時に差し出せるようにか単純にこのご時世にウクライナいく危険人物としてマークされたかのどちらかだろう。いずれにしても実害はないのでおとなしく従った。
[716 Л ウクライナ国鉄(Укрзалізниця)]
Preznysl🇵🇱23:30→Kyiv🇺🇦9:55 ⁺¹ (9.5H)
Укрзалізницяの発音はウクルザリズニツィア。
ポーランドのプシェミシルからウクライナ国鉄に乗り込み10時間の長旅。
岸田首相は一つ前のЖешув(ジェシュフ)駅から乗って入国したらしい。
参考程度にPreznysl-Kyivの値段(1грн≒4円)
寝台 : Sleeper D 2237грн. / Sleeper C 1904грн.
夜行(座席タイプ) : S1 1496,43грн. / S2 1043грн.
4. 【本題】ウ ク ラ イ ナ 首 都 ・ キ エ フ 滞 在
■9/11 ウクライナ1日目(キエフ)
1時間20分遅れで、ついに首都キエフに到着!!!!
まず異国に来てするべきは通信電波の確保である。
当然、ahamoのローミングやポケットwifiといったものはウクライナでは使えないので現地のsimを購入。実は最初に行った都市リヴィウ中心部の、Kyiv star路面店で調達していたので、もう一回これを刺せばネットに繋がった。
購入したのは"LOVE UA Пісня"プラン。
月額200грн(≒800円)で国内25GB,海外ローミング(27カ国対応)5GB,通話250分,ウクライナ軍への寄付金まで含まれている。世界中見渡してもここまでコスパのいいSIMはないと思う。
楽天の三木谷社長も私とほぼ同時期にウクライナに来ていたらしいが、楽天モバイルも逆にkyiv starを色々と見習って欲しい。
日本でいうsoftbank docomo au的存在がKyiv star, Life cell, vodafoneの3社で、ウクライナ三大キャリア!と私は勝手に呼んでいる。キエフ,オデーサ,リヴィウあたりの主要都市&その近郊であればKyiv star一択、訳わからん田舎や長距離列車内でも使いたい場合はLife cellって現地人が言ってた。
ちなみに海外ローミングは私がウク出国後に行ったポーランド、ドイツ、イギリス、ルーマニアでは全ての国で現地回線に接続できた。
ヨーロッパ旅行前にクソ高いグローバルWIFIとかを借りるくらいなら、ウクライナに先に行きKyiv starのSIMをゲットし節約をしよう!
(2023/10/6追記)
※超絶朗報
先日ahamoの海外ローミング対象地域にウクライナが追加された!
これでSimを現地調達する必要があるヨーロッパの国はベラルーシ、アルバニアくらいになったのではないだろうか。便利な時代だ。
昼は大通りに面するバーガー屋に入った。
しばらく街歩きしたが、、
まず、街ゆく人が全員スラブ系白人なのが素晴らしい。
そしてウクライナ人は総じて人当たりがとてもいい。ウク語ロシア語英語ごちゃ混ぜの言語を話す謎の極東人に対してもあの優しさを見せられる寛大な心はどこからくるのだろう。
また私がヤポーネチ(日本人)だと言うと心からの笑顔を見せてくれることが多々ある。他の国では金をたくさん落としてくれる~^^のようなものを感じるがウクライナはそうではない。私がウクへのリスペクトを意識して話している部分はあるがそれ以上に日本に対していい印象を持っているのだろう
海外旅行の四大ストレス
1.変なやつに絡まれる(大概金目当て)
2.うるさいアジア人観光客(大抵中国人)
3.(私はまだないが)人種差別をうける
4.窃盗やスリに警戒しなくてはならない
この上記4つの懸念をウクライナでは全くと言っていいほど感じることがない。
もともと社会主義国家だから…とも思ったがグルジアやアルメを見ると決してそれが要因ではないと感じたし、ウクライナが独自に醸成させた文化なのだろう。(元々あったが戦時下になり外国人が入ってこなくなったことで消滅した可能性はある)
知り合いに聞くところによると、戦前はインド人が留学目的で大量に来ていたらしいが今は全員帰ったという。何千回も言ってるけどインド人は世界で最も民度が低いと思ってるので一生自国から出ないで欲しい。関わると100%気分を害する。マジで
日本では、インド旅行は人生観が変わる!やインドカレー美味い!ITが云々~!とかいうデマが吹聴されており謎に好感度が高いが完全に騙されている。
そもそもカレー屋はネパール人がやってる店の方が総じて美味いしモディ首相も先日の一件(突然の国名改名騒動)でキ⚫︎ガイっぷりが世界にバレかかっている。
そもそもBRICS加盟でロシア寄りの野蛮な国がウクライナという崇高な国と関わらないでほしい。
話がそれた。
そのあとはオリンピスキスタジアムへ!
