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サブカル大蔵経830吉本浩二『定額制夫のこづかい万歳 』(3)(講談社モーニングKC)

回を重ねるごとに期待の上を突き抜けていく、現在のところの今年度最高作品です。

登場人物たちの限られたこづかいの中での独特の工夫と発明に、ページをめくるたびに、声を出して笑う。そんなこと滅多にないのに。まさかこの年になって、本に対してアクションをしてしまう幸せ。

現代の生活史であり、菩薩が次々と登場してくる経典です。

『ブラックジャック創作秘話』や『さんてつ』などヘビーな取材作品を重ねてきた吉本先生にしか保てない相手との絶妙な距離感が、庶民を勇者にも怪物にも昇華させていきます。

大人しそうなキャラが恥ずかしそうに語り出して、それがこだわりを語る際にはドヤ顔でアップに!

その時の表情が目に光が宿り、完全に逝ってしまっている描写が出てきました。これもはやホラーです。

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通称…"最後の晩餐"…!!p.45

笑いと恐怖、緊張と緩和は表裏一体。

そして最大の怪物が奥さんなのが今作品のキモであり、家族ドラマとしても描かれる奥深さにもつながります。

本巻はその奥様が主人公の読み切り作品やエッセイまで登場!ラスボス降臨!

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吉本's妻のエッセイ「私と日高屋」p.169

名文なのにまたびっくり!

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雨の日も、風の日も…イオンは年中無休ですから…p.13

 イオンという現代のバベルの塔。

通称"ときめきデート"に出かけるんです!!p.22

 このくだり、もう叙事詩ですよ。

私にとっては唯一このセブン-イレブンの光だけ…p.37

 2巻は駅呑み。本巻はセブン。身近なところに浄土があることが描かれます。すごすぎます。そして少し哀しいところがたまりません。

ダイソー脳p.76

 ダイソー沼の入り口と出口も必見。

えっ…⁉︎玄関が…酒場…!!?p.128

クライマックス。

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永江雅邦
本を買って読みます。

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