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Book review

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過去に書いた書評を順に公開していきます。 私自身、何冊分あるのか把握できていないので、ファイリングするつもりでやっています。 過去20年分、いや、もっと以前のものもあるかもしれま…
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記事一覧

出て行った二人のこと  book review

『父さんが帰らない町で』 キース・グレイ・作 野沢佳織・訳 金子恵・絵 徳間書店 2020  同…

ストリートの光と陰  book review

『オン・ザ・カム・アップ』 アンジー・トーマス・作 服部理佳・訳 岩崎書店 2020  ラッパ…

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今はもうないもの  book review

『ペーターという名のオオカミ』 那須田 淳・作 小峰書店 2003  ベルリンの壁崩壊を私はテ…

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悲しみを抱きしめて  book review

『さいごのゆうれい』 斉藤 倫・作 西村ツチカ・画 福音館書店  悲しみがある人生とない人…

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自分に正直でありたい  book review

『ウソがいっぱい』 丘修三・作 ささめやゆき・画 くもん出版 「自分にウソをつかない、って…

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未来はあてにならない  book review

『ガツン!』 ニック・ホーンビィ・作 森田義信・訳 福音館書店  本書の著者、ニック・ホー…

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いい夢が見られるまで  book review

『ひみつの犬』 岩瀬成子・作 岩崎書店  大人と子どもは一体何が違うのか? 生きてきた年月だけの違いだろうか? 私の周りには子どものような大人もいる。彼らの言動を見聞きしていると、自分の感情がコントロール出来ないようだ。逆に大人みたいだと感じる時、その子は妙に冷静だったりする。気分の上下は誰にもあるし、機嫌が悪くても構わない。ただその感情の責任は自身が負うべきで、それが大人だとも思うのだが…。  ペット禁止のマンションで、細田君は犬を飼っている。彼は羽美の住むマンションに

ネコの探し方  book review

『夏に、ネコをさがして』 西田俊也・作 徳間書店  行方不明のネコはどうやって探すのか? …

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伝えること、自分を知ること  book review

『13の理由』 ジェイ・アッシャー・作 武富博子・訳 講談社 『アメリカのベストセラー問題…

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それぞれが好き勝手に生きていく book review

『シカゴより好きな町』 リチャード・ペック・作 斎藤倫子・訳 東京創元社  これほどまでに…

遠い記憶 book review

『走れ、風のように』 マイケル・モーパーゴ・著 佐藤見果夢・訳 評論社  子どもの頃の記憶…

応援したくなる理由 book review

『その魔球に、まだ名はない』 エレン・クレイジス・著 橋本 恵・訳 あすなろ書房  この本…

魂で起こる変化 book review

『殺人者の涙』 アン=ロール・ボンドゥ・作 伏見 操・訳 小峰書店  これは、ある殺人者の変…

犬のことを考えている  book review

『チェスターとガス』 ケイミー・マガヴァン・作 西本かおる・訳 小峰書店  犬は飼い主を選べない。でも、もし犬が飼い主を、パートナーを選べるとしたら?  この物語を読んでから、私は犬のことが気になるようになった。チェスターは、私が今まで知っていた犬と違うように感じたせいかもしれない。犬は飼主に、パートナーにこれほど尽くそうとするものだろうか?  いや、違う。そもそも私は犬の飼主になったことはない。幼少期から犬は側にいたけれど、飼主は父だった。彼らはいつも父を待っていたし、