ウクライナを代表する競技場で、先述した名門サッカークラブのシャフタールドネツクや、そこそこの強さのディナモキエフの2クラブのショップが併設されている。しかし楽しみだったシャフタールのショップは現在閉鎖中とのこと。泣いた。
サッカー関連で。
日本の設定を持つbet365のアカウントはVPNを使ってもアクセス拒否。
キエフ地下鉄や街中の広告の半数を占めるウクライナ国産ギャンブルサイトVbet を使えということでしょう..
こちらはウクライナの食糧庫みたいな巨大スーパー。
グリーンアップルは1個20円台だった。神。
1月に行った親露派支配地域・沿ドニエストル共和国産りんごの7円/1個には及ばないがそれでも首都でこの価格は凄い
そして1泊だけするホテルに到着。
これまでずっと複数人が同室のドミトリー泊や夜行列車で夜を過ごすことが多かったので個室で嬉しい。
だけにとどまらなかった。
なんとプライベートプール付き!!!!
これでお値段4000円台/1泊なのでバグってる
ロンドンなんて5000円払っても奴隷船(20人部屋)みたいな宿しか出てこないのに。これは今思い返してもやばかった。逆にもう一回泊まりたいまである
話をウクライナに戻して、、、
1日目の最後はキエフ地下鉄を紹介したいと思う
運賃は基本的に8грн.(≒28円)
開戦直後は避難先としてメディアにもよく出ていたキエフ地下鉄ホーム。
ちなみに(世界でも)一番深いのはАрсенальна駅、地下105m(B30階相当)
核攻撃されても耐えるらしい(すげー)
戦前に書かれた日本語の記事ではチャージ式の"スマートカード"がおすすめさてていたが今はほぼ全ての駅でクレカのタッチ決済が可能である
クレカがある程度使えるとはいえ現金が全くないのは怖いので、現地のATMからキャッシュをゲット。
マルイのエポスカードやセディナの海外キャッシングは比較的手数料が少なく済むらしく、これを利用する人が多いようだが、私はRevolut(イギリス発の金融サービス)の残高から引き出す。F欄すぎて利息返済の仕組みとかよくわからないし。
まず、ОЩАДБАНКのATM(三井住友みたいな深緑色)は絶対に使ってはダメ。27.43грнが金額に関わらず手数料で引かれる。приватбанкの路面店内のATMが手数料無料なのでそこ一択。
■9/12 ウクライナ2日目(キエフ/ブチャ)
今朝は空襲警報はならずに爆睡できた。
三木谷社長はTwitterで「何度も空襲警報アプリ凄い音で鳴り続け寝ることはできませんでした。」とかいってたが、、まあお偉いさんなんてそんなもん
朝食は指定した時間に運んできてくれた。
おいしー!
※写真は若干閲覧注意
さて、2日目はキエフ近郊の街ブチャへ。
日本でもかなり報道されていたが、この町では8000人を超える民間人が残虐な手段で殺された。
ブチャという街はキエフの中心地から28kmほどしか離れていなく、日本で例えるなら新宿-八王子、大阪梅田-神戸とほぼ同じ距離。
東欧のごくごく普通の都市で、私たち日本人と同じような一般の人たちが、ある日突然隣国の人によって虐殺される。
(日本語で書いたら生々しすぎたのでここだけ英語)Some were shot to death after their arms were tied and beaten repeatedly; others had their eyes gouged out and were beheaded before being dumped into a drainage ditch.
