ABC年次総会で、4つの新しいMMAポリシーを採択
ABC(The Association of Boxing Commissions and Combative Sports)が、8月1日、米国オーランドで開催された年次総会で、4つの新しいMMAポリシーを採択しました。
1.負傷判定の時点:現在は3ラウンド戦の第3ラウンド前、5ラウンド戦の第4ラウンド前に偶然の反則により試合が終了するとノーコンテストとみなされますが、新しいポリシーでは、中間地点(3ラウンド戦の場合は第2ラウンドの中間、5ラウンド戦の場合は第3ラウンドの中間)の後で試合が終わると、負傷判定になります(それより前に試合が終わるとノーコンテスト)。
2.グリーシング(ワセリンの塗布):ラウンド間のワセリンの塗布は、ライセンスのあるカットマン(オフィシャル)または許可されたセコンドのみ。
3.KOの定義:選手が知的〔意識的〕に自分自身を守ることができない場合、フィニッシュはKOと呼称するように変更されました(以前は、その決定は、レフェリーによって任意に行われていました)。KOとTKOの不一致を解消し、メディカル・サスペンション(試合出場停止期間)を適切に決定するために提案されたものです。
4.レフェリーが権限をもつ時間:レフェリーの権限は、試合前にコミッションのインスペクターがケージから離れるときに始まり、試合の終了後に彼らが戻ってくるときに終わります。試合終了後、インスペクターがケージに入る前に反則が発生した場合、試合結果はレフェリーの管轄下にあります。
これまではレフェリーが権限をもつ時間が明確ではなく、レフェリーは、試合終了後に結果の変更を要求することはできませんでしたが、新しいポリシーに従えば、例えば、ベル(ゴング)の後に何らかの極端な非スポーツマン的な行為があった場合、レフェリーは、ベルが鳴ったかどうかに関係なく、選手を失格とすることができます。
これらの新ポリシーは、MMAユニファイド・ルールの修正・変更ではありません。
また、日本における影響もあまり大きくはありません(今回のABCポリシーよりも前に、すでにルールが十分に整えられているプロモーションもあります)が、ルールブックに関連する規定があるならば、文言の修正・改正を検討する必要があるでしょう。