ITエンジニアのストレスとうまく付き合うコツ
どんな仕事にもストレスはあるものだと思います。挫折して辞めてしまう人が多いのも、さまざまな理不尽な状況に我慢ができない事が、大きな要因かと思います。
そこで、長く続ける為にどうやって、ストレスと付き合って行くかについて、考えてみたいと思います。
■ 大きな責任と小さな権限
IT業界は、ピラミッド構造になっており、多くのエンジニアが下請け会社の社員として、働く事にになります。基本的には元請け企業の社員は、管理業務を担い、下請け企業のエンジニアが、具体的な作業を行います。
元請け企業のエンジニアは、実作業をやらないので、現場の状況などが、理解出来ていない点、理解していない状況でユーザー企業の担当者からの要求を曖昧に受けてしまいます。
そのしわ寄せは、下請け企業の社員が背負うことになります。結果、権限はないが、仕事のキーマンになり、大きな責任を背負わされるケースが多いのです。
・作業スコープを明確に定義する
大きな責任と小さな権限を、どのように回避するかというお話をします。作業スコープを明確に定義することです。作業範囲が曖昧だと基本的には立場の弱い人にとって不利になります。建設的な相手だと良いのですが、どんな立場の人も、自分の都合が第一優先だと思います。
作業スコープを明確に定義して、合意することは自分を守るだけでなく、相手を守ることにも繋がります。作業の範囲、成果物、納期を明確に定義して、合意をすることを心がけましょう。
そうすることで、自分にとって理不尽な状況を回避することをある程度、避けることができます。
・論理的に議論を展開する
作業スコープを定義する上では、相手にとって都合が悪いことも多々あります。その時は、感情論ではなく、論理的に相手に説明し、できれば資料などを提出することが重要です。また、説明したものはエビデンスとして、何かしら形にしたものを、双方合意した資料として提示しましょう。
・責任範囲を明確化して先回り
責任と権限がセットになっていないケースは多々あります。よって、責任と権限はセットであるという認識をしておいてください。例えば、「成果物を作成する責任はあるけれども、その成果物を確定させる権限がない」というケースがほとんどではないでしょうか。そのような場合は、確定させる権限は、相手にあるので、「〇〇までに成果物を承認(レビュー)してください。」と、仕事を受けたと同時に、お願いしておくことがベストです。
要するに、仕事を受けるときに、互いの責任範囲を明確化しておくことが重要であるということです。
■ ストレスを逃がす先を持っておく
ストレスを逃がす先をしっかり持っておくことです。例えば、新橋のサラリーマンが、会社の愚痴を酒の肴にして、ストレスを発散していることも重要なことだと思います。愚痴を言うことはあまり良い印象はないと思いますが、ストレスを溜め込んで、数か月で退職してしまうことの方が、よっぽど悪いことです。
数か月だけしか働かった経歴は、ほとんどのケースで経歴的にマイナスになってしまい、次の転職に不利になります。数か月しか働かなかった経歴は、ない方がましなのです。
もちろん退職する側にも事情はあるでしょう。会社の方に責任があるかもしれませんが、転職先の面接や書類選考で、いくらそういう話をしたとしても、「結局何かしら気にいらないことがあったらすぐに退職する人」という印象しか持たれないと思います。IT業界に限った話ではないと思いますが、多くの場合、そうではないでしょうか。
私も転職を複数回繰り返してきましたが、挫折して退職したことは、たった1度。飲食チェーン店勤務のときだけです。IT業界では次のステップに臨むための転職です。そうであっても、転職しながらキャリアをあげていくというのは至難の業です。基本的には、待遇面は現状維持または下がります。
だからこそ、挫折して退職しない為に、ストレスを逃がす先は重要です。
■ 仕事ができないことを気にしない
良くも悪くも結果を気にしないことが重要です。仕事の評価は他人が行うものであり、存在価値は自分が判断するものではありません。作業がうまく行ってなくても、自分自身では不甲斐ない結果であったとしても、評価が低いとは限りません。
マネジメントの立場からすると、結果が出ない事にも、良い場合と悪い場合があります。期待されてるから、少し手の届かない事を求められるという事もあります。
とにかく気にする必要はないのです。自己肯定感を高く持ち、前向きになれるように、メンタルを維持する必要があります。
■仲間を探せ
仲間の存在は本当に重要です。先輩や同期などの気の知れた仲間が居るのと、1人で抱え込む事では、ストレスが全く違います。
愚痴をいうでも良いですし、先輩の過去の話を聞かせてもらうでも良いと思います。気の知れた仲間を作って、弱味をどんどん観せれば良いと思います。
弱味をみせることができるのも、一種のメンタルの強さだと思います。弱くても良いので、逃げ出さないで済む方法を身につける事が重要です。
■ズル休みをしよう!?
ストレスが大きいと感じたら、ズル休みをしよう。ズル休みは悪い事ですが、別に1日ぐらい大丈夫ですよ。その1日頑張って潰れるぐらいなら、大した事では無いと思います。
ズル休みって悪い事ですが、悪い事をして休んでいるっていう感覚がよいと思います。
もちろん、バレないようにしてくださいね。ちなみに、私もズル休みの常習班でした。
勘違いされたら困りますが、ズル休みする日は、重要なアポイントメントがない日にしてくださいね。要領良くサボることを考えましょう。
■本当の弱さとは?
ストレスに弱い人とは、愚痴をこぼす人でもなく、サボらない人でもなく、弱音を吐かない人でもありません。
困難から逃げ出す人です。
本当に弱い人とは、逃げ出す理由を考えて、自分自身を洗脳して、適当な理由をつけて、それを正当化する。
こんなはずじゃなかったとか、ITは自分に向いていないとか、自分が想定していなかった不満をきっかけに、数ヶ月しか向き合っていないのに、新しい事をはじめたくなりました。などと正当化する事。
ストレスに強くなるのではなく、ストレスを逃す方法をたくさん持っている事も、非常に重要な事です。
本当の意味で負けないでください。何かを成し遂げる前には、困難は必ずあります。辞めたいと思ってからが本当の勝負です。