And one man had his male genitalia cut off and his body also cut in half.
どれも想像を絶するで残虐な行為だが、最後に至っては子孫を残せないようにする(=未来永劫ウクライナ人という人種を根絶やしにする)という明確な意志がある完全なジェノサイド。
同じ21世紀を生きてる人間がこんな惨い所業をしているのが信じられない
、、、、、
さて、私もそのブチャに到着した。
バス(395番)を降りて最初に飛び混んできた景色は、無惨に破壊されたスーパーマーケット、数多の銃跡が残る民家だった。
ここからしばらく歩いたところにあるレストランで昼ごはんにした。
ここ最近の海外旅行で食べた飯の中で一番だったかもしれない。
めちゃくちゃ美味しい。
街中で流れる空気はどこかゆったりしていた。しかしわずか1年前、ここでは想像を絶することが起こっていた。
ブチャ市内の教会へ。
惨劇の中で亡くなった方全員の名前,生年月日,日が刻まれている。その中には自分とほとんど歳が変わらない人の名前も数多くあり、いろんな感情が心の底から湧き上がってきた。しばらく立ち尽くしてしまった。
ブチャ随一の景勝地
yablonska street
今ではすっかり綺麗になっているが、開戦直後ここでは民間人が鎖で繋がれてこの奥にある病院の裏に連れて行かれ虐殺された。死の通りとも言われている
少し(相当)暗い気持ちで中心地に戻る。
今日から滞在するアパートの入り口
部屋!すげー
キエフ夜間徘徊
国内でも海外でも、キラキラパリピシティは目眩がするので旧ソ連圏の雑然とした雰囲気の街が本当にすき。政治的なことは置いておいて、東側諸国は偉大だ…
帰ってきたらアッズーリvsウクライナをMEGOGOで観戦!!!
■9/13 ウクライナ3日目(キエフ)
余談だが、ある日適当にエゴサしていると、私のブログを引用する形でトンデモ陰謀論を唱えるサイトをみつけてしまった。(騒乱とか茶番とか言い回しがいかにも..w)
詳細は敢えて避けるが、twitterではこの記事が1.8万件閲覧、413RTされていて複雑な気持ちになった。
今日の昼飯は独立広場の地下にあるという謎深きレストランへ
警備員に聞いても不自然にはぶらかされたので30分かけて探し、ようやく入り口らしきところまで辿り着いた
「あなたがこの扉を開けたなら、この先あなたはずっとウクライナと共にあります。いいですか?」
オフコース!と答えると誰もが驚く仕掛けで扉が開き、お店が姿を現した。
ネタバレは敢えてしないがウクライナの歴史をあの手この手で深く学ぶことができる素敵なレストランだった。
この体験に加えて肝心のご飯も美味しく、大満足だった。
曜日限定定食が800円くらい。私はこれにボルシチをつけた。
ブチャに続き、今回は飯の引きが強い..!
そして今回の目玉?イベントであるハマムへ!
キエフ地下鉄1号線の終点ドニプラ駅から北へ15分ほど歩くと、サッカーウクライナプレミアリーグに所属するObolon-Brovarの本拠地スタジアムがあり、その向かいにある。
しかし本当にアパートの中にあるので普通に通り過ぎてしまった
うおおおおおおおここが!!!!!!!!!
設備はサウナ、マッサージルーム、水風呂、シャワー、TV(MEGOGO,ネトフリ視聴可能)など。勿論貸切。
料金は400грн./30分
だいぶ高級な部類に入るが、ギャンブルで買ったお金が入金されたばかりなのでオールオッケー!
ただ英語はほとんど、、ではなく全く通じないのでウクライナ語もロシア語もできない人は本当に行かない方がいい。
立地的にも観光客を向きではないし、本当にジモティーが集う場所なんだろうと感じた。ただ個人的なそういう場所こそ訪れる価値があると思うし、そのために英語以外の言語を習得する意義が存在すると思う。
ウクライナ国鉄のショップ
かの有名な独立広場。
ここでも過去には色々な出来事があった..
