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ほっぺが落ちるホットアップルパイ
大阪天満宮の北門を通り抜け真っすぐ歩いて家路に向かう。
見慣れた街並み。
そこにはいつも目にする風景が広がっていた。
上方落語が楽しめる繁昌亭に飲食店がちらほら、そしてささやかな佇まいのカフェがあった。
その存在を随分前から知っていたけど、なんとなく通り過ぎていた。
いつもと同じように参拝後歩いていると、夕暮れの時刻も相まって無性にカフェがしたくなりその店が目に留まった。
いつも見慣れたこのカフェに訪問するのははじめて。
だけどわたしの趣味はカフェめぐり。
どうして今までここに訪問しなかったんだろう?
words cafe.(ワーズカフェ)/大阪天満宮
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店のドアを押すと、カウンターに面した調理場に向かって一名のいちを示す1本指を見せると、空いている席に案内された。
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外から見ているときは素朴なカフェだと思っていたけど、壁には色んな人のサインがしきつめられており、店内はユニークでワクワクさせられる空間だった。
軽くカフェをするつもりが、夕飯間近の時間帯にメニューをみると目移りがとまらない。
マスターがオーダーをとりに来てくれた。
「カツサンドとコーヒーと。。。。。でもこのホットアップルパイも気になってるんですよね~」とメニュー表を指しながら伝える。
だけど食べ過ぎな気もする。。
アップルパイの提供は少し時間がかかると言われたが、とりあえずカツサンドとコーヒーのオーダーを通した。
「もうちょっと考えますね」
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「あの〜やっぱりホットアップルパイもいただけますか?」
女性の店員さんがカツサンドを持ってきてくれたタイミングで、追加のオーダーをした。
夕飯前にためらっていたけど、いっそこの時間をディナーにすると決意。
見ての通りのおしゃれなカツサンドは、わたしにかかるともうあっという間にペロリと完食。
コーヒーを堪能していると、マスターがお冷を注ぎにきてくれた。
「(アップルパイの注文)とうとう決めましたか!」と声をかけられた。
「ハイ、どうしても食べてみたくて」と返事した。
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続けて「この写真とイラストって〜ドラマの撮影か何かでここ使われたんですか?」と尋ねた。
店内には大切そうにイラストや写真がいくつも飾られていた。
"春待つ僕ら”?
作品名が目に留まった。
するとマスターが
「漫画家の先生にここを漫画に描きたいと言われてね」
え?
状況がよくよめない。
気になってスマホで漫画を見てみると、ヒロインの高校生 美月がバイトするカフェがでていた。
店名はwords cafe(ワーズカフェ)
そしてここのお店もwords cafe(ワーズカフェ)
実際に存在するカフェからインスピレーションをうけて、漫画が生まれたの!?
「この漫画は映画化されたんですか?撮影もここでされたんですか?」
なんて表現したらいいだろう?
何か新しい楽しいものに出会ったような気分になった。
「ここには店の前にバスケのコートがないからさ。漫画のなかだったらあるでしょ。でも映画になった当時は聖地巡礼?って言うのかな。ヨーロッパや色んな国から訪ねてきてくれてね」
思い出話を簡単に語ると、マスターは「漫画ここにもあるよ」と言い漫画家さんのサインが入った春待つ僕らの一巻を渡してくれた。
なにも知らずにいつも通り過ぎてたけど、ここは結構話題の場所だったんだとはじめて知る。
漫画を読みながらホットアップルパイを待つことに。
バスケに青春を捧げるイケメン四天王いきつけのカフェ。
恋に部活にバイトにキラキラハイスクールストーリー。
ふ~ん。わたしの高校生活は青春やキラキラとはほど遠かったな。
だってなにも頑張っていなかったから。
しんどくても苦しくても、面倒くさくてもひたむきに頑張ることはやっぱり大切と、今更ながらに思う。
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ついに念願のホットアップルパイの登場。
温かいアップルパイの上には冷たいアイスクリームと生クリームがトッピング。
フォークとナイフを使って、アップルパイを口へと運ぶ。
ひとくち
ふたくち
うん、おいしい!!
温かいアップルパイと冷たいアイスクリームの相性がいい。
生クリームも好き。
一度食べると中毒性のあるお味だった。
アップルパイ好きな人やスイーツに目のない人はぜひとも試して欲しい。
この感動をすぐに伝えたくて
「ちょっと食べすぎかとも思いましたけど、このホットアップルパイ美味しいですね〜」と声をかけた。
「提供まで時間がちょっとかかるけどね」と嬉しそうに応えてくれるマスター。
そして去り際にサラッと
「これタオちゃんも好きよ」
ん?
タオちゃん??
マスターが話しながら指さす先の写真には、2018年に映画化した、春待つ僕らのヒロインを務めた土屋太鳳ちゃんが写っていた。
。。。
タオちゃんもここに来てこれ食べたんだ~
好みがいっしょだね!
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大阪天満宮の近くには、ホットアップルパイがおいしいお店が静かに佇んでいた。
だけど店内に一歩足を踏み入れると、そこは多くの人が訪れる物語がはじまる場所だった。
またすてきなカフェ見つけちゃったな。