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小売業の企業価値を上げるには客単価をあげよう
たまには本業に関係ある話しをしようかと思います。
私はアパレル系の会社に約10年間勤めていました。
10年前と現在を比べると大きく変わったものが1つだけあります。
それはコスト(価格)の上昇です。
しかし、10年前と現在では、給料は全く変わっていません。
つまり、大きな震災もあり、最近ではコロナや円安と、小売業にとっては風当たりの強い時代になってきて、価格勝負のお店が増えてきました。
だからこそ、これからは価値の時代だと思います。
僕の考える小売業の価値向上に必要なもの、それは「客単価」これだと思っています。
売上向上に欠かせない「客単価」。昨今様々なコストが上がっていることにより、より客単価を意識していく必要があります。
今回は僕が業務委託で半年間入っていた会社で、客単価を1ヶ月で10%向上した事例を用いて解説します。
1、客単価とは
客単価とは、顧客一人あたりが一度の買い物で支払う金額のことで、企業のブランディングや売上アップに繋がる重要指標の一つです。
客単価は以下の方法で計算することができます。
客単価=売上金額÷購入者数
例えば、ある週の売上金額が100万円、購入者数が250名の場合、平均客単価は4,000円となります。
ここで一点注意すべきなのは、注文件数ではなく購入客数で割るということです。
2、客単価を上げるべき理由
売上を作る要素として、購入者数と客単価があります。長期的にみた場合、両方とも上げていく必要がありますが、まずは客単価アップを目指すべきです。
購入者数より客単価を上げる方が確実
そもそも購入者数と客単価はどのようにしたら上がるのでしょうか?
まず購入者数を上げるためには、多くの人に興味を持ってもらえるよう集客をしていくことが必要になります。
集客例)
・SEO対策で検索エンジンからの流入を増やす
・TVCMやInstagram、YouTube広告などで広告を出稿する
・SNSアカウント運用
・インフルエンサーにPRを依頼する
などがあげられます。
しかし上記のような方法は、多額の投資と時間が必要となり、資本力のある一部の企業のみが可能なことです。
また昨今はインフルエンサーに商品を提供し、PRをしてもらう手法が多くなっていますが、話題になるかどうかは運要素が強く、更に効果は一過性に過ぎません。
その一方で客単価は、以下のような手法で上げていくことが可能です。
手法例)
・セット販売や買い合せを提案し、クロスセルを目指す
・松竹梅の価格を用意する など
上記の方法は特に追加コストをかけずに行うことができます。更に、一度コツを掴んで仕舞えば再現性のある成果が創出可能になるのです。
3、客単価が上がった場合のインパクトが大きい
例えば月商10億、客単価5,000円、購入者数20万人の企業で、客単価が10円上がった場合を見てみましょう。
売上=200,000×5,010=10億200万円
上記の通り、客単価が10円上がるだけで月商は200万円もアップするのです。更に客単価が100円上がれば月商は2,000万円上がり、客単価が1,000円上がれば月商は2億円アップします。
つまり、金額自体は小さくても客単価が上がれば売上に大きく貢献することになり、購入者数よりも客単価を増加した方が月商の増え幅が大きくなるのです。
4、客単価を上げるための3ステップ
それでは1ヶ月で客単価を10%上げた事例を用いながら、システムなしでもできる客単価の上げ方をご紹介します。
①客単価分布を可視化して狙う単価層を決める。
まずはエクセル等を使い、各客単価ごとの売上と購入者数を算出しグラフ化します。グラフ化すると、1番売上を作っているボリュームゾーンを可視化することができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1670320129786-tz9wLtkKxw.jpg?width=1200)
ボリュームゾーンが分かったら、ターゲットゾーンを決めます。
上記グラフでいうと、ボリュームゾーンの次のゾーンとなる、8,000円〜10,000円がターゲットになります。
②ターゲットゾーンでよく買われる主力商品を販売促進
ターゲットゾーンが特定できたら、その客単価帯ではどのような組み合わせで注文されているかを確認します。
確認ができたら、特集ページの作成や写真の取り直し、レコメンドをし、販促を強化します。
③送料無料ラインを基準におすすめページを作成し誘導
送料無料ラインを基準に、基準から+2,000円以内で購入されたケースを洗い出し、合わせ買いに適したアイテムのランキングリストを作成します。
(本事例の企業では送料無料ラインが10,000円だったため、10,000円〜13,000円でリストを作成しています。)
そして、合わせ買いにおすすめのアイテムページを作成し、送料無料ライン未満のお買い物をしているお客様に対して「ご購入前にチェックしてみてください」と気に入っていただける率の高いリストをご案内します。
(アマゾンとかで買い物をすると、オススメに上がってきたりするような施策に似ています)
5、まとめ
まとめると、客単価とは顧客一人あたりが一度の買い物で支払う金額のことで重要指標の1つです。
客単価は購入者数を上げるよりも追加コストがかからず、上がった時のインパクトも大きい。だから私は客単価の向上をお勧めします。
価格で勝負すると必ず限界がきます。
ですので、値下げをするのではなく、適正価格で、いかにお客様に今まで以上に購入いただけるか。ここが大事です。
様々な指標がありますが、客単価向上は今からできます。
なので、私と同じアパレル(ファッション)系や、その他小売業、サービス業にお勤めの方はぜひ参考になればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。