※今から8年前、ゼレンスキーは政治風刺ドラマ「国民の僕」に主演。主演の彼は歴史教師であるがふとしたきっかけで、素人政治家として大統領に当選する。(←!?ww) 腐敗した政治界の中で奮闘する様をユーモラスに描いた作品で、同作はウクライナで空前の大ヒットを記録した。同作はYouTubeで全編視聴可能なので是非
今回でウクライナ訪問は2回目だけどやっぱり素晴らしい。身の回りの機器を全てAppleで固めている口が言えたものではないが、ここで某超大国などとなると、
・ありえないほどの物価高・世紀末な治安の悪さ
・の割にやたら厳しい入国審査(どう考えても自国民の方が危険でしょ)
・銃乱射事件が日常と化している無法地帯
・蔓延する差別主義者
・絶対にapologizeという行為をしない高いプライド
・日本の比ではない過激な陰謀論者の多さ
・野球至上主義
・どこに行ってもチップ必須
・引くほどジャンクフード信仰
といったようにどうしてもネガティヴな側面ばかりが想起されてしまう。自分がもっと頭が良くて筋肉があれば充実したアメリカンライフが楽しめるのかも知れないが、今の私にはウクライナが全ての側面からちょうどいい。東側諸国こそが至高の場所。
そんな場所を侵略者に奪われるわけにいかない。
4日目はКиев時間AM3時から8時間にわたってzoom上で某青い銀行のインターンがあるので早く寝た。
■9/14 ウクライナ4日目(キエフ)
未明3:40起床でインターンzoom参戦
日本から5000km離れても就活生である事実は変わらなかった。
ウクはキッチン付きのドミトリー(600円~)で自炊しながら旅行するのが最も節約できると思った。
多分アメリカで1日アルバイトした金で1ヶ月暮らせる
インターンではポーランドにいるという設定にしたらグループワークで思いのほか話が弾み、明るく積極的な虚像の印象を与えることができた
勝った
キエフ現地時間11時に終了。
出国の列車は20時なので最後に見たいところをぐるっと回った。
これからは再びポーランド入りし、UA Excursionist Perk利用でクラクフ空港からMUC(ミュンヘン🇩🇪)、OSL(オスロ🇳🇴)を経由してロンドンへ向かう。
(後述)
ロンドンではロンドンスタジアムでハマーズvsマンCを生観戦し、チェルシーの本拠地スタンフォードブリッジを訪れた。
ヨーロッパではフットボールという共通言語で人と熱くなれるのが素晴らしい。
これ以上ない、至高のスポーツだと思う。
5.さいごに
散々ウクライナを美化してきたが、全てを肯定するつもりは全くない。
どちらかというとウクライナなんて過去の歴史を顧みても「悪」よりの国だと思うし、開戦当初は皆が「ウクライナと共に💛💙」みたいなキャンペーンを始めたことに大きな違和感があった。(勿論いちばんの一番の悪者はプーチンではあるが)
元々財政難で汚職まみれ、核技術及び資金を北朝鮮に提供、そして無断転載で日本の7000億円規模の損害を出した「漫画村」のサーバーが置かれていたのも他でもないウクライナである。またある肉屋の店主がインスタ上で、クリミア大橋爆破で亡くなったロシア人の人肉でハンバーグ作ったぜ!(意訳)みたいな投稿を平気でする人も普通に存在する。所詮ロシア人と同じスラブ民族の片割れだし、どちらの国も大差ない、という見方もあって当然だと思う。
そもそも全てが完璧の国なんてどこにもない。
それでもウクライナ人は自分の国を誇りに思って母国防衛に文字通り命を捧げている。どの国よりも自国のことを愛しているように随所で感じるしその姿は容姿以上に美しいと私は心から感じた。
また私に対してあれほど暖かく接してくれた外国はウクライナが一番だった。
知り合ったウクライナ人から、「ここにくるのは怖くないの?」と何人かから聞かれた。
私は決まってこう答えていた。
「怖くなんかない。ただ、ウクライナがなくなった世界が、私は怖い」
これから戦況がどうなるかは未知数だ。
しかし、私が母国と同じ熱量で愛するウクライナが、どうか幸せなエンディングを一刻も早く迎えられることを祈っている。
СЛАВА УКРАЇНІ !!🖤🇺🇦
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?