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「まちがいを体験させよ」を試してみたら「わざと間違えてみせよ」を編み出した@育児

 私がnoteで発信しよう〜と決めたばかりの頃、「何かの役に立つかもしれないから読んでみたら〜?」と夫が貸してくれた本。それが

玉樹 真一郎著「『ついやってしまう』体験のつくりかた 人を動かす『直感・驚き・物語』のしくみ」だった。玉樹氏は、元任天堂の企画開発部の方。

で、読んでみた。めっちゃ面白い。通勤時間も隙間時間でも読んで、二日くらいで読めちゃった。

読んでみて思ったのは(読む前から思っていたけど)、これ育児に活かせないか?ということ。

子育て中の方ならもう当然ご存知なことだけど、親の思うように子どもの行動を完全にコントロールするなんてできない。子どもは一人の意思のある人間なのだからあたりまえ。

あたりまえなのだけど、お出かけの時はさっさとご飯を食べて欲しいし、風呂上りはいつまでもパジャマを振り回していないでさっさと着てほしいなぁと思う。なので、できれば無理やりやらせるのではなくて「ついやってしまう」で、楽しくできればお互いストレスなくていいなぁと思ったのだ。

本はめちゃくちゃ面白くて納得できたので、実際育児にどうにか落とし込めないかなーーーと思ったのだけど、これがなかなか一筋縄ではいかない。ゲームに引き込まれるにはゲームを作った人の、このプロの技がたっくさんあるのだ。それがそんな単純なものではなく、すごく奥が深かった(当たり前だ)。本編のこの素晴らしい知識を一体どうしたらいいのか…私は豚に真珠の豚だった。

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 しかし、私は小さな突破口を見つけた。玉樹さん自身も、自分のお子さんへこのテクニックを使って成果を上げたことがあったらしい。それはもう本の最後の最後にあった実践編にて。お子さんの歯磨きについてなのだが

完全に飽きてしまっています。問題は「効果が感じられない」ことと「飽きている」こと。これらを解決するためには、誤った方法で歯みがきし、普段の歯磨きの効果を実感することが必要だと考えられました。1)

そして、柄の部分で歯を磨いてみせたところ

子どもたちはよろこんで柄の部分に歯磨き粉をつけ、口の中でカチャカチャ音を立てながら「まちがってる!」とひとしきりよろこんだあと、ちゃんと歯磨きしてくれました。2)

と。

このことを、先日、朝ごはんを食べようとしない娘を目の前にして急に思い出したのだ。

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イスにかろうじて座っているもう娘は、すっかりやる気を失っている。しかしほんのちょっとしか朝食は減っていないから、普段の娘からするとまだまだ食べられるはず。本人の様子からも完全に「ごちそうさま」したいわけじゃない。しかし食べない。

 疲れているときや出かける時間が迫っているときは「もぉ〜早く食べてよ〜」とイライラした口調で言ってしまう。そして娘がそのイライラに反応して「もう食べない!!」私「早く食べて!!」みたいな言い争いに発展しがち。

 しかしその日は私に何かが降ってきた。ヨーグルトを掬ったスプーンを口の前にもっていくと娘はちょっとクチを噤んで「イヤッ」と小さく言う。よし、ここで玉樹氏の「まちがいを体験させよ」の出番だ。

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 スプーンの先をわざと娘の額の付近に持ってきて、「あれっここかな?」とやる。娘は「そこじゃないよう、ココ」と言いながらクチを開ける。

しかし私は更に「ん?こっちかな?」と言いながら頬の近くにスプーンを動かす。娘は笑いながら「こっちだよう」とクチを開ける。

ようやく私「あーここかぁ」と娘のクチにスプーンを入れる。2回目からは初めから口を開けてくれてサクサク食べて完食した。さっきまであんなにやる気なかったのにすごい!

今回のケースは、「まちがいを体験させよ」をしようとしたが、正確には本人は間違いを体験できていなかった(まちがいそうなところでギリギリ間違えてなかったみたいな感じ)ので、むしろ「(大人が)わざと間違えてみせよ」というネーミング(勝手に命名した)がしっくりくるパターンとなった。これはこれで今後も活かせそう。

人によっては「食べてる時は遊ばせるな」というかもしれない。でも、こうしなければ少なくとも娘はもう食べずじまいで、それこそスプーンと皿でリズムを刻みだしたりする。朝食があのまま終われば、これから保育園で過ごす活発な1日の始まりのエネルギー摂取量としては不足している。やってみて私も娘も笑顔になれたし、娘以外は食事をとっくに終えていたので食事の場を乱すということにもならなかった。これのおかげでサクサク食べられて朝食もダラダラせずに終わらせられたから、同じ状況になったら積極的に導入したい。

 こんな感じでこの「ついやってしまう」というこの知識と技術をうまく使って、子ども自身が楽しく自発的にすることを手助けできたらなぁと思った。もっと色んなパターンを見つけたい!多分どこの家庭でもある悩みにもならないような悩みだと思うので、また何かうまくいった例ができたら書きたいなぁ。

そんなわけで、(夫が)買ってよかったもの…「『ついやってしまう体験』の作り方 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ」の本でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊

引用

1)玉樹真一郎.「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ,ダイヤモンド社,2019,310p.
2)同上311p.

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ゆっこ 二児の母/小児科看護師
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