サブカル大蔵経750都築響一『東京右半分』(筑摩書房)
最も信頼できるガイド、都築響一さん。
目の前に、すぐそばにあるのに、視界に入らない、たどり着けないところ。
その視点でいざなわれる東京東半分。
量と逸脱とカオスと。
ダサイもの、捨ててきたものにしか、希望も真実もないことがわかる。
東京五輪で世界中から人が来れていたら、この本をガイドブックにして欲しかった。
それか、簡易版の「TIME OUT」の東東京編を都築響一編集で作成して欲しかった。
【竹ノ塚】東京都心にもない、谷根千みたいな下町にもない、独特のなにかがある。p.33
本書でその存在を知り、一昨年、初めて竹ノ塚に行きました。夜10時くらいに着いたのですが、ひと気がなく、ラーメン食べて帰りました。
「ザリガニとかも食ってましたよ」(比嘉)
「そう、マッカチ!」(赤木)p.35
本書の竹ノ塚鼎談で日本が拡がりました。
竹ノ塚の生き字引「スナックエルザ」のカウンターp.49
ツマミメニュー最高です。イカ焼、冷奴、ハンペン焼、ウインナー、トコロテン、さつま揚げ、エシャロット、ししゃも。
【湯島】MUSIC BAR道。「インド人がフィリピーナ口説いてるんですよ」p.67
日本が「うつわ」になった、湯島という街。
【綾瀬】ラーメンロッジ。「綾瀬のパンダには名前はついていない」p.132
世界唯一のラーメン食べながらパンダ。ウィーンの博物館のオマージュか。
【台東】城東職業センター。皮から革になる。p.171
同和対策から若者の場へ。
【台東】佐竹商店街。王様の椅子。p.208
ぼくらの。の椅子のような多種の椅子。
【浅草】バーFOS。p.241
観音裏の世界。行ってみたい…
【浅草】バンコク村。日本が少しずつ東南アジアに近づいて嬉しい。p.261
バンコク村と錦糸町のリトルバンコク。今回のオリンピック、本来ならこういうそれぞれのコミュニティで交流や出会いがあったのだろうか。
【三河島】タンマガーイ寺院東京支部。タイ寺本来の宗教施設の姿。
寺の本来の姿を日本のタイ寺院で学ぶ。
【足立区】JWP月一回1000円子供100円p.355
誰も予想がつかなかったJWPの現在。世界の足立区のコマンドボリショイの存在。
【小岩】純喫茶木の実。p.420
サイフォンをたしなめるマスターがカッコ良すぎます。
【上野】オリエント工業。ラブドール。
「人体をそっくり型通りしても死体になっちゃう。」p.547
西洋のオートマタ。日本のダッチワイフ。ラブドールの肩に手を回す社長を見て、『豚とおっちゃん』での豚と暮らすおっちゃんを思い出した。せつなさと優しさ。
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