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サブカル大蔵経638安西水丸『ちいさな城下町』(文春文庫)

旅をしていた時、少しマイナーな観光地が好きで、県庁所在地になれなかった街や、人口二位の街を訪れたりしていました。その時に「城跡公園」というものに出会うことが多かったです。城がほぼない北海道の人間にとっては、それが不思議な空間でもありました。

小さな城下町だからこそ残っている、そんな風情を楽しみたい。p.23

これに尽きます。

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本書での安西水丸さんのラインナップが、渋すぎるというか、振り切っているというか、自然にたどり着いた結果というか。

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人気のない城の前で誰も聞いてない饒舌。そんな趣きの紀行文です。

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この五万九十石という石高が渋い。p.17

 村上藩の細かい石高。ここは鮭びたしが美味しかった思い出があります。安西さんは村上茶を評しています。

栃木は蔵の街だ。p.88

 壬生町の古い蔵で干瓢カレー。

(柳宗悦は)利休はまいす(売僧)であったと切り捨てている。p.90

 米子市の項。利休と遠州を斬る柳宗悦。

本拠として、水戸、尾張、そして紀州を選んだところにぼくは家康の炯眼を感じている。p.161

 新宮について。中上健次のことも。

真田氏の行動の根本に淀んでいるのはコンプレックスだ。p.242

 沼田にて、真田一族について。

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永江雅邦
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