
転職ばっかりうまくなる
最近出会った本が、自分の心にすとんと落ちる作品だったので、感じたことを残しておきたい。
こんなにきれいな夕焼けを誰も見ていない、誰とも共有できない会社で働き続けることが、わたしにとって、なによりも耐えられないことだった。
この一節が目に入ったとき、胸がぎゅうっと締め付けられた。この気持ちを、わたしも知っていた。けど、この言葉を見て感じたのは、くるしいよりも、"分かってもらえた"だった。
「私はこれを大切にしたいんですよね」なんて説明をしなくたって、大切にしてるものがお互いにわかる瞬間を分け合う。好きな食べ物が違っても、髪型や服装が違っても、それだけが同じなら、同じ方向を見ていられる気がするのだ。
自分とは無関係な人が、たくさんいること。会社の中にいると、世界が狭くなりやすい。会社の中がすべてなのだと思ってしまいそうになる。だけど、ふらっと川の方まで足を伸ばすだけで、そうじゃないと一瞬で気づく。
休みの日に、どこか知らない場所に行きたいと思うことが増えた。ただ、初めてのまちをぼーっと歩くことが、なぜか自分を回復させていることを知った。がんじがらめになってる頭の中、ギュッと縮こまった心がほどける。
やわらかい自分に戻る時間を自分でつくることってきっとものすごく大事なことだ。
夢見る資格なんて、自分にはないのだと。だけどもし、もっとたくさんの人が自分の本を手に取ってくれたら。
言葉でお金を稼ぐとか、本にして売るとか、そういうことができるのはひと握りの人間だよねなんて思いながら。でも、もしそれが叶うなら、叶えられるならそれってすごくわくわくする。わたしの見たい夢は、やっぱり絶対に。
"転職が上手い人"には到底なれる気がしない。
でも。
無理をしたこと、"頑張った"ってことにしてしまわないように。大多数のひとが好きで得意なこと、出来ない自分を"出来ない"と思わなくていい。心穏やかでいられない相手と笑って話せなくてもいいよ。
「違和感を抱いたら、ひとつひとつきちんと距離を取っていくこと」 は、ちゃんとやっていきたい。
この作品を通して著者が一番に伝えたかったこととは違うのかもしれないけど、わたしがこれまで大切にしてきたもの、これからも大切にしていいよと言ってもらえたみたいで。それがすごく嬉しかった。
そうだよね。大切にしていこうよ。
もっと自分に言ってあげたい。