サブカル大蔵経628レンタルなんもしない人『レンタルなんもしない人のなんもしなかった話』(晶文社)
現代のスーパーマン現る。
〈何にもしないこと〉が、なぜここまで感謝されるのか。それが、本書の一番の問いかけなのではないでしょうか。
「アウトデラックス」の審査に落ちた挿話が神話的すらあります。
〈慈悲〉や〈他力〉の現代的解釈にもつながるような。
乞食としての沙門を彷彿させる聖典。
してあげているつもりの私を撃つ。
おつかいは僕の中では十分何かしてることになり、お断りしてます。p.18
〈おつかい〉の根源に人が委ねるもの。
中野にあるしょぼい喫茶店はいろいろしょぼくて面白かった。細部までしょぼく、一貫性のなさも含めてシンパシーを感じた。p.42
ここ、聖地だと思いましたが、こういう店、私たちの周り、すぐそばにあるかもしれません。
こちらのたかってる感が増すので、より高度な図々しさが求められる気がする。p.59
なんもしないけど、心配りが凄い。
Q.なんかするんですね。A.なんもしないは主観的なものです。p.80
自分に無理かけない。
引っ越しを見送ってほしい依頼。p.83
この辺りドラマでも描かれましたが、本書がスウィングし始めた真骨頂なのかも。
ありがとうございました!本当に奇跡かと思いました。きっとレンタルさんがなんもしなかったおかげでしょう。今後も是非なんもしないでください!p.109
しない事がしてる事に転換していく。これこそ仏教の言う〈不可思議〉では。
やりとりをしてからなんだか心が軽くなって。身内には絶対できない話なので誰にも言っておらず、ただ聞いてもらうだけでできるようになると思いませんでした。なんもしない人の効果を噛みしめました!p.123
話を聞いてもらうことの凄まじさ。
レンタルなんもしない人をオマージュしてレンタルめっちゃする人と言う名前で活動してる人とあったんですが、日雇いバイトの依頼しか来なくて早々に廃業したそうです。p.127
何でもするが、なんもしないに負ける。合気道か。格闘技にもつながる。
オーストリアのグロッシェンと言う通貨を貰った。使えないけど生き残っているという意味で縁起が良い。p.185
役に立たないからこその価値
フジテレビのアウトデラックスから出演の打診があり、この間打ち合わせに行ったら、アウトな要素が1個もないと言われ、さっき、すべてグッドでしたので今回は見送らせていただきます。と落選の連絡があった。p.197
テレビ番組でも使えないという真実性。
クソリプについて、明らかに嫌なこと言ってくれるのは対応できるんですが、良かれと思ってのニコニコリプライは、善意なのはわかる分対応に困ると言ったら、それがクソリプですと言われて、なるほどと思った。p.205
善意が一番厄介
なんもしないの定義は、曖昧かつ主観的なもので、日によっても変わる。呼吸するのと同じような無意識間でできるものと言う感じ。p.214
マニュアル本ではない、新鮮さ。
Q.チケット使った人にはバチがあたりますね。その人は何もしてないのに。
A.僕もなんもしてないんで。p.225
神か仏の姿勢。
なんもしない人が生きていけるとしたら何かする人のおかげだ。けれど、さらにややこしいことを言うと、広い意味でのなんもしないは、ぜひたくさんの人にお勧めしたい。呼吸するのと同じようなテンションでできることなら多分一生できる。ストレスも感じない。お勧めです。p.245
ファンタジーか、現実か。
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